介護職にブランクがあり職場復帰を考えている方向けに、復帰の準備から職場を選ぶコツまで紹介します。子育てなどで退職した経験があり、また職場復帰をする際に注意したいことや、転職をスムーズにするポイントをまとめました。
Contents
介護職にブランクがある方に多い不安や悩み
子育てがひと段落したら介護の職場に復帰しようと考えている方もいるでしょう。
しかし、結婚や出産で介護の現場から長く離れていると、再就職への不安があるものです。
職場復帰前に何を準備したらいいのか、どんな対策が必要なのか不安に感じてしまい、なかなか行動に移せないでいる方は少なくありません。
そこで、介護職にブランクのある方に役立つ情報をまとめました。
家庭の事情で仕事から長く離れていた方は、家庭と両立できるのか、体力面で続くのか、職場に馴染めるのか、介護の仕事の技術面は問題ないかといった不安を抱えやすいため、それぞれの問題の解決策を紹介します。
子どもが大きくなれば教育費の問題も出てくるため、職場復帰の不安を解消させて、金銭的な悩みも解消してください。
介護の知識や技術についての不安
介護の仕事は専門職のため、特定のスキルや知識が必要になります。
一度覚えてしまえばそれで終わりというわけにはいかず、日々進化している技術や知識に対応するよう学び直す必要があるでしょう。
このような問題から、介護職にブランクがあると知識や技術面で不安があるものです。
ブランクが長ければ、古いままの知識となってしまい、間違った介護をしてしまうのではないかという不安があるでしょう。
また、介護職に復帰するとなると、新しい技術を覚えなければならず、新しい職場でちゃんと学べる環境があるのか、環境が整っていても学習についていけるか不安になりがちです。
家庭と両立できるかの不安
子育て中の方が介護職に復帰するとなると、家庭と仕事の両立が気になるでしょう。
新しく入ったばかりの職場では、職場の流れを把握しておらず、急なシフトが入り家庭に迷惑をかけてしまうのではないかという不安が出てしまうことがあります。
家族の理解が得られれば職場復帰をしても問題はありませんが、それでも家事や育児をおろそかにしたくないと感じる方は少なくないでしょう。
新しい職場では、仕事に慣れるまで家庭と仕事の調節がしづらくなります。
体力面での不安
介護の仕事は体を使う作業が多いため、職場復帰では体力面の不安があるでしょう。
長く介護の仕事から離れていると、慣れない作業で疲労が蓄積してしまう恐れや、腰を痛める心配もあります。
今まで介護の仕事の経験があるからこそ、体力が重要なことはよく理解しているでしょう。
だからこそ、職場復帰では力仕事ができるのか、体力が続くのか、体は上手く動かすことができるのか不安があるものです。
介護の職場では男性職員に力仕事を任せることはできますが、自分でやらなければならない作業もあるため、体力面の不安は感じやすくなります。
新しい施設・人間関係に馴染めるかという不安
介護の職場は人との関りが深いからこそ、人間関係の悩みがあるでしょう。
職場の人とうまくやっていけるかどうかは介護職にとって重要な要素で、多くの方が悩んでいる問題でもあります。
新しい職場にどんな人がいるかどうかは、入職しなければわかりません。
性格が合わない人や考え方の不一致がある人がいるのはどこの職場でも一緒ですが、人間関係は自分では変えられない要素のため、復職する前に不安を抱えるのは当然のことです。
職場の人間関係は見えないからこそ、復職での不安材料になりやすいでしょう。
とくに今まで職場の人間関係で苦労した経験があると、その不安から職場復帰への行動が進みにくくなることがあります。
ブランクのある介護職が復職するための準備
介護職に職場復帰を感じているなら、事前に以下の準備をしましょう。
- 介護職の仕事内容の復習をする
- 介護に関する法制度を確認する
- 体力作りをする
- 働ける条件を整理する
- 職場見学をする
すべての項目を準備するのに時間や手間がかかるときは、不安が強い内容だけでも見直すことをおすすめします。
具体的にどのような内容を再確認したらいいのか、次の項目で詳しく解説しますので、参考にしてください。
介護職の仕事内容や知識を復習する
長く介護職から離れていると、どのような仕事内容があるのか忘れていることがあります。
再確認の意味も含めて、介護職での仕事内容や、どんな知識が必要なのか確認しましょう。
介護職の仕事は、身体介助が中心となります。
食事・入浴・排泄・体位変換・更衣などの場面では、利用者さんが日常生活をスムーズに過ごせるよう介護職員の手助けが必要です。
職場復帰の前に介護の仕事内容を復習する理由は、命を預かる仕事だからです。
利用者さんによっては上手く気持ちを伝えられない方もいるため、相手の表情から読み取る力が必要となり、ちょっとしたミスでもトラブルが起きる恐れがあります。
介護職の仕事内容や知識を再確認しておくと、忘れていた内容を思い出すきっかけとなり、介護の職場で事故防止になるため、事前の復習がおすすめです。
知識の確認は、資格取得の際に利用したテキストや、ネットの情報でも確認できるため、新しい情報も得ておいてください。
介護に関する法制度を確認する
介護の職場にブランクがあるなら、介護に関する法制度を確認しましょう。
3年ごとに介護保険制度が改正されるため、知識として取り入れておくようにします。
介護職員に介護保険制度は直接関係がありませんが、利用者さんやご家族から保険の詳しい制度について質問を受けることがあるため、再確認するのがおすすめです。
また、介護報酬の改定内容についても、職場復帰前に確認しておきましょう。
直近の介護報酬の改定は2021年度でしたが、3年に1度改定することになっており、介護職の報酬に影響してきます。
今後は看取り介護の必要性が高まることが予測されているため、介護加算の見直しが行われる可能性があるでしょう。
介護報酬の改定は、介護職として働いている方だけでなく、事業所の経営状況にも影響します。
新しく勤める職場の経営が保たれるかどうかにも影響するため、職場復帰前に簡単でいいので確認するようにしてください。
体力作りをする
介護の職場に復帰する予定なら、体力作りをしておきましょう。
家事や育児でも普段から体を動かしているとは思いますが、職場復帰すればそれ以上の体力が必要となるため、早めに体力アップを目指すと安心です。
たとえば、ジムに通う、ランニングをするなどの対策があります。
時間や費用に制限があるときは、毎日軽いストレッチをするだけでも違います。
日々の生活で歩くようにするだけでも、何もしないよりは体力が向上しやすいため、無理がない程度に少しずつ体力作りをするようにしてください。
体力作りは、頑張りすぎると続きません。
普段から体を動かすことがない方は、とくに激しい運動をすると体を痛める恐れがあるため、1日数分~数十分でもいいので体を動かす習慣をつけましょう。
働ける条件を整理する
家事と介護職の両立を実現するため、働ける環境を事前に整理しておきます。
- 夜勤はできるのか
- 土日勤務はできるのか
- 残業は何時間くらいできるか
子育て中の方が夜勤をする場合は、家族の協力が不可欠です。
家族も仕事があるなら、無理して夜勤をするよりも、日中の勤務時間を増やしたほうがいいか考慮してみてください。
また、家族がいる場合は土日勤務や残業の影響も受けやすいため、家族でよく話し合ってどのくらい働くのか決めておくといいでしょう。
あわせて、自宅から職場までの通勤時間の確認もおすすめです。
通勤時間が短ければ多少の残業があっても、家事への影響を少なくすることができます。
逆に通勤に時間がかかるようなら、家事に無理がないよう勤務時間を減らすなど調節が必要になる場合があります。
職場見学をする
実際に働く環境を確認しておくと、職場復帰の不安が解消されやすくなります。
施設によっては事前の見学ができるところもあるため、相談してください。
職場見学が可能な施設なのかわからないときは、転職コンサルタントを利用して、職場とのやり取りを対応してもらうとスムーズです。
介護職の職場見学では、スタッフの人数が適切なのか確認しましょう。
人数が足りない状況で業務を行っていると、十分な介護ができず、トラブルが起きる恐れがあります。
職場見学では、職場の環境が整理整頓されているか、利用者さんの安全は確保されているか、入浴施設など実際に介護をする現場の状況もチェックしましょう。
設備が不十分だと、介護職員の仕事に影響が出る恐れがあります。
職場の人間関係のチェックでは、利用者さんとの会話でも確認可能です。
言葉使いは丁寧か、マニュアルばかりの作業になっていないか、利用者さんの表情は明るいか、ご家族が不安に感じていないかもチェックすることをおすすめします。
職場選びのポイント
介護職にブランクがある方は、次に紹介する転職法を選ぶと安心です。
- ブランクOKの職場を選ぶ
- ライフスタイルに合った働き方を選ぶ
- パートや派遣として働いてみる
- 転職コンサルタントに相談してみる
介護職は人手不足の現状があるため、「ブランクOK」の職場が多くあります。
また、家庭と仕事の両立をしやすくするため、細かい条件についても確認しましょう。
ブランクOKの職場求人へ申し込む
介護の職場で「ブランクOK」のところは、教育制度が整っている可能性があります。
未経験者や長く職場を離れていた人でも安心して応募できる環境を整えられていれば、どんどん新しくなる介護の技術やスキルにも対応しやすくなるでしょう。
介護業界全体としては、人手不足の事業所が少なくありません。
人材が足りていない事業所では、気軽に応募してもらいやすいよう、「ブランクOK」や「未経験者OK」などの職場があります。
募集内容に明確な「ブランクOK」の文字があれば、職場を長く離れていた方でも、仕事のやり方を指導してもらうことができます。
忘れていた技術の再確認や、新たなスキルの習得も可能です。
ブランクのある方がすべての知識を見直すことは難しいため、教育制度が整っている職場を選ぶと、少しずつ仕事に慣れていくことができて安心でしょう。
現在のライフスタイルに合った働き方を選ぶ
家庭のある方が介護職に復帰するときは、現在のライフスタイルに合わせた職場を選ぶことが大切です。
たとえば、夜勤を避けたい場合は、訪問介護事業所がおすすめです。
訪問介護は日中のみの勤務となるため、夜勤のシフトが入る心配がありません。
また、体力に自信がない方にも、夜勤のない職場がいいでしょう。
夜勤は日中より作業内容が少なくなりますが、体力がない方だと夜の勤務はきつくなりやすく、スタッフの人数が少ない点でも日勤がおすすめです。
夜勤ありの職場を選ぶ際には、夜勤の回数をチェックしておきましょう。
回数が多すぎないか、シフトは希望通りに組んでくれるのか確認しておくと、ライフスタイルや体力に合わせた働き方ができます。
まずはパートや派遣として復帰する
長くブランクのある方が介護職に復帰するときは、無理がないパートや派遣として働く方法もあります。
パートなら短時間勤務のため、徐々に職場の雰囲気に馴染んでいけるでしょう。
新しい技術を習得しながら職場復帰もしやすくなるため、家庭と仕事を両立しながら、無理のない範囲で職場復帰をしたい方におすすめの働き方です。
最初はパートや派遣勤務であっても、正社員登用制度があれば柔軟な働き方ができます。
パートで職場に慣れてきてからや、子どもの成長に合わせて将来的に正社員として働きたい方は、正社員になる仕組みが整っているか確認してください。
転職コンサルタントを利用してみる
家庭があり介護職にブランクのある方は、職場復帰の条件が細かくなる傾向があります。
どんな職場でもいいわけではなく、自分で求人を探すのは大変になる場合があるため、そういった場合には転職コンサルタントの利用がおすすめです。
転職コンサルタントを利用すると、以下のメリットが得られます。
- 希望した職場の雰囲気がわかる
- 希望に合う求人を探してくれる
- 転職事情をプロから提供してもらえる
- 就職先との連絡や調節をしてくれる
- 履歴書や面接対策の相談に乗ってくれる
転職コンサルタントは、応募する側に費用がかかることはなく無料です。
細かい条件に合った求人選びから、職場の情報提供、職場との連絡までコンサルタントが担当してくれます。
また、介護職に復帰する前に、職場見学をしたい方にも転職コンサルタントがおすすめです。
事前に職場の情報をコンサルタントから聞きながら、実際に見学に行きたいときはコンサルタントに施設へ連絡してもらうことができるため、スムーズでしょう。
まとめ
介護職は売り手市場ですが、ブランクがあると職場復帰に不安を感じてしまうでしょう。
不安があるまま転職活動を進めるのではなく、紹介した内容を参考にしながら情報収集をしてみてください。
家事や育児で忙しく情報収集の時間が取れないときは、無料で利用できる転職コンサルタントへの相談も検討してみるといいでしょう。
自分に合った職場を比較しながら、ブランクを解消してみてください。