定年後も介護業界で輝く!60代・介護職経験者の仕事探し

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「定年を迎えたけれど、まだ介護の仕事を続けたい」「60代でも雇ってもらえる職場はあるのだろうか」

長く介護の現場で活躍してきた方ほど、こうした不安を抱えやすいものです。

体力の変化を感じるようになり、以前と同じ働き方は難しい。かといって、これまで積み上げてきた経験を手放すのは惜しい。そう感じている方も多いと思います。

 

結論からお伝えすると、介護の実務経験をお持ちの60代は、多くの事業所から求められています。ただし、これまでと同じ条件で職場を選ぶと、身体を痛めて長続きしない結果になりかねません。

この記事では公的なデータをもとに、60代の経験が評価される理由から、仕事探しで失敗しない3つの条件と求人の探し方までを解説します。

「この先も無理なく介護の仕事を続けたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

60代の今だからこそ活きる!これまでの経験が高く評価される理由


60代での仕事探しでは、年齢に不安を感じる方も少なくありません。

しかし介護業界では、年齢よりも「経験の有無」を重視する場面が多くあります。ここでは、60代の経験者が評価される理由を3つ紹介します。

 

教育コストゼロの「即戦力」として評価される

介護事業所の人手不足は、年々深刻さを増しています。

介護労働安定センターの「令和6年度介護労働実態調査」によると、従業員が不足していると答えた事業所は65.2%にのぼりました。前年度の64.7%からさらに上昇しています。

ここで注目したいのが、中途採用される人の前職です。

同じ調査で中途採用された人の直前の仕事をたずねたところ「介護・福祉・医療関係以外の仕事」と答えた人は、介護職員で47.1%、訪問介護員で48.2%でした。つまり、採用されている人のおよそ半数が、介護未経験からの入職者です。

 

未経験者を採用した場合、事業所は基礎からの教育に時間と人手をかけなければなりません。その点、介護の実務経験がある60代の方は違います。身体介護の基本や記録の書き方、事故が起きやすい場面の見極めも、すでに身につけています。

採用後、即戦力になれることは、事業所にとって大きな価値です。さらに、長く働いてくれる見込みが高いことも評価につながります。

同調査で訪問介護員と介護職員を合わせた離職率を年齢階層別に見ると、29歳以下は18.7%でした。これに対し60〜64歳は10.5%、65歳以上は10.6%です。若手のおよそ半分の水準です。「すぐ辞めない人」を求めている事業所ほど、60代の経験者を歓迎しています。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.2,P.8,P.10)(参照 2026-08-10)

 

資格や経験年数が「給与・待遇」に直結する

介護業界では、保有資格と勤続年数が給与にはっきり反映されます。

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、処遇改善加算を取得している事業所で働く介護職員(月給・常勤)の平均給与額は、以下のとおりです。

区分 平均給与額(月額) 平均勤続年数
介護福祉士 350,050円 10.4年
介護支援専門員(ケアマネジャー) 388,080円 14.0年
介護職員初任者研修 324,830円 8.8年
保有資格なし 290,620円 5.8年

 

介護福祉士と無資格者の差は、月額で59,430円です。年間にすると70万円以上になります。

勤続年数による差も明確です。同じ調査で勤続1年の介護職員の平均給与額は298,760円、勤続20年以上では382,520円でした。その差は月額83,760円です。

資格を取るために重ねてきた努力や長年の勤務は、こうした形で待遇に表れます。

 

・厚生労働省.「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」.2025年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf(P.146,P.161)(参照 2026-08-10)

 

では、60代になると給与は大きく下がってしまうのでしょうか。

介護労働実態調査で年齢階層別の平均月収(月給の人)を見てみましょう。50〜54歳は255,107円、55〜59歳は253,531円、60〜64歳は243,053円でした。50代前半のピークとの差は、月額でおよそ1万2千円です。

65〜69歳でも233,899円で、前年度と比べて3.4%増えています。

年齢を重ねても給与水準が大きく下がりにくいことは、介護業界で働き続けるうえでの安心材料になっています。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.20)(参照 2026-08-10)

 

若手スタッフの「メンター」として頼りにされる

60代の経験者に期待される役割は、介護だけではありません。若手を育て、職場に定着させる存在としての価値が高まっています。

こうした役割は「メンター」と呼ばれます。仕事の手順を教えるだけでなく、悩みを聞いて精神面をサポートする相談役のことです。

その背景にあるのが、介護職の離職理由です。介護労働実態調査によると、直前の介護の仕事を辞めた理由で最も多かったのは「職場の人間関係に問題があったため」で24.7%でした。

さらに内訳を見ると「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」という回答は49.1%にのぼり、約半数を占めています。

つまり若手が退職してしまう最多の原因は、仕事の内容ではなく教える側との関係にあります。ここで力を発揮するのが、経験豊富な60代のスタッフです。

失敗しても頭ごなしに叱らず、なぜそうするのかを落ち着いて伝えられる。利用者の急変や家族からの申し出にも、慌てずに対応できる。こうした振る舞いは、若手にとって最高のお手本になります。

実際、多くの事業所が職場定着の方策に力を入れており「人間関係が良好な職場づくり」を行っている事業所は72.0%にのぼります。

現場の空気を穏やかに保てる人材は、どの事業所も採用したい存在です。これまで培ってきた「人との向き合い方」が、60代ならではの強みになります。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.1,P.2)(参照 2026-08-10)

 

60代の介護の仕事探しで失敗しない条件


 

60代の経験が評価されるとはいえ、どこでも同じように働けるわけではありません。以前と同じ感覚で職場を選ぶと、身体に負担がかかり数か月で退職、という結果になることもあります。

ここでは、長く働き続けるために確認したい3つの条件を紹介します。

 

条件① 身体的負担をコントロールできる「施設形態・働き方」を選ぶ

まず見直したいのが、働き方と施設形態です。

介護労働実態調査では、労働条件についての悩みとして「身体的負担が大きい」を挙げた人が24.6%いました。60代であれば、なおのこと現実的な課題になります。

働き方については、フルタイムや夜勤にこだわらないことが大切です。

日勤のみ、時短勤務、週2〜3日のパートなど、選択肢は広がっています。収入は下がるかもしれません。しかし、身体を大切にしながら「細く長く」働けるほうが、生涯の収入では多くなることも考えられます。

施設形態も、これまでの経験を活かしながら横展開できます。

特別養護老人ホームなどの入所型で重度の利用者を担当してきた方であれば、その経験はデイサービスや訪問介護、サービス付き高齢者向け住宅でもそのまま通用します。むしろ、重度対応の経験がある人は、こうした職場で重宝される存在です。

ただし、施設形態を変えると給与水準も変わります。厚生労働省の調査による平均給与額(月給・常勤、主任などの職位に就いていない介護職員)は、以下のとおりです。

施設形態 平均給与額(月額)
特別養護老人ホーム 354,900円
介護老人保健施設 344,090円
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム等) 358,610円
訪問介護(サービス提供責任者) 367,190円
訪問介護(サービス提供責任者以外) 322,800円
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 295,530円
通所介護(デイサービス) 288,390円

 

デイサービスは身体的な負担を抑えやすい一方で、特別養護老人ホームとは月額で6万円以上の差があります。

注目したいのは、訪問介護です。サービス提供責任者になれば367,190円と、入所型施設を上回る水準になります。移動の負担はありますが、1対1のケアで自分のペースを保ちやすく、経験者の知識を活かせる職場です。

「身体の負担」と「収入」のどちらを優先するのか。ご自分の体力と家計の状況を踏まえて、優先順位を決めてから求人を見ていきましょう。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.2)(参照 2026-08-10)

・厚生労働省.「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」.2025年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf(P.143)(参照 2026-08-10)

 

条件②「シニア層の活躍」と「負担軽減の設備」があるか確認する

次に確認したいのが、職場に同世代がいるかどうかです。

50代・60代のスタッフが多い職場は、年齢による体力の変化を前提に人員配置や役割分担が組まれています。「腰が痛い日は移乗を代わってもらう」といった相談もしやすく、中途入職でも馴染みやすい環境です。

逆に、20代・30代が多い職場では、同じ速さで動けることが暗黙の前提になっている場合があります。見学や面接の際に、スタッフの年齢層をたずねてみましょう。

もうひとつの確認事項は、身体への負担を軽減する機器を導入しているかどうかです。

介護リフトや見守りセンサーを導入している職場は、職員の腰痛予防や夜間の負担軽減に予算を割いています。

介護労働実態調査によると、施設系(入所型)の事業所ではベッドセンサーを日常的に利用している割合が70.1%、居住系では41.7%でした。

導入した事業所の半数近くが、機器による現場負担の軽減を実感しています。「夜間の業務負担の軽減」では44.6%でした。すでに半数近い事業所が、機器による現場負担の軽減を実感しています。

裏を返せば、機器の導入が進んでいない職場は、その分だけ職員の身体に負荷がかかっているということです。求人票では分かりにくい点なので、見学の際に必ず自分の目で確かめましょう。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.3,P.32,P.33)(参照 2026-08-10)

 

条件③ ブランク・新しい環境へのサポート体制が整っているか

3つめの条件は、入職後の受け入れ体制です。

介護の経験が長い方ほど「経験者だから説明は要らないだろう」と判断されてしまうことがあります。しかし、施設ごとに理念や方針は異なるものです。記録の様式も申し送りの手順も、緊急時の連絡先も違います。

ベテランであっても、新しい職場では分からないことだらけです。

分からないまま放置されると「聞きたいけれど聞きづらい」という状態が続き、早期の離職につながります。先ほど紹介した通り、介護職が前の職場を辞めた理由の第1位は人間関係です。

 

面接の場では、以下の3点を確認しておきましょう。

  • 入職後、誰が指導役として付いてくれるのか
  • 業務手順のすり合わせや同行の期間はどれくらいか
  • 定年後の再雇用や勤務日数の相談に、どこまで応じてもらえるか

 

とくに3つめは、60代の方にとって重要な確認事項です。

高年齢者雇用安定法の改正により、2021年4月から70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。制度としてどこまで整備できているかは事業所によって差があるので、就業規則の内容について質問しておきましょう。

丁寧に答えてくれる事業所は、入職後の受け入れもしっかり対応してくれる場合がほとんどです。

 

・厚生労働省.「高年齢者雇用安定法の改正〜70歳までの就業機会確保〜」.2026年. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html(参照 2026-08-10)

 

60代の失敗しない求人探しは職場見学と求人サイトを活用する


 

60代の仕事探しでは「求人票に書かれていない情報」をどれだけ集められるかが大切です。ここでは、押さえておきたい2つの方法を紹介します。

 

応募前に必ず職場見学を行う

求人票から読み取れる情報は限られています。

給与や勤務時間は分かっても、フロアの雰囲気やスタッフ同士の話し方、利用者への声のかけ方までは伝わりません。だからこそ、応募の前に職場を見学しておきましょう。

介護労働実態調査で「現在の法人に就職した理由」をたずねたところ「職場の人間関係がよさそうだったため」を挙げた人が33.6%いました。「自分のやりたい介護ができそうだったため」も同じく33.6%です。

いずれも、実際に職場を見なければ判断できない項目です。見学の際は、以下の点に目を向けてみてください。

  • スタッフが利用者にどのような言葉づかいで話しかけているか
  • 職員同士が忙しい時間帯にも声をかけ合えているか
  • 介護リフトや見守り機器が置かれ、実際に使われているか
  • 休憩室が確保され、休憩を取れる雰囲気があるか
  • 50代・60代のスタッフが実際に働いているか

 

見学できない、または案内が短時間で終わってしまう事業所には注意が必要です。

雰囲気やケアに自信を持っている事業所ほど、見学には積極的に応じてくれます。応募先を絞る前の段階で、2〜3か所を見比べておくと判断基準ができます。

 

・公益財団法人介護労働安定センター.「令和6年度『介護労働実態調査』結果の概要について」.2025年. https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/R6_jittai_chousa_press.pdf(P.19)(参照 2026-08-10)

 

詳細な条件で絞り込める求人サイトを活用する

求人を探すとき、全国規模の総合求人サイトを使う方は多いと思います。ただし60代の仕事探しでは、掲載件数の多さよりも、条件を細かく絞り込めるかどうかが重要です。

介護労働実態調査で「現在の法人に就職した理由」の第1位だったのは「通勤に便利だから」で51.9%でした。2位以下の「自分のやりたい介護ができそうだったため」「職場の人間関係がよさそうだったため」(ともに33.6%)を大きく引き離しています。

毎日の通勤時間は、体力に直結します。片道30分の差は、往復で1時間です。この1時間を休息や趣味の時間に活用できるかどうかは、大きなポイントです。

そのため、以下のような条件で絞り込めるサイトを選ぶことをおすすめします。

  • シニア世代が活躍している職場かどうか
  • 日勤のみ、夜勤なしの求人かどうか
  • 週2〜3日から相談できるかどうか
  • 自宅から通いやすいかどうか

地域に密着した情報は、静岡県内の事業所を専門に扱っているサイトのほうが充実しています。

地元の求人サイトであれば、法人の評判や職場の雰囲気といった、求人票に載らない情報を持っている場合もあります。担当者に希望を伝えておけば、条件に合う求人が出たときに知らせてもらうことも可能です。

 

まとめ


 

今回は、60代の介護職経験者に向けて、仕事探しのポイントを解説しました。記事の要点を振り返ります。

  • 事業所の2%が人手不足であり、中途採用者の約半数は介護未経験者。経験者は即戦力として評価される
  • 60〜64歳の離職率は5%と、29歳以下の18.7%を大きく下回る。長く働ける点も強みになる
  • 介護福祉士の平均給与額は、無資格者より月59,430円高い。60〜64歳の平均月収も50代前半との差は月1万2千円程度にとどまる
  • 失敗しない条件は「身体的負担をコントロールできる働き方・施設形態を選ぶ」「シニア層の活躍と負担軽減の設備を確認する」「入職後の受け入れ体制を確認する」の3つ
  • 求人票では分からない部分は職場見学で確かめ、通勤のしやすさなど細かい条件で絞り込める求人サイトを使う

 

年齢を重ねたからこそ任せられる役割が、介護現場にあります。焦らずご自分の希望・条件を整理して、納得できる職場を選んでいきましょう。

 

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(参照 2026-07-08)

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