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はじめに
介護の仕事において、利用者の身近で仕事ができ、利用者や家族がよりよいケアを受けるためのプランを作成し実現させていくというケアマネージャーの仕事は非常に魅力的です。
しかしやりがいがある分、豊富な知識や経験が必要になり未経験では難しいものです。
実際、募集要項を見ると「実務経験者」が条件であることも多く、「未経験者歓迎」といった求人は稀です。
そうは言っても、最初は誰でも未経験者。
就職や転職は厳しいですが、資格を取得したばかりのケアマネージャーの方や、今後ケアマネージャーとして活躍したいと考えている方に、実務未経験でも就職や転職に成功するための方法を紹介します。
ケアマネージャーの仕事とは
ケアマネージャー(ケアマネ)として仕事をする前に、改めてケアマネージャーの仕事について理解しておきましょう。
ケアマネージャーの主な業務は、介護を必要とする利用者に必要なケアプランの作成とサービス事業者との調整です。
介護保険についてはよく知らない方も少なくありません。
介護を必要とする方に適した介護保険の利用方法や、介護保険制度下でのサービスの提供をコーディネートするのがケアマネージャーの仕事です。
また、ケアマネージャーには居宅ケアマネと施設ケアマネの2種類があります。
大きな違いはサポート対象が在宅にいるのか、施設なのか、といった環境が異なること。
利用者によって適したサービスが違ってきます。
ケアマネ未経験から就職や転職を目指すなら、どちらのケアマネを目指すのか決めておいた方がよいでしょう。
居宅ケアマネとは
「居宅ケアマネ」は、自宅での生活を基本とする利用者様をサポートするケアプランを作成するケアマネです。
主に居宅介護支援事業所に勤務をします。
居宅ケアマネは1ヶ月に1度必ず担当している利用者様に直接会い、状態を確認しなければなりません。
利用者様の自宅を訪問する機会も多くなります。
自宅を訪問し、本人の状態や住環境、家族の要望などを確認したうえで、適したケアプランを作成します。
利用者一人ひとりに寄り添ったケアプランの作成・提供をするのが居宅ケアマネの特徴です。
施設ケアマネとは
「施設ケアマネ」は特別養護老人ホームなど介護施設で働くケアマネージャーです。
すでに施設に入居されている利用者のケアプランの作成を行います。
施設ケアマネは、施設内におけるサービスを用いて施設内でのケアプランを作成します。
ほかの事業者との調整は必要ありませんが、施設の介護スタッフなど他職種との調整や連携が必要です。
居宅ケアマネとは違い、新規獲得の営業活動などをすることはありませんが、ケアマネージャーとしての業務以外の仕事をするケースも多いです。
施設ケアマネの主な職場は以下の通り。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 有料老人ホーム
- グループホーム
このような施設で介護士として高齢者のケアをしたり、生活相談員として利用者や家族の相談にのったり、ケアマネージャーの業務と兼務したりすることも少なくありません。
また、施設の規模においては数多くのケアプランの作成をすることもあります。
ケアプランの作成といったケアマネージャー本来の業務以外については、施設によって異なります。
就職をする際には、どのような業務を任されるのか確認をしておくようにしましょう。
ケアマネージャーが未経験では厳しいと言われる理由
ケアマネージャーは施設ごとに配置基準があります。
居宅介護支援事業所や介護施設では、配置数を最低限に抑えるケースが少なくありません。
そのため、未経験者よりも即戦力が求められるのです。
定員が少ない
ケアマネージャーが未経験では難しい理由の一つが定員数です。
ケアマネージャーの配置数は、居宅介護支援事業所では35人の利用者につき1人、介護施設では100人の利用者につき1人のケアマネージャーの配置が必要です。
そもそもケアマネージャーの定員が少ないため、ケアマネージャーの需要は高くても枠が空く機会は多くありません。
そのため、特に未経験者が採用されるケースが少なくなります。
未経験者を教育している余裕がない
定員数も少なく、必然的に業務も多くなるケアマネージャーは、未経験者が入職しても直接指導をする余裕がありません。
介護サービスのプロとして専門的な知識やケアプランの作成などについて、ほかの誰かが代わりに指導することもできません。
専門職として指導・教育できる人材は少なく、教育する時間も限られてしまいます。
そのため、現場では即戦力として働けるケアマネージャーが求められるのです。
未経験でも大丈夫な転職先選びのポイント
未経験では就職や転職が難しくても、まずは仕事先を見つけて経験を積まなければなりません。
数は限られていますが、未経験者でもケアマネージャーを採用してくれる施設や事務所がないわけでありません。
しかし、経験者が求められているのはどの施設も同じことです。
その中で、未経験者が入職しやすい職場、また働きやすい職場を見つける必要があります。
未経験でも仕事がしやすい職場の特徴はどのようなものか、介護支援専門員の資格を取得したばかりのケアマネージャーにおすすめの求人の特徴を紹介します。
オープニングスタッフを募集している施設・事業所
新規オープンする事業所や施設をチェックしてみましょう。
オープニングにはまとまった人数のスタッフを集めることが多いものです。
ケアマネージャーの募集もあるので、未経験でも採用されるチャンスがあります。
新しくオープンする施設は全員が初対面であり、スタートも同時なので人間関係を構築しやすいのもメリットです。
未経験でも募集している施設・事業所
中には未経験でも採用する施設もあります。
「未経験者歓迎」などの求人を探してみるのもおすすめです。
未経験者を歓迎している場合、教育体制が整っている場合も多く、安心して仕事ができます。
ていねいな指導を受けられる可能性も高いです。
「未経験者歓迎」「未経験者可」といったキーワードで検索をしてみましょう。
ケアマネの在籍人数が多い事業所・施設
ケアマネージャーが多く在籍している事業所や施設は、新人教育が整っていたり、研修に力を入れていたりするケースが多いものです。
教育体制が整い、教育・研修内容が充実しているところなら、未経験でも働きやすいでしょう。
特に居宅ケアマネは1事業所の人数が施設ケアマネよりも多い傾向にあります。
施設ケアマネはケアマネージャーの人数が少ないことが多いので、ケアマネージャーの在籍人数を確認することをおすすめします。
規模の大きい事業所ならケアマネージャーの在籍人数も多い可能性があるので、ケアマネージャーの人数をチェックしてみてください。
非正規雇用で募集している施設・事業所
まずはパートやアルバイトの募集を探してみるのも一つの方法です。
経験のないケアマネージャーを正社員として採用する事業所は多くありません。
未経験の場合、まずは経験を積むことから始めることが必要です。
最初はパートやアルバイトでケアマネージャーとしての経験を積み、実績を作った後、経験者として正社員募集の求人に応募してみましょう。
派遣や転職エージェントの利用
派遣や転職エージェントを活用するのもおすすめです。
ケアマネージャーとして未経験者を採用する事業所は多くはありません。
個人が未経験者の求人を探すことや、未経験者が働きやすい職場を探すのは困難なことでしょう。
転職エージェントなら手厚いサポートをしてくれます。
転職エージェントでは、希望する条件や将来を見据えたキャリアプランを考慮し、適切な求人情報を探し出し、提案してくれます。
新しい資格を取得してキャリアアップがしたい、もっと収入アップを目指したいなど転職における相談にものってくれて、適した職場探しをサポートするのが転職エージェントの仕事です。
一人で就職・転職活動をするより、効率的で最適な職場を見つられるはずです。
地元の転職エージェントであるアクタガワは、静岡で20年以上の実績があり、情報も豊富で転職エージェントとしてのサポート力もあります。
就職・転職に関するアドバイスをはじめ、適した職場を紹介することが可能です。
まとめ
高齢化が進む日本において、利用者と介護関連サービスをつなぐケアマネージャーは非常に重要な役割を担っています。
複雑な介護保険を適切に利用するには、知識と経験を要するケアマネージャーが頼りです。
ケアマネージャーの需要が高まる一方、即戦力が求められることもあり、未経験でケアマネージャーに転職するのは簡単ではありません。
しかし、誰にでも「最初」はあるものです。
未経験でも働ける職場は確かにあります。
転職エージェントを利用するなど、転職サイトに登録し就職・転職活動をサポートしてもらいながら、適した職場探しをしましょう。