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はじめに
介護の現場で働く人は、人手不足の影響で休みが少ないというイメージがありますが、実際はどのような状況でしょうか?
確かに介護業界は慢性的な人手不足であり、近年ますます深刻化していることから、介護職員の負担も大きいです。
しかし勤務する施設や働き方によっては、希望通りに休みを取りやすい場合もあります。
この記事では、介護職の休み事情を解説し、休みを取りやすくする方法も紹介します。
介護職のお休みはどのくらいある?
休みが取りにくいイメージを持たれがちな介護の仕事ですが、実際のデータをもとに、介護職員の年間休日や有給休暇の現状をまとめました。
介護職の年間休日はどのくらい?
【年間休日日数】(単位:%)
69日以下 | 70~79日 | 80~89日 | 90~99日 | 100~109日 | 110~119日 | 120~129日 | 130日以上 | |
全体 | 1.4 | 3.6 | 6.3 | 9.1 | 34.0 | 20.5 | 23.8 | 1.2 |
医療・福祉 | – | 4.0 | 4.0 | 6.2 | 40.4 | 24.7 | 19.4 | 1.2 |
【平均年間休日総数】(単位:日)
1企業平均年間休日総数 | 労働者1人平均年間休日総数 | |
全体 | 107.9 | 113.7 |
医療・福祉 | 109.4 | 111.5 |
医療・福祉業界の労働者1人あたりの平均年間休日総数は111.5日ですが、他の業界も含めた全体が113.7日のため、介護業界が特に少ないわけではありません。
介護職の有休取得率はどのくらい?
【労働者1人平均年次有給休暇の取得状況】
労働者1人平均
付与日数(日) |
労働者1人平均
取得日数(日) |
労働者1人平均
取得率(%) |
|
全体 | 18.2 | 9.3 | 51.1 |
医療・福祉 | 17.0 | 8.9 | 52.2 |
医療・福祉業界で働く介護スタッフの有給取得率の平均は52.2%で、日数で表すと1人あたり8.9日取得できています。
全体は平均51.1%なので、介護業界は他の業界よりも有給取得率が高いといえます。
シフト制の介護職の休み方
介護職はシフト制をとる職場が多く、シフト制は2交代制・3交代制・夜勤専従制などに分かれます。
シフト制ごとの特徴を紹介します。
2交代制のシフト例
2交代制のシフトの場合、日勤と夜勤のふたつで構成されます。
例えば、日勤は8時30分~17時30分などの実働8時間勤務・1時間休憩になり、夜勤は16時~翌10時などで実働16時間・2時間休憩になるケースが多いです。
2交代制は日勤に比べて夜勤は勤務時間が長く、夜勤明け翌日は休みになる場合が可能性が高いです。
2交代制は少人数でも回しやすいため、人手不足の職場で多く用いられています。
3交代制のシフト例
3交代制のシフトの場合は、早番・遅番・夜勤、または日勤・准夜勤・夜勤などに分かれます。
早番と遅番は7時間勤務・1時間休憩で、夜勤は8時間勤務1時間休憩のケースが多いです。
2交代制に比べて夜勤の勤務時間が短いため、夜勤明けの翌日が休みとは限りません。
勤務時間帯が細分化されるため、ライフスタイルに合った働き方を希望する人も、働きやすい形です。
日勤のみのシフト例
訪問介護やデイサービスの施設は、営業時間に合わせて日勤のみでシフトを設定します。
早番と遅番に分けた日勤だけであり、夜勤はないため、夜勤は難しい人や家庭と仕事を両立させたい人も、働きやすい勤務体制です。
訪問介護・デイサービスは日曜・祝日を定休日に設定している施設も多く、休日の予定を立てやすいメリットもあります。
ただし、施設によっては送迎や早朝・深夜訪問を行う場合があり、日勤の時間帯に限らない可能性があります。
夜勤専従のシフト例
夜勤専従の働き方は、16時~翌10時までなどの夜勤を、月に10回前後担当します。
実働16時間・2時間休憩のため、日勤で20日間働いた場合と同じ勤務時間です。
夜勤の時間が長いと、夜勤明けの翌日が休みになるケースが多く、夜勤明けに十分休養をとった翌日、趣味などの予定を入れたい人にはメリットのある働き方です。
施設形態別による介護職の休日の特徴
勤務する介護施設の形態によっても、休日の取り方は異なります。
希望する働き方ができる施設はどこか、施設ごとの休みの特徴を知って自分に合った職場を見つけましょう。
入所施設の休み
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所施設、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの入居施設は、24時間365日運営しています。
そのため介護スタッフも24時間体制の勤務になり、介護士は日勤から夜勤で交代制をとります。
定休日はなく、土日祝日関わらず入所・入居者がいるため、交代で休みを取る勤務体制です。
通所施設の休み
利用者が施設へ通所してサービスを受ける施設は、デイサービスやデイケアセンターがあります。
利用者が自立して暮らすために必要な食事や入浴の支援を行うデイサービスと、身体機能や認知機能の維持のため、リハビリや医療的ケアを行うデイケアセンターは、どちらも土日祝日休みの施設が多いです。
日曜が休日の施設の場合、日曜の他に月曜から土曜のどこかでもう1日休みを取り、週休2日などと設定しています。
訪問介護の休み
訪問介護は介護スタッフが利用者の自宅を訪問し、生活に必要な身体介護や援助を提供します。
ほとんどの施設が日中のみのサービス提供なので、日勤の早番と遅番勤務です。
施設によっては早朝や深夜対応をしているところもあり、日勤のみの施設かどうかは勤務体制をチェックしましょう。
訪問介護の場合、休日は定休日の日曜とその他の曜日でプラス1日の週休2日のケースが多いです。
夜勤のある施設の場合、日勤との交代制でシフトを組み、交代で休日を取ります。
介護職は休みが取りにくい?
介護職の年間休日のデータを見ると、一般的な労働者より休みが少ない施設ばかり、ということはありません。
それでも介護業界は休みが少なく、休みがあっても取りづらいイメージを持つ人が多くいます。
この章では、介護職の休みについてのよくある疑問に回答します。
土日に休めない?
施設に入所・入居者がいる場合、24時間365日運営しており交代勤務をします。
土日祝日関係なくシフトが決まるため、世間一般の休日に休みをもらえない可能性が高いです。
どうしても土日祝日に休みが必要な場合は、職場で相談する、または平日のみの職場に応募しましょう。
通所系の施設や訪問介護など、定休日のある施設では比較的土日に休みを取りやすい状況です。
休みが少なく感じる?
介護職の年間休日のデータからすると、介護業界は休みが他の業界よりも少ない事実はありません。
それにも関わらず「休みが少ない」と感じる場合もあるでしょう。
夜勤で8時間働き、夜勤明けの翌日にまた出勤日があると、疲れが取れずに休んだ気になりにくいためかもしれません。
または、交代制勤務かつシフト制の職場は働く時間が固定されておらず、プライベートの予定が立てづらいことから、休みが少ないと感じるケースもあるでしょう。
有休が取れない?
介護職の有給取得率は、他の業界と比べて高い水準のため、有給が取れない・取りづらいという現状はありません。
中には、スタッフが辞めたばかりの状況や新しいスタッフがすぐに入らない職場では、人手不足が理由で有給休暇を取りづらい可能性があります。
有休の取得は労働者の権利ですが、職場の雰囲気が有休を取りにくくさせている場合もあるでしょう。
人手不足が続くとスタッフひとりあたりの負担が大きくなり、誰かが有休を取るとその分仕事が増えるためです。
希望の休みが取れる施設へ転職も
介護職は休みの日数が少ないわけではありませんが、不定期で調整しにくい場合があります。
結婚や出産、育児や家族の介護など、生活スタイルが変化すると必要な休みのタイミングも変わります。
休みたいときに休めず負担を感じるときは、自分に合った休みのある職場へ転職することも選択肢のひとつです。
介護職の就職・転職時のポイント
介護業界で就職・転職するときは、求人情報のすみずみまで目を通し、休日の情報を正しく把握しましょう。
ひとつの求人だけでなく、希望条件に近い求人を複数見比べて検討し、あなたの最適な職場を見つけます。
休みの日数だけでなく、次のことも含めて比較検討しましょう。
・夜勤の担当回数
・シフトの組み方
・残業時間
・時間外労働の有無
・勤務形態の種類
など
現在の職場で休みが少ないと感じる理由を考え、新たな職場に求める条件をまとめることも、希望の職場を見つけるコツです。
転職エージェントを活用する
自分に合った休みのある職場を見つけるために、転職エージェントを活用する方法もあります。
転職エージェントは転職活動のプロなので、豊富な求人情報を持っており、あらゆる条件の求人の中からあなたにぴったりの求人を提供してくれます。
情報の中には、休日の日数や有休の取り方、勤務体制などの詳しい内容が含まれており、疑問を感じた点は気軽に確認しましょう。
転職エージェントは求人情報の提供だけでなく、転職活動全般のサポートを行うため、
あなたの希望にもとづく職場に加えて、あなたの年齢や経験に最適な職場の情報も教えてくれます。
現在の職場とあなたの希望条件を比較して、どのような職場を選ぶと実現するかの相談、キャリアプランの相談なども転職エージェントは対応可能です。
ひとりひとりのニーズに合ったサポートをし、希望の転職が叶う可能性を高めます。
地元で介護業界への就職・転職をお考えなら、静岡県で20年以上のサポート実績を持つ「アクタガワHRM」へ相談しましょう。
地元に強い企業なので、就職・転職に関するアドバイスや求人を出している職場の情報も豊富です。
まとめ
介護職は慢性的な人手不足の状況から、「休みがない・休みが取りにくい」などのマイナスイメージを持つ人もいます。
しかし施設や働き方次第で、希望どおりの休みを取り働き続けることもできます。
今回紹介した情報を参考に、あなたにぴったりの職場を見つけて、仕事とプライベートのどちらも充実した生活を送りましょう。
介護業界は、進む高齢化社会の中ますます必要とされ、成長を期待できる業界です。
必要なスキルと知識を身につけて経験を重ねると、キャリアアップも夢ではありません。
介護業界への就職・転職を検討中の方や、現在介護職で働く方にとって、休みが取りにくいと感じる現状を改善し、働きやすい環境を整えるきっかけになれば幸いです。