介護職で正社員の方ならボーナス(賞与)は手取りでいくらか、いつもらえるのか、といった点は気になるところ。特に住宅ローンや車のローンなどを抱えていればなおのことです。
毎月のお給料のほかにもらえるボーナス(賞与)は、生活のためにも重要なものです。
この記事では以下の内容を解説します。
- 介護職のボーナス(賞与)
- 介護職のボーナスの手取り平均、支給時期
- ボーナスや給与を上げる働き方
Contents
介護職のボーナス(賞与)について
「公益財団法人 介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査」によると介護職のボーナスの平均は約600,000円です。
回数や支給時期は施設によっても異なり、規模や業績によって決まります。
ボーナスは生活に直結することも多いものなので、金額や支給時期はしっかり確認をして職場選びをしたいものです。
また、同じ職場でも年齢や資格などによって、支給額は上がる傾向にあります。
介護職のボーナス事情やボーナスアップの方法について解説します。
介護職のボーナスはいつもらえる?
介護職のボーナスは一般企業と同様、年2回、夏と冬にもらえるケースが多いです。
夏と冬、どちらかのみ、というケースはほとんどなく、ボーナスが出る場合は年に2回出るようです。
冬のボーナスは12月に出ますが、夏は6月か7月、なかには8月という施設も。月給とは別で出ることが多いようです。
ローンなどを組んでいる場合、夏のボーナスがいつ出るかは要チェックです。
早い分には問題ないかもしれませんが、支払いよりも遅くなると困ったことになってしまうでしょう。
正社員でなくても施設によってはボーナスを支給しているケースがあります。
その場合、ボーナスは正社員と同じ時期に出ます。
なかにはボーナスが年3回支給される施設もあります。
1回の支給額やライフスタイルに合わせた回数、時期などを考慮して職場探しをするとよいでしょう。
事業所によってはボーナス支給を設定していない場合もあります。またボーナスがある介護事業所では、基本給が安くても年収ベースで考えると結果的には多く給料を受け取れる場合もあります。
就職・転職の際は応募した事業所に賞与支給があるか、何ヶ月分の賞与実績か事前に確認しておきましょう。
ボーナスは基本給で算定される
介護職のボーナスについて、算定方法を確認してみましょう。
一般的な介護事業所のボーナス算定方法
ボーナス(賞与)は基本給をベースに算定されます。例えば、「賞与前年度3ヶ月実績あり」の介護事業所で基本給が15万円なら、15万円×3=45万円のボーナスが支給されるということです。
基本給と手取り額は別
基本給と所得税や社会保健料などを差し引いた手取り額とは別です。基本給に各種手当(資格手当や扶養手当など)は含まれません。誤って、手取り額でボーナスを計算しないよう気を付けましょう。
所属している事業所によって算定方法は変わる
ここまで一般的なボーナスの算定方法をご紹介しましたが、所属する介護事業所によって算定方法はそれぞれ変わります。就職や転職する前に自身が所属する介護事業所が、どのようなボーナス算定方法なのか確認しておくようにしてください。
介護職のボーナスは何ヶ月分?
事業所によっての違いはありますが。基本的には2~4ヶ月分です。
介護職のボーナス支給額は、所属する事業所、地域、保有する資格などで異なります。
自身のボーナス支給額を上げたい場合、上位資格の取得をおすすめします。
パートや派遣でももらえるのか
なかにはパート勤務の方や派遣の方にも、ボーナスを支給している事業所があります。ボーナスの有無は勤務先の施設や事業所によって異なるため、すべてのパートの介護士さんがもらえるわけではありません。なかには、賞与なし、または正社員のみ賞与を支給する場合もあることを念頭に置きましょう。
受け取れるだけありがたいと感じる方、同じ仕事なのに雇用形態によって金額に差があることに納得できない方もいるでしょう。「ボーナスを支給して欲しい」「給料をもっと上げて欲しい」と言う場合は、パートから正社員に切り替えてもらうなど勤務形態の切り替えを所属している事業所に相談してみてください。
介護職のボーナスの平均を調査 どれくらいもらえる?
ボーナスは毎年同じ金額ではありません。
平均は約600,000円ですが、職種や施設によって金額には幅があります。
介護職全体のボーナス平均のほか、施設別や職種別における金額を解説します。
介護職全体のボーナス平均について
介護職全体のボーナス平均は約600,000円ですが、事業所規模によっても金額が変わります。
事業所規模別の平均金額を見てみましょう。
事業所規模 | 平均賞与(円) |
4人以下 | 552,597 |
5人以上9人以下 | 508,435 |
10人以上19人以下 | 507,441 |
20人以上49人以下 | 556,376 |
50人以上99人以下 | 722,857 |
100人以上 | 791,743 |
※公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」より引用
介護職に限って言えることではありませんが、規模の大きい職場の方が、ボーナスも高い傾向にあります。
少人数の事業所と100人以上の事業所では、30万円程度の差が出ることも。
もちろん、少人数でも業績次第ではボーナスが多い事業所もあるでしょう。
しかし、規模が大きい事業所の方が、業績に対するボーナスへの影響は小規模の事業所より少ないと言えます。
介護施設別のボーナス平均について
介護施設の種類によってもボーナス支給額に違いがあります。
介護施設別に見てみましょう。
介護施設の種類 | 平均賞与(円) |
訪問介護 | 480,476 |
訪問入浴介護 | 348,255 |
訪問看護 | 728,358 |
通所介護 | 515,091 |
通所リハビリテーション | 630,374 |
短期入所生活介護 | 383,868 |
特定施設入居者生活介護 | 539,514 |
地域密着型通所介護 | 397,070 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 547,435 |
認知症対応型通所介護 | 486,184 |
小規模多機能型居宅介護 | 490,735 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 615,123 |
認知症対応型共同生活介護 | 438,924 |
地域密着型特定施設入居者生活介護 | 537,744 |
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | 619,198 |
居宅介護支援 | 558,915 |
介護老人福祉施設 | 794,986 |
介護老人保健施設 | 716,654 |
介護療養型医療施設 | 729,892 |
※公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」より引用
賞与が高いのは、介護老人福祉施設や介護老人保健施設、介護療養型医療施設です。
これらの施設は、24時間の見守りや医師が常駐しているなど、入居者へのサービスが充実しているのが特徴です。
その分仕事もハードですが、ボーナスも高い傾向にあります。
経営母体が医療法人など規模の大きいこともボーナスが高い理由と言えるでしょう。
介護職種別のボーナス平均について
介護職の事業所だけでなく、職種別についてもボーナスの違いを見ていきましょう。
職種 | 平均賞与(円) |
訪問介護員 | 464,549 |
介護職員 | 551,073 |
サービス提供責任者 | 628,731 |
生活相談員 | 668,617 |
看護職員 | 705,773 |
介護支援専門員 | 662,668 |
PT・OT・ST等 | 686,505 |
管理栄養士・栄養士 | 697,421 |
※公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」より引用
生活相談員や看護職員、管理栄養士など資格保有者は、ボーナスも高い傾向にあります。
ボーナスアップのためには、資格取得を目指した方がよいでしょう。
資格を持っている人と持っていない人とでは、当然資格を持っている人の方が、就職しやすくなります。
資格は知識やスキルを証明できるもので、介護職として信頼できると判断されるからです。
また、資格を持つことで役職につく可能性も高まります。役職がつけば手当もつき、給料やボーナスがアップします。
その点においても、資格取得はボーナスアップにおいて重要と言えるでしょう。
介護職でボーナスアップさせる方法を紹介
ボーナスアップは規模の大きな事業所に就職するのも一つの方法ですが、自分自身のスキルや資格取得をすることも必要です。
介護職としてボーナスアップをする方法を紹介します。
介護職の資格取得でボーナスアップ
資格を取得することで、ボーナスアップが期待できます。
資格を持っていない場合、まずは初任者研修から始めましょう。さらに実務者研修、介護福祉士と資格を取得していくことをおすすめします。
資格があれば資格手当が出るほか、就職先の幅も広がり、より高い賞与がもらえる職場に就職することが可能です。採用試験も通過しやすくなるでしょう。
特に介護福祉士の資格を取得すれば、ボーナスアップにつながります。
国家資格であり、勉強や経験も必要ですが、他の資格よりもボーナスが高くなるはずです。
どのような資格でも取得するには知識が必要です。
資格を取るための勉強は、ボーナスアップだけでなく介護職としての基礎を学び、より幅広い知識や技術を習得できます。
また、資格を持っていれば役職に就任することも可能です。役職がつけば役職手当が加算されます。
スキルアップやキャリアアップのためにも、資格取得を目指しましょう。
ボーナス額が多い「特養」「老健」
介護労働安定センターの調査では、平均ボーナス額が多いのは「入居施設」勤務で約73万円です。
「特別養護老人ホーム」は約79万円、「介護老人保健施設」は約71万円です。
また、民間企業より、社会福祉法人は平均ボーナスが高い傾向にあります。
介護職ボーナスアップの秘訣 転職活動
介護職のニーズは高く、積極的に転職活動をすることで給料やボーナスアップが可能です。
転職活動のコツとして、コンサルタントサービスを受けることをおすすめします。
自分だけで転職活動をするのは情報量にも限界があります。
コンサルタントのサービスを利用すれば、効率的に自分に適した職場を見つけやすくなります。
転職事情により詳しい担当者からの情報提供もあり、自分の希望や経験を活かした求人を提案してくれるのもメリットです。
自分では気付かない長所を見つけ、適した職場探しをしてくれるでしょう。
履歴書の書き方や面接の注意点、転職活動で困っている点や悩みなども気軽に相談できるのも魅力です。
希望する就業先との連絡や調整もおこなってくれるので、ストレスも軽減されるでしょう。
こういったサービスを無料で受けられるのもうれしい点です。
まとめ 介護職員のボーナス事情の今後について
売り手市場である介護職は転職しやすく、給料やボーナスも増える見込みは高いと考えられます。
介護に関するニーズは今後さらに高まるほか、介護職に対する待遇や給料面においても、国がさまざまな改善をしています。
それにより、事業所においても給料アップや待遇面における改善をしやすくなっています。
よって求人数も多い介護職は、給料やボーナスが高い、また好待遇の職場探しがしやすいでしょう。
ご自身の職場のボーナス事情と世の中の介護職事情を理解して、希望の待遇を求めて転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。