介護職の転職
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介護職にブランクがある方々へ、復帰に備えた準備段階から、最適な職場を見つける際の秘訣までをご紹介します。ブランク期間を埋め、再び介護職への復帰を成功に導くために注意すべきポイントを詳細に解説します。
Contents
介護職にブランクがある場合の復帰可能性
復職する場合、再就職がスームズに進むか不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。しかし介護業界は慢性的な人手不足です。有効求人倍率は4.02で、全職種平均の1.19倍と比べるとかなり高い売り手市場だからです。また、2025年には国内で介護士が約32万人不足するという試算もあります。そのため求人数も多く、比較的復職がしやすいのが介護業界の特徴です。さらに、介護職として再就職をする方は、条件を満たせば「再就職準備金貸付事業」の利用が可能になっています。国や地方自治体も介護士の就職を後押ししているため、ブランクからの復職は難しくないでしょう。ブランクから復帰するための準備方法
介護職に復帰しようと考えている人の中には、ブランクのせいで前と同じような感覚で働けるのか、過去に経験があった分上手くできるのか、介護の現場に戻るのに不安を覚える人もいるでしょう。そんなときは復帰前に以下のようなことを試してみましょう。以前の業務内容を振り返る
介護職でブランクがある方々が再び職場復帰を検討すると、長らく介護職から離れていたため、仕事内容や必要な知識を忘れてしまったと感じることがあります。 介護職の仕事は身体介助が中心で、食事、入浴、排泄、体位変換、着替えなどの場面で、利用者さんが日常生活を円滑に送れるよう介護職員のサポートが必要です。介護職は生命に関わる仕事であり、利用者さんの気持ちを理解し、表情から読み取る力が求められます。小さなミスでも問題が生じる可能性があるため、仕事内容と知識を再確認することは非常に重要です。 知識の復習には、過去に使用した教材やオンライン情報が役立ちます。これにより、忘れていた内容を思い出し、職場での事故予防に貢献できます。また、新たな情報も取得する機会となります。介護に関する法令の確認
介護職で再就職を検討する場合、介護に関連する法制度の知識の再確認が肝要です。介護保険制度は3年ごとに改正されるため、最新の情報を把握する必要があります。直接介護職員に介護保険制度が関わるわけではありませんが、利用者やその家族から保険制度に関する質問を受けることがあるため、知識のアップデートは推奨されます。 さらに、介護報酬の改定についても把握しておくべきです。介護報酬の改定は3年に1度行われ、介護職の給与に影響を及ぼします。最近の改定は2021年度でしたが、今後、看取り介護の需要が増加する見込みであり、介護加算の見直しの可能性が高まっています。 介護報酬の改定は介護職のみならず、事業所の経営にも影響を及ぼします。再就職を検討している新しい職場の経営が持続可能かどうかも関連しており、そのため事前の確認が非常に重要です。体力作りの重要性
介護の職場に復帰する予定なら、体力の強化を優先しましょう。 普段育児や家事をしている方は生活の中で体を使いますが、職場復帰にはそれ以上の体力が必要です。体力アップを早めに目指すことは安心感をもたらします。 例えば、ジムへ通ったり、ランニングを試みたりすることができます。時間や費用に制約がある場合でも、軽いストレッチを日々実践するだけでも効果があります。日常生活での歩行習慣も、何もしないよりも体力向上に寄与します。徐々に体力を養うことが大切で、無理をせずに行動しましょう。特に運動不足の方は、激しい運動を行うことで怪我のリスクが高まるため、短い時間でも日常的な運動習慣を身につけましょう。再就職準備金貸付事業の活用
厚生労働省は、ブランクを経て介護職に復帰する人のために「再就職準備金貸付事業」をおこなっています。これは、復帰にかかる費用を最大で40万円を貸し付けてくれるというものですが、再就職後に介護職員等として2年間勤務すると、返済は全額免除となります。 下記の条件をすべて満たせば対象になるので、当てはまる人は検討してみてはいかがでしょうか。- 介護保険サービス事業所等で1年以上の勤務経験があり、「介護福祉士の資格を取得」「実務者研修を修了」「介護職員初任者研修を修了(現在は廃止されている介護職員基礎研修、1級課程、2級課程のいずれか修了も可)」のいずれかに該当する人。
- 介護保険サービス事業所等で介護職員等として再就職した人。
- 都道府県福祉人材センターに氏名や住所等の届出をし、「再就職準備金利用計画書」を提出した人。
ブランクのある介護職の求人の選び方
ブランクのある介護士の求人の選び方は、次の3つがオススメです。- ブランクOKの職場
- 子育て支援が充実している職場
- 最初はパートや派遣を検討する
- 職場見学OKの職場
ブランクOKの求人
お仕事を探す際、『ブランクOK』と明記された職場は、充実した教育制度を提供する可能性が高いです。未経験者や長期間離れていた方でも安心して応募でき、新たな介護技術やスキルに迅速に適応できる環境が整備されているでしょう。 介護業界全体で人手不足の課題が存在しており、人材不足の施設では、『ブランクOK』や『未経験者OK』といった求人が多く見受けられます。求人情報に『ブランクOK』の明記がある場合、長らく離れていた方でも、仕事の手順や技術について指導を受けることができます。過去に習得したスキルの復習や新しいスキルの獲得が可能です。 ブランクがある方が全ての知識を再確認することは難しいため、教育制度が整備されている職場を選択することで、段階的に業務に慣れ、安心感を持つことができます。現在のライフスタイルに合った働き方を選ぶ
家庭のある方が介護職に復帰するときは、現在のライフスタイルに合った職場を選択することが重要です。 例えば、夜勤を避けたい場合、訪問介護事業所がおすすめです。訪問介護は日中のみの勤務となるため、夜勤の心配がありません。また、体力に自信がない方にとっても、夜勤のない職場が適しています。夜勤は日中に比べて作業が軽減されることがありますが、体力に自信のない方にとっては夜間の勤務が負担に感じられ、スタッフの配置も少ないことがあるため、日勤が適しています。 夜勤のある職場を検討する際には、夜勤の頻度を確認しましょう。頻度が自分に合っているか、希望のシフトが組まれるかを確認することで、ライフスタイルと体力に合致した働き方を実珸できます。最初はパートや派遣を検討する
介護職のブランクがある方々が復帰を考える際、パートや派遣の形態で働く方法が有効です。パート勤務なら短時間の勤務であり、徐々に職場に馴染みながら復帰が可能です。新しい技術を学びながら職場に復帰することもでき、家庭と仕事を調和させつつ、ストレスなく復帰できる方法です。 最初はパートや派遣として勤務していても、正社員登用制度があれば、将来的に正社員としての道も開けます。パートで職場に慣れてから、または子供の成長に合わせて将来的に正社員として働くことを希望する方には、正社員への登用プロセスが整っているか確認することをお勧めします。職場見学をする
実際の職場環境を確認することは不安解消の助けとなります。施設によっては事前の見学が可能な場合もあるため、相談してみましょう。職場見学が行える施設かどうか不明な場合、転職コンサルタントを活用し、スムーズなコミュニケーションを図ることができます。 介護職の職場見学では、スタッフの配置が適切かどうかを確認しましょう。人手不足の場合、適切な介護が提供できず、トラブルのリスクが高まります。施設の整備や利用者の安全性、入浴設備など、介護の現場の実情を把握しましょう。不十分な設備は介護職員の業務に影響を及ぼす可能性があります。 人間関係については、利用者との会話を通じて確認できます。言葉遣いが丁寧か、業務がマニュアルに縛られていないか、利用者の表情が明るいか、ご家族が安心感を抱いているかなどを注意深く観察しましょう。介護職のブランクを乗り越えるための面接対策
ブランクがあるため、どのように話せばよいかわからず心配になる方もいるかもしれません。面接ではブランクの理由と志望動機を伝えることが重要です。ここでは、ブランクの理由ごとに面接での答え方を紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。【ブランク明けの介護職用】ブランクの理由毎の志望動機
結婚や出産・育児がきっかけでブランクがある場合の志望動機の例
ランクの理由について尋ねられた場合、離職理由が結婚や出産・育児の場合は正直に回答しましょう。ライフイベントによる離職や転職は当然のことであり、正直に回答する方が好印象でしょう。 志望動機の例文は以下の通りです。 「私は出産をきっかけに以前の施設を退職しました。子供が小学校に入学のタイミングで介護職への復帰をしたいと考えました。退職前は介護施設で3年ほど働いており、介護業務だけではなく、レクリエーションの企画も他のスタッフとも連携しながら行っていました。貴施設のwebサイトにてレクリエーションに力を入れていることを知り、貴施設に貢献したいと考えております。 出産・育児によるブランク期間はありますが、介護業界に従事したい気持ちに変化はありません。これまで身につけた経験を活かして、利用者様に更にご満足いただけるよう貢献したいと考えています。」親の介護でブランクがある場合の志望動機の例
親の介護がきっかけでブランクがある場合も、正直に回答しましょう。親の介護が理由の場合はその介護経験を踏まえながら回答するとより面接官に介護職として復帰したいという気持が伝わるでしょう。 志望動機の例文は以下の通りです。 「母の介護が必要となったため、勤めていた介護施設を、離れることになりました。数年間、実の母親の介護を通じ、介護施設を利用しているご家族の立場をより深く理解すると同時に、プロの介護職員がどれだけココロ強い存在か実感しました。そして介護職という職業の重要性も改めて認識しました。今は再び介護職に従事し、、利用者の方々のお役に立ちたいと考えています。」介護業界以外に転職によりブランクがある場合の志望動機の例
一度は介護業界から身を引いたものの、やはり介護職としてもう一度働きたいと考える人も少なくないでしょう。そのような場合は、また介護の仕事をしたいと思った理由を説明しましょう。 また、他業界・業種での経験が介護職に活かせるのであれば、しっかりPRしましょう。転職のきっかけをなるべくポジティブな内容に言い換えながら介護職に戻りたいという意思を伝えましょう。 志望動機の例文は以下の通りです。 「私は3年ほど介護職として働いた後、飲食店のホールスタッフを2年ほど行いました。来客に波がある飲食店業務の中で、効率的に作業を進めること、いかなる時でも落ち着いて対処する力を養えたと感じています。あらためて一人一人のご利用者様と向き合ってサービスを提供する介護職の魅力を思い返すようになりました。異業種での経験を活かして、再び介護業界に貢献したいと思い、御社を志望させていただきました。」ブランクがある介護士こそ転職コンサルタントを利用してみる
家庭があり介護職にブランクのある方は、職場復帰の条件が細かくなる傾向があります。 どんな職場でもいいわけではなく、自分で求人を探すのは大変になる場合があるため、そういった場合には転職コンサルタントの利用がおすすめです。 転職コンサルタントを利用すると、以下のメリットが得られます。- 希望した職場の雰囲気がわかる
- 希望に合う求人を探してくれる
- 転職事情をプロから提供してもらえる
- 就職先との連絡や調節をしてくれる
- 履歴書や面接対策の相談に乗ってくれる
まとめ
介護職は需要が高い職種ですが、ブランクがあると職場復帰に不安を抱くことがあるでしょう。不安を抱えながら転職活動を進めるのではなく、先述のアドバイスを参考にして情報収集を行ってみましょう。 家事や育児に忙しい場合は、無料で利用できる転職コンサルタントに相談することも検討に値します。自身に適した職場を比較検討しながら、ブランクを克服していきましょう。ふじのくに静岡介護求人ナビ