介護職は「給与が安い」というイメージを持っている方が多いと思います。
介護職を続けていくには、やっぱりボーナスがある事業所に就職したいものです。
そこで今回は介護職のボーナスについて徹底調査してみました。
この記事では、職種や施設形態ごとに詳しく解説していきます。
さらに、ボーナスアップの秘訣についても解説。介護職を目指す方・介護職で転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
介護職のボーナスは1年目からもらえる?
1年目から支給をする介護施設もあれば、ボーナスの支給がない施設も……。
ボーナスをしっかりもらうためにも、介護施設におけるボーナス事情について知っておきましょう。
そのためには、介護職全体におけるボーナスの支給率だけでなく、介護施設別、介護職種別にどのくらいの割合でボーナスが支給されているのか、把握することが重要です。
また、事業所や職種によってもボーナス支給額は異なります。
どのような施設や職種が高いボーナスを支給しているのかも解説しますので、転職の参考にしてみてください。
また、介護職で給料やボーナスを上げる方法について解説します。
介護職のボーナスの相場はどれくらい?
介護職の平均ボーナスは約53万円です。男性が約57万円、女性が約49万円と男性の方が高い傾向にあります。
介護職はボーナスを貰えないというイメージもありますが、介護労働安定センターの介護労働実態調査によればボーナスの支給割合は増加傾向で、正社員であれば約7割が定期的にボーナスの受給をしており、経営状況に応じて賞与を支給しているという事業所を含めると約9割以上の支給率となっています。
また、上記の数値は正規職員の場合です。有期雇用職員の場合は以下の通りです。
引用:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」
無期雇用職員よりボーナス支給の割合は下がるので注意しましょう。
また、ボーナスありとしている職場でも、業績によっては支給金額が減ったり、カットされたりすることもあります。
経営状態がよい方がボーナス支給される確率は高くなります。転職の際には、施設の業績や経営状態をチェックしましょう。
施設見学OKの施設もあるので、一度見学をしてみるのも良いかもしれません。
介護職のボーナス 年齢別平均支給額
下の表は厚生労働省の調査結果をもとに年齢層別のボーナス支給額をまとめたものです。
年齢層 | 女性介護職のボーナス平均額 | 男性介護職のボーナス平均額 |
20~24歳 | 約37万円 | 約37万円 |
25~29歳 | 約48万円 | 約49万円 |
30~34歳 | 約54万円 | 約60万円 |
35~39歳 | 約53万円 | 約65万円 |
40~44歳 | 約55万円 | 約66万円 |
45~49歳 | 約55万円 | 約71万円 |
50~54歳 | 約51万円 | 約62万円 |
55~59歳 | 約55万円 | 約51万円 |
60~64歳 | 約42万円 | 約37万円 |
65~69歳 | 約27万円 | 約30万円 |
70歳~ | 約25万円 | 約11万円 |
年齢別で見ると平均よりやや低めの印象を受けるかもしれませんが、介護職のボーナスは40代・50代から未経験で始める方も多く、ボーナス額は年齢とは比例しないようです。
介護職のボーナス 勤務年数別平均支給額
ここでは介護職としての勤務年数別にボーナスを見てみましょう。
経験年数 | 女性介護職のボーナス平均額 | 男性介護職のボーナス平均額 |
初年度 | 約14万円 | 約8万円 |
1~4年目 | 約36万円 | 約38万円 |
5~9年目 | 約41万円 | 約51万円 |
10~14年目 | 約47万円 | 約60万円 |
15年目~ | 約59万円 | 約67万円 |
介護職は勤務年数によってボーナス額が上昇していく特徴が見受けられます。初年度は男女ともに1桁代と少額ですが、5年目以降から男女ともに40万円を超えています。
※男性介護職の10~14年でボーナス額の増加の理由は、役職に就いたからと考えられます。
介護職のボーナス 施設形態別平均支給率
介護施設の種類によっても、ボーナスの支給割合は異なります。
引用:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」
データを見ると、介護老人福祉施設は約90%と高い支給率です。
入所型施設では、ボーナス支給率が高い傾向にあります。
通所型サービスも70%と低くはありませんが、中にはボーナス支給がない施設もあるので注意しましょう。
福祉サービスと経営視点のバランスが難しい居宅介護支援は赤字経営になりやすいと言われているため、ボーナス支給率も低い傾向にあります。
ただし、施設の経営状態や資格を持っている、持っていないかなどによっても異なるので、確認してみましょう。
介護職のボーナス 職種別平均支給率
職種別のボーナス支給者の割合は以下のようになっています。
公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」より引用
介護職では資格保有者とそうでない場合とでは、待遇に違いがあります。
それはボーナスにおいても言えることで、資格を持っている方がボーナス支給の可能性がより高くなります。
資格の有無によってボーナスの支給額も異なり、職場選択の幅も広がります。
希望の職場で働くためにも、資格取得を目指しましょう。
介護職のボーナス 平均支給額を徹底調査
ボーナスがもらえるとしても、いくらもらえるのかも重要なことです。
介護職にはさまざまな就職先があり、また職種もいろいろです。
職場によってもボーナスの金額は異なります。そこで、介護職のボーナスの平均支給額をさらに詳しく調べてみました。
介護職全体のボーナス平均支給額は、約600万円です。
平均額は無期雇用職員と有期雇用職員によっても変わります。
無期雇用職員 | 約605万円 |
有期雇用職員 | 約419万円 |
また、ボーナスの金額は勤続年数によっても異なります。
勤続年数によるボーナス支給額は以下の通りです。
勤続年数 | 平均賞与(円) |
1年未満 | 約340万円 |
1年以上2年未満 | 約342万円 |
2年以上3年未満 | 約494万円 |
3年以上4年未満 | 約527万円 |
4年以上5年未満 | 約548万円 |
5年以上10年未満 | 約581万円 |
10年以上15年未満 | 約660万円 |
15年以上20年未満 | 約754万円 |
20年以上 | 約965万円 |
引用:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」
無期雇用職員と有期雇用職員ではボーナスの金額に差があります。
また、勤続年数が多いほど、ボーナスも高くなることがわかります。
勤続年数が長いほどスキルや経験において信頼できる、また重要な役割を担うこともあり、その分ボーナスもアップするのです。
ボーナスアップを目指すなら、無期雇用職員でできるだけ長く仕事を続けることが重要です。
介護職のボーナス 介護施設別の平均支給額
施設別に見てみると、以下のようになります。
介護施設の種類 | 平均賞与(円) |
訪問介護 | 約480万円 |
訪問入浴介護 | 約348万円 |
訪問看護 | 約728万円 |
通所介護 | 約515万円 |
通所リハビリテーション | 約630万円 |
短期入所生活介護 | 約384万円 |
特定施設入居者生活介護 | 約540万円 |
地域密着型通所介護 | 約397万円 |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 約547万円 |
認知症対応型通所介護 | 約486万円 |
小規模多機能型居宅介護 | 約491万円 |
看護小規模多機能型居宅介護 | 約615万円 |
認知症対応型共同生活介護 | 約439万円 |
地域密着型特定施設入居者生活介護 | 約538万円 |
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | 約619万円 |
居宅介護支援 | 約559万円 |
介護老人福祉施設 | 約795万円 |
介護老人保健施設 | 約717万円 |
介護療養型医療施設 | 約730万円 |
公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」より引用
ボーナス平均額が高いのは、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などの入所型施設です。
訪問介護や訪問入浴介護、通所介護などの訪問系、通所系の平均賞与額は低いことがわかります。
昼間だけの勤務であるデイサービスなどは夜勤がなく、自分の時間を持てるなどメリットはありますが、その分賞与は低くなることがあります。
ボーナスの額を優先するか、勤務時間などライフスタイルに合わせた働き方をするか、よく考えて選ぶことも大切です。
介護職種別のボーナス平均を見てみましょう。
職種 | 平均賞与(円) |
訪問介護員 | 約465万円 |
介護職員 | 約551万円 |
サービス提供責任者 | 約629万円 |
生活相談員 | 約669万円 |
看護職員 | 約706万円 |
介護支援専門員 | 約663万円 |
PT・OT・ST等 | 約687万円 |
管理栄養士・栄養士 | 約697万円 |
引用:公益財団法人 介護労働安定センター「令和3年度 介護労働実態調査」
介護職種の中でボーナス平均額が高いのは、生活相談員や管理栄養士、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)などの有資格者です。
看護職員など国家資格を有する職種は、ボーナスも高くなる傾向にあります。
資格を持っていれば責任ある仕事を任されることも多く、業務内容も多岐に渡ったり、勤務時間も長くなったりすることもあります。
その分、高い報酬を得られるということでもあり、やりがいもあるでしょう。
介護職のボーナス 支給日や査定基準について
介護職のボーナス支給月は勤務する施設によって異なる場合もありますが、夏と冬の年2回が一般的で夏は6月~7月、冬は12月に支給されるケースが多いです。
査定基準については個人の業績の評価が難しいので、主に基本給をベースに算出されます。実際に介護職の求人を見てみると基本給3.5ヶ月分などと表記されているものが多くみられます。
ですが、勤務先の業績に応じて支給額が左右されることもあるので求人票の金額は参考程度に捉えておくと良いでしょう。一般的に年次が上がると基本給も上がる為その分ボーナスの支給額も多くなります。反対に欠勤や遅刻が多いなど勤怠が悪いとボーナスの減額対象となります。
介護職でボーナス支給額をアップさせる方法
ここからは、介護職でボーナスアップさせる方法を詳しくご紹介します。
役職に就く
介護職には「主任」「ユニットリーダー」「サービス責任者」「施設長」など介護業界にはさまざまな役職があります。役職に就くと毎月役職手当を受け取れるだけでなく更なる昇進にも影響する場合があります。ボーナスの査定は基本給ベースなので、役職が上がればボーナスの金額も高くなりやすく、結果として高額ボーナス支給が期待できます。
介護職の資格を取得する
ボーナスアップのためには、介護職の資格を取得することです。
データからもわかるように、有資格者の方がボーナスが高い傾向にあります。資格があれば役職などに就くこともあり、更に役職手当によって基本給もアップするでしょう。ボーナスは基本給をベースに決まることが多いので、基本給をアップさせることがボーナスアップにもつながります。
介護資格は毎月の給料に資格手当や処遇改善に影響するので、結果的にボーナスアップに繋がります。また、資格を取ることはボーナスアップだけでなく、職場選びもしやすくなるといったメリットもあります。
特に国家資格である「介護福祉士」を取得するとボーナス支給額の増額を期待できます。
「介護福祉士」は、実務経験や専門的な学習必要で誰でも取得できる簡単な資格ではありません。国家資格の為国家試験に合格が必須ですし、「介護福祉士」は介護経験や能力を証明することができるので他資格と比較しても待遇、給与、ボーナス面で恩恵を受けることができます。
希望の職場に勤務するためにも、資格を取ることを検討してみてはいかがでしょうか。
介護職は転職によって給料が上がる
現在より、また今までよりボーナスや給料アップを目指すなら、適した転職活動が必要です。
介護職は売り手市場で需要が多いため、希望の職場に転職できる可能性も高いです。
ボーナスアップのためには、自分のスキルを生かせる、また働きやすい職場を見つけることが重要になります。
働きやすい職場を見つけるためには、転職コンサルタントを利用してみるとよいでしょう。プロに相談することで、自分の要望に適した求人を探してくれるのもメリットです。履歴書の書き方に悩んだり、面接が不安だったりする場合も相談にのってくれます。
適切なアドバイスをもらうこともでき、不安を解消しながら転職活動ができるでしょう。
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まとめ 介護職員のボーナス事情の今後について
介護職は今後もますますニーズが高まる業界です。
今まで仕事内容がキツイ割には給料やボーナスが低いと言われてきましたが、国が処遇改善を積極的におこなっていることもあり、給料アップが期待できるでしょう。
給与面だけでなく、待遇改善への取り組みを行う施設も増えています。
求人数も多いので、その中から自分の要望に合った職場への転職も夢ではありません。
ボーナスを通して、自分のキャリアパスを今一度しっかりと考えてみてはいかがでしょうか。
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