「デイサービスの仕事を探しているけれど、どんな職場が自分に合っているのかわからない…」
そんなふうに悩んでいませんか?
この記事では、求人情報だけでは分かりにくい「働きやすさ」や「雰囲気」を見極めるために、7つの視点から職場選びのポイントをまとめています。
初めて介護スタッフに挑戦する方も、転職を考える経験者の方も、納得できる職場選びのために、ぜひ最後までご覧ください。
デイサービスとは
デイサービス(通所介護)は、日帰りで施設に通い、食事や入浴、リハビリなどの支援を受けられるサービスです。高齢者が、住み慣れた自宅での暮らしを続けるためのサポートとして利用されています。
静岡市内にも多くの事業所があり、それぞれの地域ニーズに応じたサービスが提供されています。デイサービスの主な目的は、以下の通りです。
- 日常生活の支援を通じた心身機能の維持・向上
- スタッフや他の利用者との交流による社会的孤立の解消
- レクリエーションや趣味活動によるQOL(生活の質)の向上
また、ご家族が一時的に介護から離れて休息できる「レスパイトケア」の役割もあります。デイサービスは、利用するご本人だけでなく、ご家族にとっても大切な存在です。
デイサービスの種類と働き方の特徴
デイサービスには、提供するサービス内容や対象者によって、いくつかの種類があります。「こんな職場で働きたい」と思える施設と出会うために、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
種類 | 主なサービス内容 | 利用者層(傾向) | 規模(目安) | 特徴 |
①一般型(総合型) | 食事、入浴、レク、日常動作の維持を目的とした訓練 | 要支援~要介護(比較的軽度~中度) | 小規模~大規模 | 食事から運動まで、バランスの取れたサービス提供。 |
②リハビリ特化型 | 専門職による機能訓練、運動 | 要支援~要介護(身体機能の維持・向上を目的とする方) | 小規模~大規模 | リハビリ重視。半日型が多く、食事・入浴なしの場合も。 |
③認知症対応型 | 認知症予防・進行防止のためのプログラム、個別対応中心のケア | 認知症の診断を受けた方 | 小規模(定員12名以下) | 少人数制。認知症ケアの専門性が求められる。 |
④療養型通所介護 | 医療的ケア、看護、機能訓練 | 難病、末期がん、重度要介護者など | 小規模(定員18名以下) | 看護師などの医療従事者が常駐する。医療依存度の高い方が対象。 |
※サービス内容や規模、対象となる利用者の傾向は、あくまでも一般的な目安です。実際の提供内容や体制は事業所によって異なる場合がありますので、詳細は各施設の情報をご確認ください。
一般的なデイサービス 1日型(総合型)とは
1日型デイサービス(総合型)は、最もポピュラーなスタイルの通所介護です。日帰りで施設を利用し、食事や入浴、排泄などの日常生活の支援に加え、レクリエーションや軽めの機能訓練なども行われます。
利用者は、比較的軽度な要介護度の傾向があり、職員や他の利用者との会話やふれあいを楽しみながら、安心して1日を過ごせる環境が整っています。
・厚生労働省.「通所介護(デイサービス)」.令和7年版,2025.https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html,(参照 2025-5-6)
1日型(総合型)デイサービスで勤務するメリットとデメリット
1日型(総合型)デイサービスで働く魅力は、以下の通りです。
- 日勤のみで生活リズムが安定しやすい
- 残業が少なく、家庭やプライベートと両立しやすい
- 幅広い業務を経験できる
- 身体的な負担が比較的軽い
こうした特徴から、規則正しい生活を送りたい方や、働きながら介護の基礎をしっかり学びたい方にとって、無理なく続けやすい職場環境と言えるでしょう。
◯デメリットについては、以下の通りです。
- 夜勤手当がないため、給与水準がやや低めになる場合がある
- 重度介護や医療ケアなど、専門スキルを学ぶ機会が限られることも
- レクリエーション企画の負担を感じやすいことがある
どんな職場にもメリット・デメリットはあります。自分の働き方や、将来目指したい方向性に合っているかを見極めることが大切です。
1日型(総合型)デイサービス 1日の流れ
では、実際に1日型(総合型)デイサービスでは、どのような流れで仕事が進むのか、1日のスケジュールを見てみましょう。
時間帯 | 内容 |
8:30 | 出勤・朝礼・送迎準備。スタッフ間で必要な情報を共有します。 |
9:00 | 送迎業務。利用者のお迎えへ。到着後は、バイタルチェックを行い、体調を確認します。お茶などで水分補給してもらうのも大切な業務です。 |
10:00 | 入浴介助や個別機能訓練がスタート。計算や漢字などの書面レクリエーションも行います。 |
12:00 | 昼食の配膳・食事介助・口腔ケア。スタッフは交代で休憩します。 |
13:00 | お昼寝など自由時間。 |
14:00 | 午後のレクリエーション(歌・創作活動・季節行事など)。楽しんでもらえるよう、スタッフが工夫しています。 |
15:00 | おやつの提供と水分補給。ゆったりとした雰囲気で、会話が弾みます。 |
16:00 | 帰宅準備と送迎。利用者に声を掛けながら、安全に送ります。 |
17:00 | 記録・清掃・ミーティング。その日の出来事や気づきを情報共有します。 |
17:30 | 退勤。 |
スタッフにとって、利用者の「今日も楽しかった」という言葉が何よりの励みになります。季節のイベントや日常のふれあいを通じて、やりがいを感じられる毎日です。
※上記の時間や内容はあくまでも一例です。実際のスケジュールは施設ごとに異なる場合がありますので、詳細は各事業所の情報をご確認ください。
リハビリ特化型(機能訓練特化型)デイサービスとは
リハビリ特化型デイサービスは、利用者の身体機能の維持・向上を目的とした施設です。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などの機能訓練指導員が中心となり、専門的なリハビリを提供しています。
「半日型」で運営されることも多く、施設によっては、食事や入浴のサービスを提供しないところもあります。自立度の高い利用者が多く、雰囲気も比較的アクティブな傾向にあると言えるでしょう。スタッフは利用者の意欲を引き出しながら、運動や機能訓練のサポートに関わります。
リハビリ特化型(機能訓練特化型)デイサービスで勤務するメリットとデメリット
◯リハビリ特化型デイサービスで働く魅力は、以下の通りです。
- リハビリに関する知識・スキルを深められる
- 利用者の改善が目に見えて、やりがいを感じやすい
- 介護度が比較的軽く、身体的な負担が少ない傾向がある
機能訓練指導員との連携が日常的にあるため、リハビリや運動支援のノウハウを身につけられます。また、入浴や食事の介助がない施設も多く、体力的に無理なく働けるのも魅力です。
◯デメリットは、以下の通りです。
- 半日型が多く、送迎業務の回数が増える傾向にある
- リハビリや身体機能の知識を学び続ける意欲が必要とされる
- 午前・午後の入れ替え対応で、時間帯によっては業務が慌ただしくなることも
忙しさや学びへの姿勢が求められる一方で、「動きのある職場が好き」「前向きな空気の中で働きたい」という方にはピッタリの環境です。
認知症対応型デイサービスとは
認知症の診断を受けた高齢者を対象に、専門的な支援を行うデイサービスです。利用定員は12名以下の少人数制で、家庭的な雰囲気の中、一人一人の状態に合わせたケアが行われます。
提供されるプログラムは、認知症の進行を緩やかにしたり、穏やかに過ごせるようサポートすることが目的です。スタッフには、利用者とじっくり向き合いながら、安心感や信頼関係を築くことが求められます。「人と深く関わるケアがしたい」という方に向いている職場といえるでしょう。
・厚生労働省.「認知症対応型通所介護」.令和7年版,2025.https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group10.html,(参照 2025-5-6)
認知症対応型デイサービスで勤務するメリットとデメリット
◯認知症対応型デイサービスで働く魅力は、以下の通りです。
- 認知症に関する知識や対応スキルが深まる
- 少人数だから、じっくりと個別ケアに取り組める
- 忍耐力・共感力・コミュニケーション力が磨かれる
認知症ケアは専門性が高く、経験を積むことで対応スキルが身につきます。一人一人と丁寧に向き合える環境なので「人との関わりを大切にしたい」という方には、やりがいのある職場です。
◯デメリットについては、以下の通りです。
- BPSD(行動・心理症状)への対応に精神的な負担を感じることがある
- 徘徊や妄想など、予測のつかない言動への対応が求められる
- ご家族との連携や説明など、対応に気を遣う場面が多い
認知症対応は簡単なことばかりではありません。しかし、深い信頼関係や、介護スタッフとしての成長を実感しやすい現場でもあります。
療養型通所介護とは
療養型通所介護は、難病やがん末期、重度の要介護状態など、日常的に医療的ケアが必要な方を対象としたデイサービスです。
定員は18名以下で、看護師が常駐します。利用者の状態に応じて、主治医の指示をもとに医療処置や日々の観察を行いながら、安心して自宅で過ごせるようサポートするのが役割です。
通常のデイサービスとは異なり、医療と介護の両面から利用者をサポートする専門性の高い職場です。チームで連携しながら、利用者やご家族に寄り添ったケアが求められます。
・厚生労働省.「療養通所介護」.令和2年版,2020.https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000658655.pdf,(参照 2025-5-6)
療養型通所介護で勤務するメリットとデメリット
◯療養型通所介護で働く魅力は、以下の通りです。
- 医療的ケアや看護の知識・技術に触れられる
- 医療依存度の高い利用者への支援を通して、介護職としての専門性が高まる
- 在宅療養を支える仕事に携われる
療養型では、喀痰吸引や経管栄養などの医療ケアを身近で学べ、医療と介護の両面からのアプローチを実践できる環境です。
「もっと専門性の高い仕事がしたい」「医療現場との連携に関心がある」という方には、ピッタリな職場と言えるでしょう。
◯デメリットは、以下の通りです。
- 利用者の介護度が高く、介護負担が大きい傾向にある
- 医療的判断や命に関わる場面もあり、常に高い緊張感がある
- 比較的、事業所数が少なく、求人が限られている傾向がある
医療依存度の高い利用者への支援では、プレッシャーや責任の重さを感じる場面もあるかもしれません。それでも「誰かの命を支える」という実感や、利用者・ご家族との信頼関係が、やりがいにつながります。
もしご自身に合った施設がどんなものかわからない、というお悩みをお持ちの方は、介護施設長経験もあるふじのくに静岡介護求人ナビのコーディネーターにお任せください。
デイサービスの規模別の特徴と向いている人
デイサービスは、規模によってスタッフの体制や施設の雰囲気が大きく変わります。気持ちよく働ける職場を見つけるために、それぞれの特長をしっかり押さえておきましょう。
ここでは、3つの規模タイプと特徴を紹介します。具体的には、
- 通常規模~大規模デイサービス
- 小規模デイサービス(地域密着型通所介護)
- 民家型デイサービス(地域密着型通所介護)
の3つです。それでは、順番に解説していきます。
通常規模~大規模デイサービス
大人数の利用者やスタッフがいるため、組織的な運営がされている施設が多いです。効率性を重視し、役割分担が明確な環境で働きたい方に向いています。
◯特徴
- 利用者数・スタッフ数、共に多めで、活気のある雰囲気
- 社会福祉法人や企業が運営するケースが多く、研修制度や福利厚生が整っている
- マニュアル化・分業体制が進んでおり、役割分担が明確
◯向いている人
- 組織的に動くのが好き・得意な方
- ステップアップやキャリア形成を目指したい方
- 多様な利用者や職員と関わりたい方
教育環境やキャリアパスが整っていることも多いため、特に「学びながら成長したい」方におすすめの環境です。
小規模デイサービス(地域密着型通所介護)
小規模デイサービスでは、利用者にしっかり向き合えるのが魅力です。家庭的な雰囲気の中で、「寄り添うケア」をしたい方に向いています。
◯特徴
- 少人数で、あたたかい雰囲気
- 利用者の変化に気づきやすく、柔軟な対応がしやすい
- スタッフ間の距離も近く、チームワークが生まれやすい
◯向いている人
- 利用者とじっくり関わりたい方
- 地域に根ざしたケアに関心がある方
- アットホームな環境を大切にしたい方
人と人との距離が近い分、大きなやりがいも感じられます。利用者さんとの信頼関係を大切にしたい方にぴったりです。
民家型デイサービス(地域密着型通所介護)
自宅のような空間で、少人数の利用者に対して、ゆったりしたケアを提供できるのが魅力です。落ち着いた環境で働きたい方に適しています。
◯特徴
- 一般の住宅を改装した施設で、より家庭に近い環境
- 静かな雰囲気で、認知症の方も安心して過ごしやすい
- 少人数の個別対応が中心
◯向いている人
- 落ち着いた環境でケアをしたい方
- 手厚いケアに魅力を感じる方
- 家庭的な雰囲気を大切にしたい方
利用者が穏やかに過ごせる空間づくりに関わりたい人や、静かな環境で働きたい人に適しています。
どこが向いている?デイサービスの選び方
デイサービスには、さまざまな種類や規模があります。「自分に合った職場ってどこだろう?」と迷う方のために、ライフスタイルや希望別に選び方のヒントをまとめました。
以下の5つのパターンで、順番に解説していきます。
- 未経験・ブランクがある
- 子育て中・家庭と両立したい
- 運転が苦手
- 体への負担を抑えたい
- キャリアアップしたい
あなたの「働きたい」にフィットする職場を見つける参考にしてください。
未経験・ブランクがある人
「介護の仕事、初めてだけど大丈夫かな…」「しばらく現場を離れていたけれど、やっていけるかな…」
そんな不安を抱えている方でも、しっかりフォローがある環境を選べば大丈夫です。
◯おすすめ
- 一般的なデイサービス(特に通常規模~大規模)
- リハビリ特化型デイサービス
◯理由
- 一般型は業務が幅広く、先輩スタッフからのフォロー体制が整っていることが多い
- リハビリ特化型は身体介護が少ない傾向にあり、未経験者でも始めやすい
- 教育環境が充実しているため、基礎からしっかり学べる
「未経験OK」「研修制度あり」などの記載を求人票で確認しましょう。見学時には教育・研修体制について質問してみると安心です。
子育て中・家庭と両立したい人
「家事や育児と両立しながら働きたい」
そんな方にとって、時間短縮での勤務や、急な休みに柔軟に対応してくれるかどうか、子育てへの理解があるスタッフが多いかどうかなど、職場のサポート体制が重要です。
◯おすすめ
- 一般的なデイサービス
- 小規模デイサービス
◯理由
- 一般的なデイサービスは比較的人員が多く、シフトカバーしやすい体制が整っていることが多い
- 小規模施設はシフトの融通が利きやすく、急な休みにも柔軟な場合がある
求人票で「週休2日制」「時短勤務相談OK」「子育て中の職員が在籍」などをチェックしましょう。面接で、職場の子育てへの理解度やサポート体制を確認できると安心です。
運転が苦手な人
「送迎があるから無理かも…」と悩む必要はありません。
自動車の運転が不安な方でも、自分に合った働き方を選べるチャンスはあります。
◯おすすめ
- 大規模なデイサービス
◯理由
- 職員数が多い施設では、送迎専従スタッフが在籍しているケースもあり、添乗のみの勤務が可能な場合もあります。
◯確認ポイント
- 送迎業務の有無
- 車種(軽自動車か、ワゴン車か)
- 添乗のみの勤務が可能か
- 送迎専従スタッフの有無
デイサービスでは送迎が必須の施設も多いため、求人応募前や面接時に確認しておくことが大切です。中には「送迎なし」や「添乗のみOK」の施設もあるので、事前にリサーチしておきましょう。
体への負担を抑えたい人
「腰痛がある」「体力的に不安…」
そんな方でも、負担の少ない職場を選べば、無理なく介護の仕事を続けられます。
◯おすすめ
- リハビリ特化型デイサービス
- 小規模デイサービス(介護度による)
◯理由
- リハビリ特化型デイサービスは、比較的自立度の高い利用者が多く、身体的負担が軽め
- 小規模施設は、一人一人に合わせたケアができるが、利用者の介護度によって負担が異なるため事前確認が必要
見学時には、入浴介助の有無や特殊浴槽の使用状況、介助方法などを確認しておきましょう。
キャリアアップしたい人
「同じ働くなら、ステップアップを目指したい」
そんな向上心のある方には、研修や役職のチャンスが多い職場がおすすめです。
◯おすすめ
- 大規模デイサービス
- 複数の施設を運営・展開している法人
◯理由
- リーダー・主任などの役職ポストが多い
- 資格取得支援やキャリアパス制度が整っている場合が多い
- 他施設への異動によって多様な経験が積める可能性も
法人の規模や事業内容を確認し、「キャリア形成支援」「資格取得支援制度」があるかをチェックしてみましょう。
以上のように、さまざまな特徴を持つデイサービスがあります。自分に合った職場を見つけるには、働き方・希望・ライフスタイルに応じた視点で選ぶことが大切です。
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