「自分は介護職に向いていないのではないか?」
「職場に行くのが辛くて、辞めたい」
このようなお悩みを持つ介護職の方々は少なくありません。
介護職は、精神労働と肉体労働を兼ね備えています。利用者さんの笑顔や喜びの為に頑張れている時は良いのですが、心が折れてしまう瞬間もありますよね。この記事では、そんな皆様から集まった声を元に「介護職を辞めたくなる理由」を10個集めてみました。
記事の後半では、心が折れてしまう瞬間に見たい、辛いときの対処法もご紹介します。
同じお悩みを持つ介護職の方は、是非参考にしてみてください。
Contents
介護職を辞めたい理由10選
給料が安い
介護職の賃金向上を目的に、介護報酬を加算して支給する処遇改善加算がある為少しは待遇は良くなっています。加算があったとしても、一般企業に比べたら高水準ではありません。結婚した30代の特に男性は給料水準が低い為に転職という事も多々あります。人の命を預かっているのに給料が割に合わないなんて言葉も良く聞かれます。将来性に疑問を感じてしまう方も多いかもしれません。
関連記事:介護職の処遇改善加算について
上司と先輩の言っている事が違う
多くの事業所には、パート職員、契約職員、正規職員、リーダー、主任、所長等さまざまな立場の人がいます。仕事を始めてすぐのOJT期間では、教えている先輩職員によって教え方が違うという事もよくあります。先輩に聞いてやっているのに、他の先輩には注意された等です。また、会議等でも上司のトップダウンに対して先輩職員が納得できずに従わないという事もあります。その環境に置かれてしまうと、何が正解か分からずに仕事に対して後ろ向きになってしまいますね。
利用者の拒否が多い
丁寧に声掛けをしてトイレや入浴に促しても、拒否で動いてくれないという事は良くあります。全介護職員に対してであれば、なんとか気持ちは取り留められるかもしれませんが、自分にだけ拒否が強いという事もあります。サービス提供時間が限られている中で、拒否に対応するストレスは多大なものです。また、他職員からできない職員だとレッテルを貼られるのではないかという気持ちにもなってしまいます。誰も助けてくれないと、孤独を感じて辞めたくなってしまいます。
利用者よりも職員の人間関係に疲れる
良くありがちなのは、職員の派閥化です。何かに対して意見が割れた時に、どっちに付くかという状況があります。休憩中等にも「あなたはどう思う?」等派閥に引き込まれそうになる事もあります。チームケアをしたいのに、なんで職員同士で割れているんだという葛藤を抱き、心が折れるきっかけになってしまいます。
残業を認めてくれない
近年では、労働基準法を事業主が気にして以前ほどでもない事業所も増えています。しかし、「定時に上がれないのはスキル不足だ。」「仕事が遅いからだ。」「残業は事前申請だから、スケジューリングが悪い。」等言いきる事業所も少なくありません。また、事前申請していても残業申請が多ければ人事考課に影響してしまう事もあります。ノーワークノーペイの原則だと言われても、利用者さんの事を考え努力して事務作業を後回しにしているのに低評価を受けてしまうなんてやりきれませんね。
腰が痛くなる
腰痛は、日常生活にも多大な影響を及ぼします。もちろん、ボディーメカニクスや介護の基本は学ばなければなりません。介護の基本を学んだとしても、設備的に無理な介護を強いられる事業所も多いです。その為、無理な姿勢で介護を続け腰痛を起こしてしまうと、仕事を続ける気力が無くなってしまいます。腰痛ベルトを貸与する事業所もありますが、一番大事なのは、介護環境の改善です。
同じ正規職員でも送迎車を運転する人としない人がいる
正規職員として同じ立場で、自動車運転免許証を持っているのに苦手という理由で送迎車を運転しない人がいるというのも、府に落ちませんね。実際には、送迎中に事故を起こされてはいけませんが、事故を起こさない為の練習をしてもらいたいものです。有る事業所では、その不満を打ち消す為に送迎手当を出している所もありますが、やはり少数派です。不平等感が、仕事へのモチベーションを下げてしまいます。
看護師が上から目線である
介護職、医療職というとやはり医療職の方が意見が強い傾向があります。もちろん、総合的に理解してチームケアを支えてくれる看護師が多いのも事実です。しかし、「どうせ介護さんは分からないんだから。」という姿勢の看護師が多いのも一つの事実です。自分の体験談で他なりませんがケアマネジャーを見てみると、看護師出身のケアマネジャーより介護士出身のケアマネジャーの方がた職種間の連携や、地域連携に長けているという場合もありました。どっちが上と言う事ではなく、チームとしてケアをしている為、相互に尊重して仕事をしたいものです。
生活リズムが崩れる
特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム等入所系のサービス提供事業所に多く見られます。デイサービスにおいても、お泊りデイサービスを提供している事業所は、例外ではありません。家庭を持っている人はなおさら、子供を始めとして家族と予定が合わないという状態に陥ってしまいます。その事で、ライフワークバランスが崩れてしまう事もあります。①の給料が安いというのにも関連しますが、夜勤が無いと給料面で家族を支えられないという人もいる為、痛し痒しです。
事故等のミスを犯した人だけのせいにする
無いに越した事はないですが、やはり介護に事故やミスは付き物です。対象が人である為、どのように動くか予想はついても、完全に対応する事はかなり難しい事です。特に、認知症の方であれば、突発的な動きや異食のリスクも高まります。このような状況で、日々配慮しながら仕事をしていても、ミスは起こります。その時に、事故やミスが起きた事だけに注目され、根底にあるものに目が行かないと、その人だけのせいになってしまいます。そんな時は、やはり心が折れてしまいます。
介護職体験談「介護職を辞めたい理由」
- 会社の方針で勤務時間が変わり、家庭との両立が難しくなった
- 覚える事が多く、自分には無理だと思った
- 介護職に向いていないと思ったから
- 腰の痛みを我慢して働いていたら悪化してしまった
- 施設の方針と合わない、人手不足なのに人員の補充がない
介護職を辞めたい時の対処法
介護職を辞めたいと感じたときにまず確認することは、自分が介護という仕事に対するやりがいがあるかどうかを冷静に考えてみる事です。
働くモチベーションを保つ上でやりがいは非常に大きな要素です。どんな仕事でもそうですが、仕事の楽しさや達成感、充実度がないと仕事も続きません。
自分の今までを振り返って、自分がなぜ介護職に就いたのか?なぜこの仕事をしているのか?
介護という仕事に興味を持ったきっかけなどを思い出すのもおすすめです。
振り返った結果、それでも介護職を辞めたい、仕事のやりがいが持てない場合は転職を検討すると良いでしょう。
介護職体験談「介護職を辞めたいと一度は思ったが続ける理由」
- 馴染みの利用者様と会えなくなるのはやっぱり寂しい
- 資格や職歴にある程度の自信があり、まだ続けられると感じた
- 人は人、自分は自分。私にしかできない介護がある
- 年齢的に他業種への転職は厳しかった
まとめ
せっかく志を持って介護職についているのに、辞めたくなる事は多いですね。そんな時は、冷静に考え、何を大切にするべきか振り返る事をお勧めします。どうしても辛い時は、心が疲弊しきる前に転職も一つの方法だと思い、少し気楽に仕事を行い利用者さんに対して笑顔を届けられるよう努めたいものです。