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はじめに
子育てで忙しい主婦でも、子どもの成長とともに仕事への興味が出てくるものです。
できれば将来性のある仕事をしたいと考えるなら、介護職が当てはまる可能性があります。
高齢化社会が進む現代では、実際に介護職の需要が高まっています。
介護職は今後需要増加が見込めるため、複数の職場から選ぶことができ、家庭と仕事を両立させた職場を見つけやすいでしょう。
しかし、介護職として働いたことがない方は「初めて挑戦するにはどうすれば良いのか?」と疑問が出てくるものです。
この記事では、介護職の将来性や、未経験者でもスタートしやすい職場の選び方について解説しています。
介護職に興味があるけれど、始め方がわからないという方は、この機会に内容を理解してみてください。
介護職への第一歩
まずは、介護職の基本的な知識を深めてみましょう。
なぜ介護職が注目されているのか、また初めての人でも介護職を目指せる理由を理解することで、行動を起こしやすくなるはずです。
介護職の社会的意義と重要性
介護職は、人と直接かかわる仕事です。
利用者さんやご家族から「ありがとう」と言ってもらえる機会が多いため、仕事を通してやりがいを感じやすい特徴があります。
また、介護職は、社会的意義のある職業だともいえます。
なぜなら、少子高齢化社会にともない、介護を必要とする人が増えているからです。
介護職は介護ケアを行う職業であり、高齢者の生活の質を向上させる目的があります。
介護保険制度に貢献するため、介護職の人材は重要な意味を持っており、介護職の人材がいなければ成り立ちません。
なぜ今、介護職が注目されているのか
介護職の職業が注目される理由は、介護を必要とする人口が今後増加するからです。
さらに介護職の人材不足が問題となっており、社会にとって介護職は必要不可欠な職業だという理由もあります。
厚生労働省による平成31年3月18日の資料「介護分野の現状等について」によると、2020年で85歳以上の人口は620万人であるのに対し、2035年は1,002万人に達すると予想されています。
2035年は、団塊世代(1947年~1949年に生まれた人)が85歳を過ぎる頃で、日本全体の人口の約3分の1は高齢者が占めることになります。
介護職として働く人材の割合も年々増加していますが、依然として人材不足であることに変わりがありません。
同じく「介護分野の現状等について」によると、2024年の介護職の求人倍率は1.74倍ですが、2030年になれば介護を必要とする人がさらに増えるため、求人倍率は3.90倍になると予想されています。
介護施設で人材不足になっている理由は、88.5%が「採用が困難である」というデータが出ています。
初めての人が介護職を選ぶ理由
介護職と聞くと、専門職で難しいイメージがあるかもしれませんが、実は初心者でも挑戦しやすい、以下の理由があります。
・年齢や性別を問わない
・無資格や未経験でも始められる
・人手不足のため就職しやすい
・働きながら資格を取得しキャリアアップも可能
30代~40代の世代が多く働いているのは介護施設であり、訪問介護は1人での介護となる場合があるため、経験のある40代~50代の割合が多くなっています。
介護職全体では、60代や70代で介護職として働く人もいるため、年を重ねても長く働きやすい特徴があります。
また、人材不足から、無資格者・未経験者OKの求人も少なくありません。
働きながら資格取得を目指せるため、ゼロからのスタートでも大丈夫です。
介護職の魅力と将来性
介護職は、働く側にとって魅力のある職業です。
社会的意義が大きい職業である点や、やりがいを感じられる点に魅力を感じる人が多くなっています。
介護職におけるやりがいとは
介護職は、幅広い点でやりがいを感じられる職業です。
高齢者を直接支援することで感謝される機会が多い点や、人手不足をかかえる介護業界へ貢献できる点が、やりがいとして挙げられます。
介護職は、高齢者の自立支援や健康維持をサポートする仕事です。
直接的な改善を目の当たりにできるため、人の役に立っている実感を得られやすいでしょう。
また、介護業界の人手不足が問題となっており、働く側としては安定した職場を確保しやすいメリットもあります。
資格取得を通してキャリアアップも可能で、自分の成長を実感できる点も、介護職はやりがいがあると言われる理由の一つです。
介護業界の将来性と発展可能性
介護職は、他の職業と比べて給与が低いと言われることがあります。
しかし、需要の増加とともに人手不足が深刻化しており、国による介護職の給与向上に向けた政策実施で、将来的には介護職の給与は上がる可能性があるでしょう。
無資格で未経験の状態では給与が低くなる可能性はありますが、資格やスキルを身につけると、より高い給与を目指すことは可能です。
また、介護業界の人手不足から、将来的にはロボット・AI・ICTなどの技術が使われるようになるでしょう。
最先端技術を用いた職場で働けるようになり、介護職の負担も軽減していくと考えられています。
介護職の資格とは?
介護職は未経験でも入職できますが、資格があったほうが職場で有利です。
資格取得を目指す場合は、次に紹介する4つの資格取得を考慮してみましょう。
認知症介護基礎研修
2024年4月からは、介護職として働くため「認知症介護基礎研修」の資格取得が必須となりました。
これまでは、資格や経験がない人でも介護職として働けましたが、今後は認知症ケアの基礎知識についての資格取得が必須となります。
認知症介護基礎研修は、eラーニングでの研修です。
Webサイト上にある動画講義を視聴し、確認テストを実施する仕組みとなっています。
受講料は1人あたり3,000円で、事業所が費用を負担してくれる場合もあります。
動画視聴は150分程度で、各動画を少しずつ視聴することも可能です。
最終的にテストをクリアすると資格が得られます。
介護初任者研修
介護初任者研修は、介護に関する基礎知識が学べる資格です。
基礎となる資格のため、無資格者や未経験者でも受講が可能で、誰でも学ぶ環境が整えられています。
民間スクールで学ぶのが一般的で、約130時間の研修講義を受け、筆記による修了試験に合格すると資格が得られます。
約130時間の学習では、スクールに通いながら、自宅学習も進められるようになっています。
通信講座もありますが、通信講座だけで資格は取得できません。
実務者研修
介護初任者研修の次のスキルアップとして資格取得を目指す場合に、実務者研修が利用されています。
また、無資格者が「実務者研修」の資格取得を目指すことも可能です。
実務者研修では、介護の基礎を学ぶことができ、資格を取得すると介護福祉士の資格を目指せるようになります。
民間スクールで学ぶのが一般的で、450時間の講義と実習があります。
無資格者は介護の基礎から学ぶ必要がありますが、介護初任者研修を取得している人は受講料が若干安くなるスクールが多いようです。
介護福祉士
介護福祉士は、介護資格の中で唯一の国家資格です。
そのため、資格を保有していると、幅広い知識を有している証明になり、就職や転職に有利になります。
介護福祉士の受験資格は、養成施設または福祉系高校の卒業資格があるか、また働きながら資格取得を目指す場合は3年以上の実務経験と実務者研修の資格が必要です。
ほとんどのケースでは、実務者研修の資格保有者が3年以上の実務経験を得てから、介護福祉士の資格取得を目指しています。
介護施設ごとの特徴と選び方
介護施設によって特徴が異なるため、初めて介護職を目指す方は、それぞれの施設の働き方や提供サービスの内容を確認しておきましょう。
デイサービス
デイサービスとは、自宅から日帰りで施設に通うサービスのことです。
自宅で暮らす方の生活を施設でサポートする目的があり、要介護1以上の認定を受けた方が利用しています。
介護職におけるデイサービスの仕事は、送迎・食事・入浴・レクリエーション・機能訓練・排泄の介助などです。
利用者さんや介護職員とコミュニケーションを取りながら、家庭でできないケアや、孤独解消による生活の質の向上に役立ちます。
小規模多機能型施設
小規模多機能型施設は、地域密着型の小規模な施設のことです。
通い・訪問・宿泊のサービスに対応しており、住み慣れた地域でサービスを受けることを目的としています。
利用しているのは、対象地域に住んでいる要支援1~要介護5までの方です。
介護職における小規模多機能型施設の仕事は、送迎・食事・入浴・レクリエーション・機能訓練・排泄介助などで、デイサービスとほとんど変わりがありません。
泊りもあるため、夜間帯の仕事もあります。
グループホーム
グループホームは、認知症対応型共同生活介護とも呼びます。
対象地域に住民票がある、認知症の診断を受けた要支援2の方や、認知症の診断を受けた要介護1~5までの方が利用しています。
グループホームに住んでいる方は、共同生活を問題なく送れる方です。
介護職におけるグループホームの仕事は、入居者さんの生活のサポートです。
掃除・洗濯・調理・買い出しなど日常的なサポートから、身体介護やレクリエーション、夜間の見守りなどがあります。
入居者3人に対し1人の職員が必要で、夜間は1人以上で対応します。
有料老人ホーム
有料老人ホームとは、高齢者向けの賃貸住宅のことです。
食事の提供や介護、健康サポートなどが付いているなど、施設によって対応サービスは異なります。
施設の対応介護度によっても異なりますが、身体介護が受けられる施設では、食事・入浴・排泄・移動介助などがあります。
他には、買い物のサポート、掃除や食事の提供、レクリエーションの実施、リハビリや夜間の見守りなどもあります。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームとは、要介護認定を受けた自立した生活が困難な方が生活する、公的補助を受けた施設です。
65歳以上で要介護3以上の方が生活していますが、在宅での生活が難しい要介護1や要介護2の方も入居が認められる場合があります。
入居費用が低めのことが多いため、入居待ちをしている方が多くいるのが特徴です。
また、施設によっては看取りも可能です。
介護度の高い入居者さんが多いため、介護職の仕事は食事・入浴・排泄などの身体介護があります。
また、入居者さんの家族と話をする機会も多くなっています。
夜勤もあり、経営が安定している特徴から、高い給与を求める方におすすめです。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、要介護1以上の方が生活する施設です。
医療法人の経営が多くなっており、介護を通して利用者さんが在宅復帰を目指すためのサポートをします。
リハビリ専門職や看護師と連携をしながら、介護職は着替え・食事・移動・排泄などの介助をします。
介護職が介護老人保健施設で働くメリットは、利用者さんの在宅復帰を目指せる点です。
目に見えて結果が出やすく、利用者さんからも感謝してもらいやすいでしょう。
訪問介護
訪問介護とは、利用者さんの自宅で介護をすることです。
ホームヘルパーとも呼ばれており、介護職員初任者研修を修了している人が働けます。
介護職における訪問介護の仕事は、身体介護・生活援助・通院介助があります。
おむつ替えやトイレへの移動を手伝う仕事や、生活では料理や洗濯などの援助も行います。
登録ヘルパーや派遣ヘルパーとしての働き方や、パートなど短時間勤務も可能です。
派遣や転職エージェントの利用
これから介護の仕事を始めたい方にとって、多数ある職場を比較するのは難しいでしょう。
介護施設といっても多数の種類があり、仕事内容や働く条件をすべて把握するのは難しくなっており、どの施設を選べばいいか迷ってしまうかもしれません。
そのような悩みがある方は、転職エージェントの活用も考えてみましょう。
転職エージェントとは、希望条件やキャリアプランに合わせた求人紹介、キャリアアップの助言、職場の雰囲気などの情報提供をしてくれるサービスのことです。
登録は無料のところが多いため、介護職に関する相談先としてもおすすめします。
アクタガワHRMなら、静岡県で20年以上の実績があります。
地元の転職エージェントとして活動を続けており、各種アドバイスや求人、職場の情報も豊富です。
まとめ
この記事を通して、介護職の魅力から将来性まで理解できたことでしょう。
介護職は多くの人に必要とされる職業であり、やりがいも得られるため挑戦しがいのある職業です。
また、人々の生活をサポートする立場であり、社会貢献できる喜びも得られるでしょう。
介護職に少しでも興味を持ったのなら、この機会に介護職についての知識を深め、新たなキャリアをスタートしてみてください。