介護職に勤めている方はどのような理由で退社し転職するのか?介護業界の転職理由をランキングでお伝えします。転職の際には面接に合格する必要がありますが、ストレートに言うと悪い印象を与えてしまう可能性も。面接で転職理由を聞かれた場合、ネガティブな印象を避けるポジティブな言い回しについても例文付きで解説します。
Contents
介護職の転職理由は何が多い?
介護職はどのような理由で転職するケースが多いのでしょうか?
もっとも多い転職理由はどのようなことなのでしょうか?介護職の転職理由をランキングでお伝えします。
また、面接で役立つ印象をよくする伝え方も紹介します。
自分で調べて決めた職場でも、実際働いてみると自分の思っていたことと違う、ということはあるものです。
我慢できないことであれば、転職を考えるケースも少なくありません。
介護職の転職理由はどのようなものか、よくある理由はどのようなことか、について把握しておくことも職場選びの参考になるものです。
また、転職先の面接では、転職理由について聞かれることも少なくありません。
伝え方によっては悪い印象を与えてしまうことも。良い印象を与える伝え方についても解説します。
介護職転職理由ランキング
現在の職場に不満があったり、不満はないけれどもっとキャリアアップできる職場への転職をしたいなどと目標が変わったりすると転職を考えるものです。実際はどのような理由で転職をする介護職が多いのでしょうか?
厚生労働省では介護職の転職理由について調査をしています。
調査結果をもとに、介護職の転職理由ランキングを紹介します。
1位:職場の人間関係
介護職の転職理由で最も多いのが、職場の人間関係で全体の約19%の方が、人間関係を理由に転職を考えています。
人間関係の悩みは介護職に限らず、どのような職場でもあるものでしょう。
特に介護職の場合、資格や職種によってできる仕事や立場が異なります。
さまざまな職種の方がいて、自分やそれぞれの立場を認識し連携を取って仕事をしていかなければなりません。
中には意見や考え方が異なる場合もあり、仕事がしにくいと感じることもあります。
周囲と連携して介護業務に取り組むために、コミュニケーション取らなければできない仕事なので、人間関係がストレスになってしまうとその職場で仕事を続けるのは難しいでしょう。
2位:結婚・妊娠・出産・育児
2番目に多いのが、結婚や妊娠・出産、育児で全体の約17%を占めています。
これらの理由も介護職に限らず転職理由としては多いものですが、介護職の場合職場によっては夜勤があるなど、育児をしにくい勤務体制が壁になることがあります。
主に女性に多い理由で体力的にも育児との両立が難しく、休職や退職をするということも少なくありません。
また、結婚する際に遠方に引っ越すなど、勤務している職場に通えない場合も転職をすることになります。
3位:将来の見込みが立たない
3番目に多いのが、自分の将来の見込みが立たないという理由で全体の約16%です。
将来の見込みが立たないというのは、資格を取得したくても勉強する時間が取れない、サポート体制がないといったことや、教育・研修制度やキャリアアップをするための支援に不満があるなどといったことです。
介護職はまずは介護職職員初任者研修から始まり、介護福祉士資格の取得など資格を取ることで収入アップも見込め、役職などに就くこともあります。
ですが資格習得の為に実務経験を積むのに数年かかります。目的があったり、新しい分野の勉強をしたかったりしたときに、それをサポートしてくれる環境がないと他の職場を探したくなるでしょう。
4位:収入が少ない
収入が少ないことを転職理由にあげている方は、全体の約15%です。
資格を持っているのに資格手当が出ないまたは少ない、昇給が少ない、といった収入を転職理由にあげている方も少なくありません。
収入を上げるには、介護業界の資格を取得してより責任ある業務を担う、専門性が発揮できる仕事をする、役職に就くなどの方法がありますが、収入を上げるためには、より好待遇な施設への転職が一番早く給料アップを目指せます。
看護師などと比べると介護職の給与は低いものです。
処遇改善対策が進められていますが、勤めている介護施設によっては平均より給与待遇面が低いところもあるので、収入の低さから将来に見込みがないと感じてしまうのです。
子どもの学費や習い事などでお金がかかる、またはキツイ仕事に給与が見合わないと感じると他の職場に行きたくなるものです。
5位:他にいい仕事・職場があった
全体の約14%の方は、他にいい仕事や職場があったから、という理由で転職をしています。
通勤しやすい施設の求人があったり、自分のしたい勉強ができる環境があったり、働きやすい勤務体制の職場を見つければ、そちらへの転職を考えるものです。
介護職は売り手市場 積極的な転職活動で解決できる可能性
厚生労働省「令和3年度 介護労働実態調査結果」の「働く上での悩み、不安、不満等について」によると、「人手が足りない」と回答している方が約52%と最も高くなっています。
人手不足の環境で働くのは、精神的にも体力的にも限界があるでしょう。
現在では、介護職がより快適に働ける環境や待遇改善を実践している職場が増えています。
介護市場は売り手市場で、特に経験やスキルがある人材は転職しやすい状況です。
求人数も多いので現在の勤務先に不満があれば、積極的な転職活動で悩みや不満を解決できる可能性は高いでしょう。
面接官が知りたいこと
面接官は、自身の介護施設に合うか応募者の履歴書や職務経歴書を見て検討します。
求人情報や希望する介護施設のホームページなどを見て、施設の方針を理解することができます。どのような人材を求めているかを知っておくと転職理由に何を伝えるべきかも見つけやすくなります。
面接官が応募者のどのようなところを確認したいか、気にするポイントや知りたいポイントを以下でまとめて紹介します。
【面接官が知りたい4つのポイント】
1.すぐに辞めたりしないだろうか?
2.いい加減な仕事をすることは無いだろうか?
3.周囲とのコミュニケーションはうまくとれるだろうか?
4.介護業界に意欲があり向上心はあるのだろうか?
転職理由を話すときは、以上の点をからめて伝えるのが大切です。
応募者について面接官が何を気にしているかに注目してみると、転職理由の内容を考える参考になります。
面接中の転職理由伝え方のポイント
介護業界の面接で転職理由を伝えるときは、ポジティブな内容にまとめることが内定への重要なポイントです。下記のポイントを参考に、好印象を与える伝え方を確認しましょう。
印象の悪くなる転職理由はポジティブな言い回しに変える
転職理由は、ポジティブな内容で伝えることを意識してみましょう。人間関係の悩みやトラブル、給与待遇面、仕事内容に対して抱いたネガティブな転職理由を包み隠さずそのまま述べてしまうと、面接官の心証が悪く、「何か不満があればすぐに辞める人」と思われてしまう可能性が高いです。転職することで自分の働き方をポジティブな方向に変化できるような前向きな内容を伝えましょう。
嘘は言わない
介護職として転職理由を伝える際、嘘をつくのは避けた方がいいでしょう。転職理由で嘘をついてしまうと、面接が進むうちに発言のつじつまがあわなくなり、面接官に不信感を与えてしまうきっかけになりえます。
仮に内定をもらい働き始めたとしても自分自身でまた働きづらい環境を作ってしまう場合もあります。前向きな言い回しを心がけながら、嘘のない話しをすることが必要です。
介護職に対し真摯な姿勢を見せる
こちらは未経験の求職者向けの内容ですが、人手不足な介護業界とはいえどんな人材でも歓迎というわけではありません。反対に人手不足だからこそ、慎重に判断しながら面接を勧めたいと思う介護施設も多いかと思います。
そんな中「介護の仕事でもしようかと思った」「自分には介護の仕事くらいしかできない」というように、介護業界を軽視した表現の転職理由は当然面接官の心証が悪くマイナスイメージを抱いてしまいます。このような伝え方では、応募先の仕事や介護業界に対する熱意がないと思われ、一緒に仕事がしたいと思ってもらえません。転職理由は、介護にまっすぐ向き合う姿勢を示すよう心がけましょう。
介護職面接での転職理由の伝え方(例文付き)
売り手市場で転職しやすいとはいえ、採用する側も誰でもいい、というわけではありません。
できれば優秀な人材を採用したいと考え、履歴書や職務経歴書、面接でキャリアや人となりをチェックするものです。
そのため、面接で前職をやめた理由について聞かれたとき、「給料が安かったから」「人間関係がうまくいかなかった」など、そのままストレートに言うと、ネガティブな印象を与えてしまうことがあります。
同じことを言っているとしても、言い方や伝え方を変えるだけでネガティブな印象を避けられポジティブな印象になるものです。
介護転職理由「人間関係」
意見の食い違いや介護観の違いなどによる摩擦で人間関係がうまくいかなかった場合。
前職の同僚達や先輩、上司部下の悪口を言うことは避け、以下例文の様に、自身がより介護職者として飛躍できるようなイメージを持ってもらえるような結論になるよう、
言い回しを考えましょう。
【例文】
「質の高いケアを実践するため、チームで協力していける雰囲気を感じました。」
「スタッフ一人の意見を尊重してくれる職場でなら、さらにスキルアップが目指せると感じました。」
あまりコミュニケーションを取りたくない場合は、次のような伝え方もあります。
「チームワークを円滑に取りながらも、一人で集中して作業をすることも大切にしたいと考えます。」
退職理由が人間関係だった場合、前職で人間関係に苦労した、と言ってしまうと、コミュニケーション能力がないのかも、と思われてしまうでしょう。
また、一人で仕事をするのが好き、と言えばコミュニケーションが重要な介護の仕事には向いていないのでは、と思われてしまうこともあるので注意が必要です。
介護転職理由「収入が少ない」
前職で収入が少ないことが不満で転職を希望した場合は、次のような伝え方があります。
【例文】
「こちらの職場では自分自身の努力や成果をていねいに評価してもらえると聞いています。」
「個人の成果をきちんと評価してもらえることは、モチベーションのアップにつながると考えます。」
給与など待遇のことばかり言うと、肝心の仕事内容はどうでもよいのか?と思われてしまうことがあるので注意しましょう。
ただし、給与は生活のためには重要なポイントでもあります。
「給与額は全く気にしていません」などと言えば、「本心を言っていないのでは?」と思われてしまうこともあります。
「できれば年収も高くなることを期待しています」程度は伝えても問題ありません。
介護転職理由「他にいい仕事・職場があった」
応募先のメリットや魅力を例に出し、前向きに答えましょう。
【例文】
「資格取得の支援があるのは非常にうれしく思います。」
「教育・研修制度が充実しているため、ステップアップを目指したいと考えています。」
「前職では一人の作業量が多く、利用者様に十分なケアができなかったと感じています。こちらでは利用者様一人ひとりに適したケアをチームで考え、じっくりとていねいなサポートをしていける職場だと聞いています。」
などといった伝え方をするとよいでしょう。
職場選びを失敗しないために
失敗しない転職先探しのために注意するべきポイントを紹介します。
転職先の介護施設で長く働くために、自分に合った職場を選ぶことは重要です。
以下の項目を参考に転職先探しの際は確認してみてください。
人間関係の良好か
一つ目は「人間関係が良いか」です。
介護職はスタッフや利用者さんとの関わりが欠かせない職業です。
介護職の転職理由ランキングで人間関係については上位に挙げられており、介護職で働くうえで人間関係の良さはかなり重要な要素です。
実際に職場見学をすることで施設で働く人の人柄をある程度知ることでその職場が自分に合った職場であるかどうかを判断するのが良いでしょう。
給与・福利厚生面
二つ目は「給与・福利厚生面」です。
給与条件が良いことは重要ですが、福利厚生とのバランスを大切にしているかどうかも確認する必要があります。
介護施設は株式会社や社会福祉法人など経営の種類がそれぞれ異なっています。
株式会社は営利を追求する組織であるので、役職につき、地位が上がるほど給料も上がっていきます。
しかし役職につかなかった場合、給料アップを見込むことは難しいです。
社会福祉法人は役職の昇進こそないものの、国からの助成金がでるので長年に渡って安定した給料を見込むことが可能です。
自分の働きたい施設の経営形態をよく確認することが重要です。
勤務体制の確認
三つめは、「勤務体制の確認」です。
介護職の勤務体制は、施設によってかなり変わります。
訪問介護を希望する場合には日中の勤務が多くなります。
一方で特別養護老人ホームなどの施設で働くことを希望する場合には早番・遅番・夜勤など交代制で24時間体制の施設運営です。
自分がどのように働きたいのかを考えそれに合った勤務体制を取り入れている職場を選ぶことで、働き始めてから職場との相性が悪いことに気づくという事態を防ぐことができます。
自宅からの通勤時間
四つ目は、「自宅からの通勤時間」です。
介護業界の仕事は体力を要する仕事です。
そのため通勤時間が長いと通勤でも体力を消耗してしまい、帰宅も遅くなるため、体力の回復が間に合わずさらにきつくなってしまいます。
また、特別養護老人ホームのように夜勤を伴う24時間体制を取り入れている施設で働くことになった場合、公共交通機関が使えない可能性があります。
職場を選ぶ際は、今住んでいるところからあまり遠くない職場を選び、通勤時間がなるべく長くならないようにしましょう。
通勤時間が長くない方が無理なく介護の仕事に取り組むことができます。
介護職の転職は転職コンサルタントに相談がおすすめ
転職をするなら転職コンサルタントに相談するのがおすすめです。
転職コンサルタントを利用するメリットは、自分の要望をていねいに聞き、経験などを踏まえて適した求人を見つけてくれることです。
さらに、介護職の転職に関する新しい情報をはじめ、さまざまな情報を持っています。
一人で活動をするより、多くの情報の中から適した求人を探せるでしょう。
面接や履歴書の書き方などの相談にのってくれるのもメリットです。
転職理由など不安な点があれば、相談してみましょう。
応募先との連絡や調整もサポートしてくれるので、忙しい方にもおすすめです。
利用料などはかからないので、気軽に相談をしてみましょう。
まとめ:転職理由を前向きに捉えて上手な転職活動を
人間関係で悩み転職を考えるケースは多いものです。
どんなに魅力的な要素のある職場でも、人間関係は実際に働いてみないとわかりません。
さらに、収入や仕事、環境なども自分に合っていなければ転職を考えるものです。
転職活動の面接では転職理由を聞かれることも少なくありません。
その際は、ストレートに言うのではなく、転職希望先のメリットに変換して伝えるのがポイントです。
転職はネガティブなことではありません。
より自分に適した環境や待遇で仕事ができるきっかけとなるものです。
転職理由を前向きに捉え、上手な転職活動をしましょう。
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