再就職準備金貸付事業とは、子育てや家族の介護で介護の仕事を辞めざるを得なかった40代50代の女性の方で介護職へ再就職をご検討中の方に耳よりの情報です。2年以上勤務 すると、返済が不要となる制度を利用して、再就職をスムーズにしましょう。
ここでは再就職準備金の制度の詳しい条件や申請の流れを紹介します。
まず再就職準備金には二種類あります。
介護職再就職準備金貸付事業:有資格者(介護福祉士の資格保有者、実務者研修か介護職員初認者研修を修了している方)で1年以上介護の仕事の経験がある
介護分野就職支援金貸付制度:無資格者(介護職員初任者研修必須)
Contents
介護職再就職準備金貸付事業とは
再就職準備金貸付制度とは、都道府県の社会福祉協議会が介護職の再就職を希望する方に貸付を行う制度です。再就職にかかる準備費用を最大40万円無利子で貸し付けるため、再就職時の経済的な負担を軽減し、スムーズな復職を支援する目的で設けられています。
また、再就職準備金貸付制度は、一定の条件を満たすことで最大40万円の貸付を受けることができ、再就職後一定期間働くことで返済が免除される仕組みが特徴です。これにより、介護士として再び活躍するための準備をサポートし、安心して復職できる環境を提供しています。
雇用形態に決まりはないので正職員はもちろん、パートやアルバイトで働くことを考えている方でも利用が可能です。
「貸付」とある通り、再就職にかかる費用を無利子で借りることができるため、再就職の準備に不安を感じている方にとって非常に心強い制度と言えるでしょう。
再就職準備金貸付事業の背景
介護職再就職準備金貸付制度は、介護の仕事に戻りたいけれど経済的な不安を感じている方をサポートするための制度です。介護の現場を離れてから再び働きたいと考える方も多い一方で、再就職にかかる準備や費用の負担が大きな障壁になることがあります。この制度は、そうした方々の再スタートを後押しし、安心して介護の仕事に復帰できるよう設けられました。
この制度が誕生した背景には、介護業界全体における深刻な人材不足が挙げられます。特に経験を持つ介護士の再就職が求められている中、経済的な理由や環境の変化が再就職の障壁となることがありました。そうした課題を解決し、介護現場での人材確保を目指すために、厚生労働省はこの貸付制度を導入しました。
介護職再就職準備金貸付事業の対象者
地域によって条件に多少の違いはありますが、静岡県では次のような条件を満たす方が対象となります。
- 県内の介護保険サービス事業所に介護職員として再就職した方
静岡県内の介護事業所で再就職することが前提です。地元に戻りたい、または地域に根ざした介護を行いたいという方にとって、地元で働ける安心感があります。 - 介護保険サービス事業所で1年以上の実務経験があり、再就職するまでの期間が半年以上ある方
これまでに培った経験を活かして、介護職に戻りたいと考えている方にとって、実務経験が活用できる条件です。また、一定のブランクがあっても問題ありません。 - 以下のいずれかに該当する方
- 介護福祉士の資格を持っている方
- 実務者研修を修了している方
- 介護職員初任者研修等を修了した方
あなたが持っている資格や研修の成果を再び活かすことができる環境が整っています。資格を眠らせたままにせず、自分のスキルを社会に役立てるチャンスです。
介護再就職準備金の貸付条件
事前に静岡県社会福祉人材センターに求職登録を行い、再就職準備金利用計画書を提出した方
再就職に向けた具体的な計画を立て、安心して復職できる道筋をサポートします。
この制度を利用することで、最大40万円までの無利子貸付を受けることが可能です。また、再就職先の介護施設で2年以上勤務すれば、貸付金は全額返済免除となります。これにより、再就職にかかる経済的な負担を大幅に減らし、安心して再スタートを切ることができます。
結婚や出産、育児、病気療養といったライフイベントで一度仕事を離れた方でも、この制度があれば、経済的な心配をせずに再び介護の仕事に戻ることが可能です。「もう一度介護の現場で働きたい」「自分のスキルを再び活かしたい」と思う方には、ぜひこの制度の利用を検討してみてください。
上限金額とその内訳
この制度は介護業界の慢性的な人材不足を背景に2016年に施行されました。
以前は、とくに人材不足が問題視されている首都圏・関西圏と、東日本大震災の被災地など計14都府県のみ上限40万円、それ以外の地域では上限20万円の貸し付けでした。
しかしCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響により、介護人材不足が一層深刻化したため、即戦力となる介護人材をいち早く増やす目的として、最大貸付金額が一律40万円まで拡充されました。
介護の仕事へ再就職する際に必要な費用が対象となっており、下記のようなものが想定されています。
・子どもの預け先を探す際の活動費
・学び直しのための研修への受講費や参考書籍などの購入費
・仕事にかかわる靴や介護ウェアなどの被服費
・転居を伴う場合の費用(敷金礼金、転居費など)
・通勤用の自転車やバイクの購入費 など
生活費などは対象外となりますのでご注意ください。また、貸付ですので返還義務があります。必要な金額を申請するようにしてください。
返済免除の条件
再就職準備金は、貸付ですので返済する必要があります。
ただし、介護職として2年以上継続して働くと、借り入れた金額が全額返還免除になります。
また、最初に再就職した職場を辞めた場合でも、すぐに別の事業所で働き始めれば継続して働いているとみなされます。その際は、勤務先が変更になったという届出をしてください。
再就職後2年未満で他産業へ転職してしまうと、借り受けた費用の返済義務が発生するので注意しましょう。
返還は貸付を受けた翌月から開始されますので、まずは返還猶予申請を行いましょう。下記の書類を提出すると2年間が返済猶予期間になります。
・再就職準備金貸付金返還猶予申請書
・再就職準備金業務従事届(現況報告書・業務従事期間証明書)
2年間、介護職として働いたら「再就職準備金貸付金返還免除申請書」と「再就職準備金業務従事届」を提出すると返還が全額免除になります。また、パートやアルバイトなど非常勤で働いていた方は、「従事日数内訳書」も合わせて提出してください。
介護再就職準備金の申請方法
再就職準備金貸付を受けるときは、復職前から準備がおすすめです。
提出する書類や時期がそれぞれ異なるため、注意して進めていきましょう。
再就職準備金貸付受け取りまでの流れ
都道府県の社会福祉協議会に「離職介護人材 」を届け出
届出は郵送・FAX・ホームページからも可能なため、再就職活動や家事などで忙しい方は、自宅から届出できる方法を利用するといいでしょう。
詳しい届出のやり方は、都道府県の社会福祉協議会の公式ホームページでご確認ください。
再就職する介護保険サービス事業所等を探し
所定の届出を済ませたら介護事業所探しをスタートしましょう。
「実務経験証明書」と「連帯保証人に関する書類 」などを提出
面接等を終えて再就職が決まりましたら、都道府県の社会福祉協議会へ「実務経験証明書」と「連帯保証人に関する書類 」などを提出してください。
都道府県の社会福祉協議会へ「再就職届 」を提出
再就職先で仕事が始まったら、都道府県の社会福祉協議会へ「再就職届 」を提出します。
※再就職届の提出期間は、都道府県によって異なるため確認してください。
就職してから一定期間内に届け出る必要があります。
都道府県の社会福祉協議会が貸付の審査
ここまでの書類を提出することで、都道府県の社会福祉協議会が貸付の審査をします。
「借用証明書 」などの書類を期日までに提出
審査に通り貸付が決まったら、「借用証明書 」などの書類を期日までに提出しましょう。
書類に不備がなければ、無事に貸付金が交付されます。
手続きは復職するタイミングから始まるため、早めに確認しておくといいでしょう。
離職から再就職までの期間を利用して、スムーズに手続きを済ませるようにしてください。
対象者じゃない方向け、介護分野就職支援金貸付事業とは
介護分野就職支援金貸付の対象となるのは、直接介護にかかわる仕事ではなかった方、無資格で働いていた方です。
たとえば、介護保険サービス事業所等で働いていた経験があり、将来的に介護の資格を取得しようと考えていたケースが当てはまるでしょう。
ただし、これらの条件に当てはまる方でも、介護職員初任者研修などの研修は修了していなければなりません。(介護職員初任者研修は介護職に就く方に必要な研修となります)
介護分野就職支援金貸付の対象に当てはまる方は、介護保険サービス事業所等に再就職しており、かつ就職支援金利用計画書を提出することで貸付を受けることができます。
貸付を受けても、再就職先の介護施設に2年以上勤めれば、全額返済が免除となり返済の必要はありません。
具体的な貸付額は20万円以内 で、介護職に復帰するための費用として利用できます。
40代、50代でも再就職出来る。
介護業界は人手不足となっており40代50代の男性も女性も売り手市場のため、介護への再就職はスムーズにできる可能性があります。
今後も高齢者の割合が増えていくため、介護職は足りなくなると予測できます。
このような状況からどの介護施設でも求人数に対して求職者の数が少ない現状となっており、40代や50代の方でも再就職のチャンスがあるでしょう。
介護以外の職業では若手を積極的に採用するかもしれませんが、人材不足の問題がある介護業界なら年齢・性別に関係なく再就職の可能性があります。
再就職先が介護事業所であれば年齢を理由に再就職を諦めてしまう必要はなく、これまで介護職の経験がある方なら、事業所からも求められる人材になるでしょう。
~体験談~
これから介護職へ再就職を希望し、貸付金の申請をしようと考えていても、「難しいのではないか」という不安があるかもしれません。
実際に貸付を利用し再就職に成功された40代の元介護福祉士Fさん(女性)の体験談を紹介しますので、参考にしてみてください。
体験者:40代の元介護福祉士Fさん
子育てもひと段落し、しばらく介護職とは関係のないパートをしていましたが、やはり人とのつながりが深い介護の仕事に戻りたいと思うようになりました。
ただ、介護職への再就職を考えたとき、思いのほかお金がかかることに気づきました。仕事で使う小物を揃えたり、新しい衣類を購入したりで、数万円が必要に。さらに、通勤の利便性を考えて電動自転車も買うことにしました。これが意外と大きな出費でした。
そんなときに再就職準備金貸付制度の存在を知り、すぐに申請して、無事に費用の一部をまかなうことができました。そして、幸運なことに素敵な職場にも出会い、2年以上勤務したことで返済義務がなくなりました。
この貸付制度を利用したおかげで、家計に負担をかけずに再就職ができ、本当に助かりました。再就職には準備金が必要だというイメージがあったのですが、この制度のおかげでスムーズに再スタートを切ることができて良かったです。
先ずは介護職の再就職を検討しよう
紹介した2つの貸付制度が利用できるのは、介護職に再就職した方です。
まずは、再就職活動を始めておきましょう。
しかし、再就職貸付事業の利用には多数の書類の準備が必要で、時間がかかるため、転職コンサルタントを利用して転職活動にかかる作業を楽にすることがポイントになってきます。
転職コンサルタントは無料で利用できるサービスで、以下の支援が受けられます。
- 希望にあった求人を探してくれる
- 女性のコーディネーターは子育てや家事の事情を理解してくれる
- 転職先との調整をしてくれる
- 履歴書や面接対策をサポートしてくれる
介護職に詳しいコンサルタントは、介護の転職事情にも詳しいメリットがあります。
新しい職場の雰囲気が気になる方や、待遇について事業所と交渉したい方は、コーディネーターを利用してみてください。
求人ではわからない情報を引き出すためにも、転職コンサルタントを利用するといいでしょう。
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