介護の現場では様々な介護技術を使って、高齢者が安全に生活をするために、日々介護職は働いています。介護技術は身体介護はもちろんですが、認知症に対するアプローチなど様々なものがあります。ここでは、現場で働くためには必須ともいえる、基本の介護技術についてご紹介していきます。介護職がどのような技術を用いて介護を行っているのかご紹介していきます。
身体介護の介護技術について
身体介護はその名の通り、身体を介護することです。介護の基礎中の基礎であり、介護職の価値は、その身体介護にあるといっても過言ではありません。それでは身体介護の介護技術の基本とはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは①食事介助②排泄介助③入浴介助。この3つに絞ってそれぞれの介護技術についてお伝えします。
食事介助の介護技術について
人は誰しもが食事をとります。しかし、高齢になって自分で食事をとれなくなってしまった場合は介護職からの食事介助を受けて食事をとることになります。介護職としてはどのような技術を用いて、おいしく、安全に食事をとってもらうようにしているのでしょうか?
介護職が食事介助をする際に気を付けるポイントは3つあります。1つ目は姿勢です。食事をとる際の姿勢は食事介助をする上で非常に重要なものです。顎が上に上がっている状態ですと気管が開いて、食道が閉じている状態ですので誤嚥しやすいのです。反対に顎が下がっている状態ですと、食道が開いている状態ですので飲み込みやすいといえます。
2つ目はおいしく食べてもらうということです。目の見えない方も高齢者の中にはいますし、ミキサー食などでどんな食事か見た目だけではわからない場合があります。そのようなときには介護職は、何が提供されているのか、その食事はどの場所にあるのかなど、食事の情報をわかりやすく高齢者に伝えます。ここを丁寧に行うことによって、食欲が増して食事量が増加する方もいます。
3つ目は、誤嚥しないように注意するということです。誤嚥をしてしまうと誤嚥性肺炎になる危険性もありますので十分な注意が必要です。むせた場合はもちろん注意が必要ですが、高齢者の中にはむせずに肺に食材が入ってしまうケースもありますので、しっかりと食べれているか注意しています。食事介助を行う際に一口の量については介護職は最も気を付けるところです。人によっては大きめの一口のほうがスムーズに食べれる場合もありますし、小さめのほうが食べやすいケースもあります。それぞれの高齢者の特徴をつかんで食べてもらっています。
1つ目は姿勢です。食事をとる際の姿勢は食事介助をする上で非常に重要なものです。顎が上に上がっている状態ですと気管が開いて、食道が閉じている状態ですので誤嚥しやすいのです。反対に顎が下がっている状態ですと、食道が開いている状態ですので飲み込みやすいといえます。
排泄介助の介護技術について
排泄介助はおむつ交換やトイレ誘導などがありますが、介護職の基礎的な介護技術はやはりおむつ交換でしょう。おむつ交換は経験がない方には難しいのです。介護職が行う場合は、短時間できれいに行うことができます。まず、介護職がおむつ交換を行う際には、その高齢者の残存機能の活用をします。自分である程度動いてもらうことによって、介護職の体力の負担も少ないですし、きれいにおむつを当てやすくなります。また、介護職はできるだけ高齢者に近づいて介護を行います。一般の方であれば遠くから腕を伸ばしておむつを交換しがちですが、これは腰を痛める要因になります。場合によってはベッドに足を乗せておむつ交換をするほど、身体を近づけます。体を近づけることによって少ない力で大きく動かせれるからです。
入浴介助の介護技術について
入浴は生活にとって必要なものであり、精神的にもリラックスできる時間です。これは介護状態の高齢者も同様で、入浴をして疲れをとることを楽しみにしている方も多くいます。介護職は高齢者を安全に入浴してもらえるように様々な点で介護技術を駆使しています。車いすの方は浴槽をまたぐことができませんので、椅子に座ったまま入れる浴槽を使います。椅子に座ったままといっても、お風呂の中では体が浮いてしまうこともありますので、ベルトで体を固定させたり、場合によっては介護職が高齢者の体を支えて浮かないようにすることもあります。またお風呂は唯一体の状態を全身観察できる場所ですので、身体に褥瘡はできていないかなどのチェックも行い、事前に異常を発見できるように目を光らせています。高齢者の体は悪化する際は変化が速いです。少し前に赤くなっていた部分が数日後には褥瘡になっていることもありますので、きちんと体を見れるときにチェックする必要があります。
認知症の対応 介護技術の基本
介護職が専門性を発揮する分野で、認知症の対応というものがあります。認知症は高齢者に発症する病気であり、物忘れや見当識障害などがあります。介護の知識がない方が認知症の方と接すると様々なトラブルが起きてしまいます。例えば食事を食べたのに「私はまだ食べていない」と認知症の方が言うケースがあります。そのような時に一般の方であれば「さっき食べたでしょう」と言ってしまいがちですが、介護職であれば認知症の特性を理解しているので、そのような言葉がけはしません。「今から作るので、少しお話しましょう」など、認知症の方が落ち着くように対応することができます。認知症はあくまでも病気ですので、その病気に対するアプローチは立派な介護技術であるといえるのです。また、介護職は認知症の方が落ち着くような環境つくりも得意です。認知症の方は短期記憶障害があり、直前のことはすぐに忘れてしまいますが、昔の記憶は覚えています。そのため、家族から昔好きだった音楽や、装飾品などを聞き取り、それを身の回りに置くことによって認知症の方の症状を和らげるように努めるのです。認知症の対応は認知症に対する知識と、認知症の方を対応する介護技術が必要になってきます。
まとめ
介護職の介護技術は、非常に幅広く、一般の方ではできない部分も多々あります。特に高齢者の安全に配慮している介護技術が目立ちますし、継続して介護ができるように、介護職自身の体を守るような介護技術もあります。また、認知症の方の対応など、コミュニケーションなどについても介護技術が発揮される場面ですので、介護職の方の動きだけではなく声掛けなどにも着目してみると面白い発見があるでしょう。