老人ホームでは高齢者が24時間過ごしていますので、それを介護する介護職も24時間体制で対応をしなければいけません。老人ホームで働く介護職はシフト制で日勤や早出、夜勤などを行っています。その中でも夜勤というのはどのような仕事をしているのか気になっている方も多いでしょう。ここでは、実際の介護の夜勤で行う仕事内容についてご紹介していきます。これから老人ホームで働こうと考えている方、夜勤をしたいと思っている方は是非参考にしてみてください。
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介護の夜勤の仕事内容とは
介護の夜勤の仕事内容は様々なものがあり、施設によっても違いはありますが、基本的な部分はほとんど同じです。ここでの夜勤は多くの施設で取り入れられている長時間夜勤を想定してご紹介していきます。まずは勤務時間についてご紹介、そのあと具体的な仕事内容をお伝えします。
夜勤の勤務時間について
夜勤の勤務時間は18時間勤務が多いです。これは、夕方に出勤をしてその日の朝10時頃に帰るという勤務です。17時出勤、10時に退勤という18時間勤務です。1回の夜勤で2日間働くということですので、休憩時間は2時間取ることができます。この2時間は基本的に仮眠時間として設定しているところがほとんどです。専用の仮眠室が与えられて、短時間ですが休むことができます。また2日間の勤務ですの夜勤が終わった日は出勤扱い、翌日が公休になります。そのため、実質的に2連休と考える方も多いですので、日勤を毎日入るよりも、夜勤をしていた方が楽だという人もいます。始業時間も17時からですので、例えば昼過ぎまで寝て、用事を済まして17時に出勤。仕事中2時間仮眠をして10時に退勤、そこから遊びに行って夜に休むという方もいます。時間の使い方次第で自分の時間を多く持てるメリットがあるのです。
夜勤の仕事内容について
夜勤の仕事内容について時系列で詳しくみていきましょう。
16時30分 出勤
少し早めに出勤をして申し送りなどを確認します。
17時 勤務開始
日勤帯からの申し送りを受けます。この際に、熱発者など、夜間帯に注意して対応しないといけない方の確認をしていきます。
17時30分 夕食
出勤をしてからはまず夕食の準備、食事介助を行います。
18時30分 ナイトケア 就寝介助
夕食介助が終われば下膳などを行い、高齢者のナイトケアを開始します。ナイトケアは口腔ケアはもちろん、パジャマへ行為をしたり、おむつ交換などを行います。この時間に日勤帯は退勤して、遅出と夜勤で対応をしていきます。
19時30分 巡視
巡視は2時間に1回行います。異常がないかチェックをしていきます。また随時、ナースコールなどの対応もしていきます。(以後2時間おきに見回り)
20時00分 夕食
職員の夕食の時間になります。夜勤者同士で食事をとることもありますし、別々で取ることもあります。
21時00分 その他の業務
この時間帯でおむつなどの物品を補充したりします。洗濯をしてくれるパートさんがいるのであればよいのですが、いない施設の場合は夜間帯で洗濯を行ったりすることが多いようです。
22時00分 ナースコール対応(例)
シーツまで便失禁された方からナースコールがありました。日勤帯では複数で対応ができますが、夜間帯は一人で対応をしなければいけません。シーツ交換まで行いましたので30分間対応に追われました。
23時00分 仮眠
夜勤者が仮眠に入る時間です。老人ホームでは複数の職員が夜勤をしていますので、一斉に仮眠に入ることはなく、交代で入っていきます。
0時 おむつ交換
これも施設によって違いますが、私が働いていた施設ではこの時間帯におむつ交換をしていました。尿量が少ない方は交換をしなくても良いのですが、尿量の多い方の場合はこの時間に交換をしないと朝まで持ちませんでした。
1時~4時 ナースコール対応と見回り
5時00分 おむつ交換 モーニングケア
5時ごろから再度オムツ交換を行い、起床の準備を徐々に進めていきます。着替えたり、歯磨きをしたりなど、それぞれに対応をしていきます。
6時00分 早番が出勤 離床介助
早番が出勤をした時点で起床介助をしていきます。その後、朝食の準備を行います。
7時00分 朝食介助
食事介助を行っていきます。
8時00分 おむつ交換
夜勤帯で最後のおむつ交換になります。
9時00分 申し送り
日勤者に申し送りをしていきます。申し送りが終われば記録を書いたり、入居者とコミュニケーションをとるなどして退勤時間まで過ごしていきます。
10時00分 退勤
このような形で夜勤は終わります。ナースコールが多ければそれだけ忙しいですし、ナースコールが少なければ、ある程度自分のペースで仕事ができますので、そこまで疲れないといえます。また、施設によって入居者の数や職員の数が違います。もちろん入居者の数が少なく、職員の数が多いと業務の負担は少ないといえます。
看護師の有無で負担が変わってくる
特養では看護師の夜間帯の配置義務はありませんので、夜間帯は看護師がいないところがあります。しかし、最近では看取りケアなどを実施するところも増えてきていますので、看護師を配置するところが増加してきています。看護師が夜間帯にいるかいないかで仕事の負担は大きく変わっていきます。特に急変などがあった場合、看護師がいないと介護職で対応をしないといけませんので、非常に大変だといえるでしょう。このように夜勤の仕事内容を紹介すると辛いと思いがちですが、夜勤は辛いだけではありません。夜勤の勤務をうまく使って自分の時間を持つ職員もいます。それでは、夜勤帯ではどのようなことができるのでしょうか?
資格勉強ができる
夜勤は常に動いている訳ではありません。入居者が寝ている間は特に仕事はないのです。そのため、夜勤帯で資格の勉強をしている方もいます。特に介護職の場合は介護福祉士やケアマネージャーの資格勉強をしている方もいます。
入居者とコミュニケーションをとれる
夜になかなか寝れない入居者もいます。そういった方に対しては睡眠を促しますが、どうしても寝れない場合があります。そのような時に時間を使ってコミュニケーションを取るのです。意外な一面や今後のケアのヒントになるようなお話を聞けます。
まとめ
夜勤の仕事は大変だと思いがちですが、通常であれば入居者は寝ている時間ですので、そこまで辛くはありません。しかし、認知症の方が多い施設であれば、夜間のナースコール対応も大変になってしまいます。また、看護師の有無によっても負担が随分変わっていきますので、もし夜勤をしたいと考えるならばそのような部分にも注意して行うようにしましょう。