この記事では、働きながら取得できる介護業界の資格と介護福祉士資格が転職に有利に働く理由について解説します。介護業界の資格を持っていることのメリットや取得しておきたい介護資格の種類や内容、介護資格取得の方法や流れについてお伝えします。その際に利用したい転職コンサルタントのメリットも紹介します。
Contents
介護資格の取得は転職に有利?
介護業界の仕事をするなら介護資格があった方がメリットは多いものです。
では、どのような介護資格なら、働きながら取りやすいのでしょうか?
また、介護資格取得のメリットや有資格であることの待遇の違い、就職活動のしやすさについても解説します。
まず、介護業界の仕事をするにあたって取得しておきたい介護資格は3種類。
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修、介護福祉士です。
介護資格を有していることで介護職としての知識や技術に対する信頼感が生まれます。
そのため、就職活動にも有利に働くことがあります。
求人の中には有資格であることが条件だったり、現在の職場においても介護資格を取ることで資格手当がついたりすることも。
介護資格を取るための勉強は介護職としての自信にもつながるでしょう。
無資格ではできない仕事もあります。
介護資格を持っていることで仕事の幅が広がり、またキャリアアップにつながるなど、メリットは少なくありません。
今後も介護業界の仕事を続けていく、あるいは転職でキャリアアップを目指すなら、介護資格取得を検討するとよいでしょう。
働きながらでも取りやすい介護資格
介護資格は欲しいけれど勉強のために仕事を休めない、という場合もあるでしょう。
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修は、働きながらでも取りやすい資格です。
それぞれの特徴や取得するまでの流れについて解説します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識や技術を習得できる資格です。
介護職を続けていくための第一歩ともいえる資格。
介護未経験者でも取得しやすいのがメリットです。
カリキュラムは130時間。
介護における尊厳について、介護・福祉サービスや医療連携、老化や認知症、障がいについてなどを学ぶほか、排せつの介助や入浴・清拭の介助、ベッドでの体位交換などの実技を習得します。
受講方法は通信と通学があるので、自分に適した方法を選びましょう。
自宅学習・通学で勉強し、カリキュラムを修了→修了判定→修了試験(筆記)→修了認定・証明書の発行という流れで資格取得ができます。
ただし、通信のみでは取得できません。
介護職員初任者研修は実技の実習があるので、スクーリングとの併用になります。
通学での資格取得の場合は、土・日だけ受講できるなどのコースがあるスクールを選ぶとよいでしょう。
通信と通学を併用する場合は、通信で受講できる内容を自宅で勉強・習得できるので、効率的に勉強でき、最短1ヵ月程度で修了できるケースもあります。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護の現場でより質の高いサービスを提供するため、実践レベルでの知識や技術を学べる資格です。
そのため、介護職員初任者研修より難易度が高くなります。
国家資格である介護福祉士になるには、この介護福祉士実務者研修の資格と実務経験3年が必要です。
将来、介護の仕事を専門的にしていきたい場合や管理職などを目指すなど、キャリアアップを考慮しているなら取得しておきたい資格です。
受講資格は特にありません。
未経験者でも資格がなくても受講可能です。
ただし、介護の資格を持っていれば受講時間が免除できる部分があったり、介護職員初任者研修などで基礎を学んでいた方が研修内容がわかりやすかったりします。
カリキュラムは450時間(介護職員初任者研修の有資格者は320時間)。
受講期間は6ヵ月~1年間が目安です。
自宅学習・通学で勉強し、カリキュラムを修了させます。
介護福祉士実務者研修は必ず試験があるわけではなく、スクールによって試験を実施する場合と試験なしでカリキュラムを修了すれば資格取得となるケースがあります。
通信と通学で学習可能ですが、通学が必要な科目があるので、通信の場合でもスクーリングが必要です。
転職で有利な介護福祉士資格
介護福祉士は国家資格で、介護福祉士実務者研修の上位に位置します。介護の実務経験が3年以上の職員は、介護福祉士の受験資格を得ることができます。介護福祉士は、サービス利用者の身体・精神のケア、他の介護スタッフに対する教育指導、責任者としての役割を担うことができる人材です。
介護福祉士は「介護のプロ」
介護福祉士は介護職のなかで唯一の国家資格であり、介護の知識や技術を証明するものです。資格保持者の中でも特にレベルが高い人材とみなされ有利になります。介護業界は未経験者でも就職が可能ですが、人手不足な職場では即戦力として、教育コストがかからない経験者を優先して採用したい施設も多いです。
介護福祉士は頼りになる
介護福祉士は、職場の介護スタッフの指導役を担当することもあります。
また、研修を修了すれば喀痰吸引や経管栄養のケアが行えるのも有利な点。介護の現場ではどちらも非常にニーズが高く、要介護度が高い施設などの転職の際には優遇され、転職の選択肢も広がります。
介護福祉士の就職先
介護施設には、有料老人ホーム・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホーム・デイサービスなどがあります。デイサービスは日勤のみですが、基本的には夜勤が含まれる働き方です。
有料老人ホームや特別養護老人ホーム
有料老人ホームや特別養護老人ホームの利用者様は要介護度が高く、食事、入浴、排泄の介護を提供します。
介護福祉士は、職場の管理責任者の役割を担い、他の介護職員を教育指導・アドバイスを求められます。
介護老人保健施設
要介護1以上の利用者が入所している施設で、リハビリテーションを目的としています。
病院に併設されていることが多く、医療体制が整っている点、定期的に利用者さんが入れ替わる点が特徴です。
訪問介護事業所
訪問介護事業所とは、介護が必要な方のお宅を訪問し、日常生活上の介護サービスを提供する事業所です。
利用者さんの心身状態・生活状況に応じ、身体介助や生活援助を行います。
介護福祉士は介護を提供するヘルパー、もしくは責任者としてヘルパーの勤務管理、介護サービスの品質管理を行う役割を担うことがあります。
障害者施設
障害者施設では、自宅で生活を継続することが難しいハンデのある方を対象に暮らしの場の提供と、生活上の支援を行います。職場によっては子どもなど高齢者以外の利用者と関わることもあります。そのため、高齢者に限らず幅広い年齢層の方のサポートしたいという場合に向いているでしょう。
身体介助や生活援助の他、外出の付き添いなど、利用者さん一人ひとりの自立に向けた支援を行います。
介護福祉士資格を取得するためには
今回は働きながら介護福祉士を目指す場合をご紹介します。
先にもお伝えした通り、介護福祉士の受験資格を得るために必要な実務経験は、3年以上かつ540日以上。
そして介護福祉士実務者研修を修了していることが条件です。
以上の条件を満たした場合、介護福祉士資格を取得する為の試験内容は筆記試験のみです。
介護福祉士資格試験を合格する為の条件には
1.総得点125点の60%程度以上を獲得(難易度によっては補正)
2.11科目すべてで最低1問以上の正解がある
合格ライン以上の点数を獲得すること以外に、11科目すべてで最低1問の正解が求められます。合格ライン以上の点数を取れていても、0点の科目がある場合は不合格となってしまうため注意しましょう。
学校へ通う費用がかからず、実務を行いながら資格取得を目指すことができるので、地道に試験対策に取り組みましょう。
介護福祉士の難易度
厚生労働省「第33回介護福祉士国家試験合格発表」によると、令和2年度の介護福祉士の合格率は71.0%でした。合格率が高いことから比較的難易度は低めと言えるでしょう。
現に、過去の合格率を見ると、69.9%〜73.7%と高い合格率で推移しています。
国も人材不足が深刻な為、介護福祉士含め、介護業界で働く人材を増やしたいという意図を持っています。
その為、今後も合格率は高いまま維持されることが期待できます。
とはいえ、介護福祉士試験は、勉強を疎かにして合格できるような簡単な資格試験ではありません。
介護に関する知識を基礎から学び、国家試験に合格するほどの力を身につけるためには、
働きながらでもできる、無理のない計画を立てて、試験対策を行いましょう。
出典
厚生労働省「第33回介護福祉士国家試験合格発表」(2021年07年26日)
介護資格を取る転職以外のメリット
転職でも保有していると有利な介資格。
転職に有利なこと以外にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは介護資格取得のメリットを紹介します。
安定して働ける
人材不足の介護職は景気の動向に左右されず安定して働くことができます。
国内外の経済動向によって業績が悪くなることで給料が下がる、ボーナスが無い、最悪リストラされるような業界がありますが、介護職は景気の影響を受けにくく、
介護が必要な人がいる限り、存在し続ける職業でしょう。
失業しにくい
仮に人員削減の為、リストラやシフトを減らすなどの取組みが行われる場合、介護資格を持っていると対象から外れる可能性が高いです。
リストラやシフトを減らすなどはパートタイム、派遣社員など非正規労働者や、無資格者が対象となることが一般的だからです。
介護福祉士を保有し且つ正社員であれば、リスクを回避することができます。
将来性の見通しもある
現在の日本は少子高齢化がどんどん進み、介護を必要とする高齢者や一人暮らしの高齢者は今後も増えていきます。
そんな中、厚生労働省は「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」において、2040年度には約280万人の介護職員を確保する必要があると発表しています。
今後も介護業界の人材はますます求められ、将来性があると言うことができます。
ライフステージに合わせて就業
介護職はシフト制が多いため、自分のプライベートにも合わせた勤務時間帯を選べます。
例えば、出産後子供の保育園の時間に合わせ時短勤務で働き、子育てが一段落したら正社員としてフルタイム勤務。
年齢も中には60歳を超えて再就職した職員もいるので、復帰するタイミングも自分次第です。
このように、介護業界は自分のライフステージに合わせて働き方を選ぶことができ、再就職することも比較的簡単です。
人から感謝される仕事
介護業界で働いていると、利用者や家族からお礼をもらう機会がたくさんあります。
介護施設などに入所する利用者の多くは、自立した生活を送ることが難しい方です。
介護職員は利用者に寄り沿った介護を提供すること、日頃のコミュニケーションを通して、生活意欲を引き出す手助けも行っています。
自身の提供する介護サービスや、会話、人としての関わり、思いやりによって、利用者に頼られ、感謝してもらえたりします。
介護資格と給料・待遇について
介護資格がある場合と資格がない場合、給料や待遇面などのほか、仕事内容や職種、転職のしやすさなどにも違いが生じます。
給料の面においては、以下の表を参考にして見てみましょう。
職種 | 平均給与額(月額:円) |
介護福祉士 | 329,250 |
社会福祉士 | 353,020 |
介護支援専門員 | 368,030 |
実務者研修 | 303,230 |
介護職員初任者研修 | 301,210 |
参考:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 P166(第99表 介護職員の平均給与額)
介護資格保持者の平均給与は月額318,150円です。
また、介護福祉士の平均給与は329,250円です。
保有資格がない場合は以下の金額になります。
保有資格なし | 275,920 |
参考:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 P166(第99表 介護職員の平均給与額)
有資格者と比べると月給の平均は42,230円も違います。
給与の高い介護支援専門員と資格なしの場合では、92,110円も低くなってしまいます。
有資格者には資格手当や職務手当などがつくため、収入も高くなるのです。
介護資格があれば介護に関する知識や技術、経験などにおいて信頼度が高くなり、即戦力となるため採用されやすいというメリットも。
求人の中には資格がないと応募できないものもあります。
また、無資格の場合、食事の支度や掃除、洗濯や買い物といった仕事はできますが、体位交換や入浴、衣服の着脱など利用者の身体に直接触れる仕事は有資格者が行うケースが多いものです。
介護資格がない場合、身体介護においては有資格者のサポートということになります。
やりがいを求めるなら介護資格を取得し、より専門的な知識や技術を身につけることが必要です。
仕事内容の制限があるだけでなく、介護資格がないと管理職やリーダーなどになれない可能性も高いです。
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働きながら資格を取得するには、職場のサポートも必要です。
中には、受講費援助など資格取得のためのサポートをしてくれる職場もあります。
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しかも無料で利用できるのですから、使わない手はありません。
まとめ:介護資格取得はキャリアップにも繋がる 積極的な挑戦を
介護の仕事をする際、資格を持っていると資格手当や職務手当などがつき、給料やボーナスのアップが期待できます。
無資格では応募できない求人もあり、仕事の幅も制限されてしまうものです。
介護の仕事を続けていきたいなら、介護の基本を学べる介護職員初任者研修の資格を取得しましょう。
さらに専門的な知識や技術を身につけたい、またキャリアアップを目指したいなら、介護福祉士実務者研修を受講するのがおすすめです。
どちらの資格も働きながら取得することができます。
できるなら資格取得を支援してくれる職場を見つけるのがおすすめ。
その際は、転職コンサルタントの力を借りると効率的に、要望に合った職場を見つけられるでしょう。