第36回介護福祉士国家試験の筆記試験は、令和6年1月28日に実施されました。
この記事では、2024年3月25日に結果が発表された第36回(2023年度)介護福祉士国家試験の合格率や合格ラインのほか、合格後の免許申請手続きについて解説します。
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第36回介護福祉士国家試験合格発表日程
2024年における介護福祉士国家試験の筆記試験は、1月28日(日曜日)に実施されました。
合格発表までの日程は、以下のとおりです。
【第36回試験の日程】
筆記試験 | 令和6年1月28日(日曜日) |
実技試験 | 令和6年3月3日(日曜日) |
合格発表 | 令和6年3月25日(月曜日)14時※ |
※合格発表の結果は、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターのホームページから確認できます。
第36回介護福祉士国家試験 速報
2024年1月に実施された介護福祉士国家試験の受験者数は、7万4,595人でした。(社会福祉振興・試験センターの速報値より)
これは前年の7万9,151人を下回っています。
直近5年間の合格者数や合格率は、以下の通りです。 参考にしてみてください。
試験実施年 | 合格者数 | 合格率 |
2019年(31回) | 94,610人 | 73.7% |
2020年(32回) | 84,032人 | 69.9% |
2021年(33回) | 84,483人 | 71.0% |
2022年(34回) | 83,082人 | 72.3% |
2023年(35回) | 79,151人 | 84.3% |
●厚生労働省.「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」.令和5年,2023
https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001073942.pdf
配点と合格ライン
■筆記試験の配点は、1問1点の125点満点です。
合格基準は、以下の2つを満たしていることです。
- 総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上を取得していること
- 以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点していること
- 人間の尊厳と自立、介護の基本
- 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
- 社会の理解
- 生活支援技術
- 介護過程
- こころとからだのしくみ
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- 医療的ケア
- 総合問題
■実技試験の合格基準は、以下の通りです。
課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上を取得していること
合格後の申請手続き
試験合格者には、合格証書と登録申請書類が郵送されます。
必要書類と一緒に、速やかに社会福祉振興・試験センターへ郵送しましょう。
試験センターが受理してから約1ヶ月程度で登録証が発送されます。
介護福祉士の登録に必要な書類は、以下の通りです。
- 登録申請書:郵便局などで収入印紙9,000円分を購入し貼付する
- 振替払込受付証明書(お客さま用)の原本:郵便局で登録手数料3,320円を払い込み、貼付する
- 以下のいずれか1通(戸籍抄本の原本、戸籍の個人事項証明書の原本、「本籍を記載した」住民票の原本)
- 外国の国籍の方は、「国籍等を記載した」住民票の原本など
登録証交付までの流れ
ここでは、合格通知到着後から登録証交付までの全体の流れを解説します。
- 合格通知書が自宅に届く
- 必要書類などを簡易書留にて郵送する
- 試験センターが内容を確認し受理する
- 提出書類に不備などがなければ、1ヶ月程度で介護福祉士の登録証が届く
資格登録にかかる費用
登録申請書に添付する「収入印紙9,000円」および「登録手数料3,320円」合計12,320円が必要です。
静岡県内の受験会場
介護福祉士の受験会場については、受験票に記入されています。
インターネットでは非公開ですが、静岡県で試験会場になる施設は「ツインメッセ静岡」であることが多いです。
受験会場への行き方は、事前に確認しておく必要があります。
公共交通機関以外は使用できないので、電車やバスの時刻を確認しておきましょう。
静岡県の介護福祉士の平均年収
静岡県のホームページによると少し古い資料ですが、平成22年、静岡県における福祉施設介護員(勤続約5年)の年収は、300万円台半ばでした。しかし静岡県では、介護職員の賃金向上への取り組みを進めています。27歳で介護福祉士の資格を取得し月額20万円、35歳係長で30万円、42歳課長で35万円、52歳施設長で40万円といったキャリアパス基準を提示しています。
●Q4 給与体系や平均給与について教えてください。|静岡県公式ホームページ (pref.shizuoka.jp)
キャリアパスと平均給与
介護福祉士の資格は、介護業界で唯一の国家資格です。介護業界においては、上位資格と言えます。
しかし資格取得はゴールではありません。
施設長やケアマネジャーなど新たな職種や資格にチャレンジする人も多くいます。
ここでは、介護福祉士の資格取得後のキャリアパスとその平均給与を紹介します。
職種 | 特徴や平均給与など |
認定介護福祉士 | 介護福祉士の上位資格として創設された民間資格。公式なデータはないものの、介護福祉士の平均給与が328,720円 なので、それ以上の給与が期待される。 |
ケアマネジャー | 平均給与は361,770円。介護支援専門員の資格取得が必要。在宅で生活する高齢者を支援する居宅介護支援事業所で勤務する場合と、特別養護老人ホームなど施設で勤務する場合がある。施設ケアマネジャーの方が、処遇改善手当などが支給されるため、平均給与は高い傾向にある。 |
施設長・管理者 | 令和元年のデータでは、平均給与355,425円となっている。施設や年齢によっても大きく異なる。 |
●厚生労働省.「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.322) 」.令和5年,2023
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf
●厚生労働省.「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(P.119)」.令和5年,2023
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf
●公益財団法人 介護労働安定センター.「令和元年度「介護労働実態調査」の結果(P.10)」.令和2年,2020
https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2020r02_chousa_kekka_0818.pdf
まとめ
今回は、第36回介護福祉士国家試験の合格発表速報について解説いたしました。
介護福祉士の資格取得後には、上位資格の取得や施設長、ケアマネジャーを目指すなどのキャリアアップが期待できます。
介護福祉士は介護分野における専門的な知識・技術を持っている証なので、転職活動にも非常に有利です。
介護福祉士の資格取得をきっかけに、生活相談員や管理職を目指すために勤務する施設を変える人も少なくありません。
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