グループホーム施設長の平均年収はいくら?給料アップの秘訣と仕事のやりがい

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グループホーム施設長 年収 画像

 

グループホームは認知症の高齢者が少人数で共同生活をおこなう施設です。そこでの暮らしやサービスの質は施設長のリーダーシップや運営方針が大きく関係するといっても過言ではありません。

この記事では、グループホームの要となる施設長の業務の実態だけではなく、平均年収の実態や給料アップの秘訣にまで踏み込みつつ、そのやりがいについても紹介します。

 

グループホーム施設長の平均年収と月収相場


グループホーム施設長の役割は、事業の運営管理はもちろんご利用者ケア・職員の管理、関係機関との連携や緊急時の判断など多岐にわたります。
つまりその役割は、施設の責任者にとどまらず、小規模で地域密着型の特徴をいかした「ご利用者、スタッフにとって安心して過ごせる施設づくりの中心的な存在」といえます。

この章では、厚生労働省などの公的データを参考にしながら、グループホーム施設長の平均年収や月収相場について具体的に解説していきます。

 

グループホーム施設長 平均年収の目安

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」では、グループホーム施設長の平均給与は月363,620円(金額には、基本給だけでなく各種手当や賞与を月額換算した一時金も含む)となっています。

 

この平均月収をもとに年間で換算すると、グループホーム施設長の平均年収は約436万円となります。

 

なお、施設の規模や運営法人によって賃金には差があります。大きな法人では役職手当や業績手当が充実していたり、他の職務と兼務していたりする場合は、平均年収よりも高いところがあります。

<参考:令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果,p143|厚生労働省

 

月給・手当の内訳

介護職員の処遇改善をおこなう上で、国が基準としている平均給与額は基本給(月額)と手当、そして賞与等一時金です。ただし、基本給には通勤手当、扶養手当、超過労働給与額等は含まれていません。

 

内訳を具体的に見てみましょう。

手当は賞与などの構成については「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)|社会保障審議会資料,p15」の給与構成比をもとに計算しました。

 

  • 基本月収 207,000円
  • 管理者手当(処遇改善含む) 105,000円
  • 賞与のひと月割分 51,000円

 

<参考:令和7年度介護職員等の職場環境や処遇に関する実態調査の結果について(速報版)

 

他の施設形態の施設長との年収比較


介護施設の施設長といっても、入所施設はグループホームだけではありません。

この章では入所施設である特別養護老人ホームと介護老人保健施設のそれぞれの特徴、そして施設長の年収を比較し、その差異について分析してみます。

 

特別養護老人ホームの施設長との年収差

それぞれの施設概要と施設長の平均月収は表のとおりです。

特別養護老人ホーム施設長 グループホーム施設長
施設概要 要介護3以上の重度要介護者が長期入所できる施設 要介護2以上の認知症高齢者が共同生活しながら過ごす施設
平均月収 436,850円 363,620円

<参考:令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果,p143|厚生労働省

月収を比較すると、特別養護老人ホームの施設長の方が、グループホーム施設長より約7.3万円(20.1%)ほど多いことが分かります。

 

主な理由として次の3つが考えられます。

  • 特養は定員規模が大きく、実態として法人全体の管理をしているケースが多い
  • 重度者のご利用者が多くいるため、医療・看護連携など運営責任が重い
  • グループホームは小規模運営が中心であり、単独では報酬が限られている

 

介護老人保健施設の施設長との年収差

それぞれの施設概要と施設長の平均月収は表のとおりです。

介護老人保健施設長 グループホーム施設長
施設概要 介護とリハビリにより在宅復帰を支援する介護施設 要介護2以上の認知症高齢者が共同生活しながら過ごす施設。医療職の配置義務はない。
平均月収 420,010円 363,620円

<参考:令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果,p143|厚生労働省

老健の施設長のほうが、グループホーム施設長より5.6万円(15.5%)多いことが分かります。

 

主な理由として次の3つが考えられます。

  • 老健の施設長は原則医師であるため、給与設定が高い
  • 老健は施設規模が大きく医療スタッフが多いため基本単価が高い
  • 加算次第で高い報酬を確保できるため、人件費に充てることができる

 

 

グループホーム施設長が年収を上げるためのポイント


施設長という立場になったからといって、「これ以上はなかなか賃金が上がらない」と収入アップをあきらめる必要はありません。実際、介護業界全体では介護報酬の大幅な増加が見込みにくく、突然収入が上がることは考えにくいでしょう。

しかし、そのような中でも、施設長としての経験や強みを活かしながら、年収を伸ばしていく方法は十分にあります。

この章では、施設長としてできるキャリアアップや経験を活かして年収をあげるためのポイントを紹介します。

 

資格手当

グループホーム施設長に従事するにあたって必要な資格はとくにありません。開設者や管理者が受講すべき研修はありますが、資格とは性質が異なります。

 

資格手当は、施設によって介護福祉士や介護支援専門員を取得すると給与に上乗せするところがあります。社会福祉振興・試験センターが有資格者を対象におこなった調査等によると、月平均の資格手当として社会福祉士は10,000円、介護福祉士は9,000円、介護支援専門員は14,000円が支給されているという実態が分かりました。

 

資格手当は職種や経験年数に関係なく支給されることが多いので、条件や金額など確認して、チャレンジすることも年収アップのひとつです。

 

<参考:「令和3年就労状況調査」|公益財団法人社会福祉振興・試験センター

 

兼務

グループホームの運営基準では、施設の管理者は業務に支障がない場合、施設内の他の職務にあたったり、他事業所の職務を兼務することができる、と明記されています。

 

ところが、以前から「支障がない場合」という表現が主観的に、もしくは抽象的に解釈されることがあったため、令和6年3月に解釈通知が出され具体的な事例が示されました。

 

「支障がない場合」とは次のとおりです。

  • サービスの質が担保されること
  • ご利用者対応を適切におこなえること
  • 職員への指揮命令ができること
  • 緊急時対応が可能であること

 

これらを踏まえると、グループホーム施設長は同じホームの介護職員や併設事業所の管理者も兼務することが可能ということです。ですから、介護職を兼務して夜勤手当を得たり他部署を統括する管理者手当を上乗せするなど、資格や経験を活かした役割を担うことで、収入アップを目指すことができます。

 

<参考:人員配置基準等(介護人材の確保と介護現場の生産性の向上)|社会保障審議会介護給付費分科会(第223回)>

 

実績による賞与

施設長であっても、実績や施設運営の評価で賞与のアップにつながる可能性があります。最近では、勤続年数だけで給与額が決まるのではなく、施設運営への貢献度で評価する施設も増えてきました。

たとえば、稼働率アップや加算取得への取り組み、職員定着率の向上や事故防止など、施設運営に直結する成果を評価対象としているケースがあります。とくに施設長は、現場対応だけでなく「施設全体を安定して運営できているか」が重視されるため、数字や実績として成果を示せる人ほど評価されやすいといえるでしょう。

また、職員のキャリアパスや働きやすい職場づくりに力を入れ、離職率の低下につなげている施設長も高く評価されることがあります。介護業界では慢性的な人材不足が続いているため、人が辞めにくい職場をつくれる施設長は、施設にとって非常に価値の高い存在といっても過言ではありません。

 

一方で、人事考課制度を導入していても、「施設長の評価基準が分かりにくい」「仕事の内容が見えないので評価しにくい」といった課題もあります。そのため、給与アップを目指すには、日々の努力だけでなく、自ら成果を数値や改善結果として見える化し、周囲に伝えていくことも重要になります。

施設長は「役職が上がったら給与が固定される職種」ではありません。大規模な法人では、施設長でも他部署への異動はもちろん、降格処分になることもあります。

 

施設の管理者として運営スキルやマネジメント力、加算への理解、人材育成力などを高めることで、より良い条件や評価を得られるよう努力を怠ってはいけません。

 

転職

今の職場で賃金アップや処遇改善などが見込めない場合、思い切って転職するのも年収アップの方法のひとつです。

近年は介護人材不足を背景に、経験豊富な管理者への待遇改善も進んでおり、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を持っていたり、管理者としての経験がマネジメントスキル保持者として重宝されたりするケースもあります。

 

介護労働実態調査 調査結果画像

<図:令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について,p28

 

このグラフは、令和5年度「介護労働実態調査」結果(介護労働安定センター)で前職も介護職だった人が、なぜ離職したかを尋ねたデータです。最も多い「人間関係」に次いで、「施設の運営のあり方」や「他に良い職場があった」という理由が上位に来ています。

 

ここから見えてくるのは、「介護の仕事そのものを辞めたい」のではなく、現在の職場の人間関係や運営方針、待遇面などに不満を感じ、別の施設へ転職している人が少なくないという実態です。実際、介護業界は慢性的な人材不足が続いており、経験のある職員を求める施設は多く存在しています。つまり、転職によって職場環境や処遇が改善されるケースも珍しくないのです。

 

とくに施設長経験者は、現場経験が長いだけでなく、介護保険制度への理解や運営基準への対応、人材育成や行政対応など、幅広い知識と経験が保障されています。このような実務能力を持つ施設長経験者は、どの施設でもすぐに育成できるわけではないため、転職市場でも即戦力として高く評価される傾向があります。

 

これまで培ってきた経験や運営スキルを必要としている施設は多く、より自分に合った環境や条件を求めてキャリアを広げていくことも十分可能だといえるのです。

 

グループホーム施設長になるための要件


運営基準では、グループホーム施設長の要件として「3年以上認知症の介護従事経験」と「厚生労働大臣が定める研修を修了した者」と定めています。

この章ではこれら二つの要件「定める研修」「介護従事経験」について詳しく紹介します。

 

「認知症対応型サービス事業管理者研修」の修了

厚生労働大臣が定める研修は認知症対応型サービス事業管理者研修です。この研修は都道府県や政令指定都市などの自治体が実施する研修で、グループホーム施設長に従事するためには、必ずこの研修を修了しておかなければなりません。

研修の内容は認知症ケアの理解や地域密着型サービスの運営基準、職員の労務管理や家族や地域との連携などで、受講にはおおむね2日間・12時間程度のカリキュラムを終えることと、そして5,000円~15,000円程度の費用が必要であることを事前に理解しておきましょう。

なお、この管理者研修は事前に認知症介護基礎研修、認知症介護実践者研修の受講を終えておくことが要件となっています。

 

認知症対応型サービス事業管理者研修 解説画像

<図:東京都認知症介護研修の体系図をもとに筆者がアレンジ>

 

なお令和3年からは、急な管理者交代により新管理者が研修を受けていなくても、市町村からの推薦を受けて研修を修了することが確実に見込まれる場合は、管理者に従事できる緩和措置がとられています。

<参考:認知症対応型共同生活介護|社会保障審議会介護給付費分科会(第218回)

 

現場経験3年以上

もう一つの要件は介護職に従事した経験が3年以上あることです。運営基準では具体的な事業所名を示し、現場経験を定義しています。

 

管理者は、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンター、老人保健施設等の職員又は訪問介護員等として、3年以上認知症高齢者の介護に従事した経験を有する者等適切な指定認知症対応型共同生活介護を提供するために必要な知識及び経験を有する者であることが必要である。

<引用:「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」の一部改正について(老企第三十五号)

 

グループホーム施設長は、これらの要件が必要なため、いつでも、誰でも従事できるものではありません。すぐに施設長になる予定がなくても管理者研修の受講者を一定数確保しておくことは、急な施設長の欠員や異動が生じた際に、素早く新施設長を配置できるメリットがあります。

また、現場経験に加えて運営や人材育成の視点を学べるため、キャリアアップの一つとして将来的に役立つだけでなく、現場リーダーや主任職としての視野を広げる機会にもなります。

 

まとめ | グループホーム施設長のやりがいと大変さ


認知症ケアの専門性を追求できる

グループホーム施設長は、特養のような大規模施設と比べ、より現場に近い距離でご利用者と関われることが大きな特徴です。ご利用者、スタッフ一同で行事を企画したり、何気ない日常を共に過ごしたりしながら、一人ひとりに寄り添った支援を実践できます。

また、認知症の症状や対応方法についてもスタッフと一緒に考え、より良いケアを模索していく過程には、認知症ケアの専門職として大きなやりがいがあります。

 

アットホームな環境を作れる

グループホームは、9人以下の定員でキッチンや居間などを共有し、一つの家のような空間で過ごす点が特徴です。そのため施設スタッフは、家庭的な雰囲気を大切にしながら、ご利用者一人ひとりに寄り添った介護をおこなっています。

 

施設長として、グループホームがもう一つの我が家のようなあたたかい場になるよう、ご利用者やスタッフとの日々の関わりを大切にし、安心して過ごせる環境づくりを楽しめることは、特権の一つなのです。

 

緊急時の対応が求められることも

ご利用者の体調が急に変わったり、突然のスタッフの休みでシフト調整が必要になったりすると、施設長はその場で判断や対応を求められることがあります。

 

「この対応でよかったのか」「ご利用者やスタッフにとって一番よい方法だったのか」と、不安になる場面も少なくありません。

 

そんな時でも、普段からご利用者一人ひとりの思いを大切にし、スタッフとの信頼関係を築けていれば、冷静に対応できたり、周囲の協力につながったりすることで、リスク回避することができます。

 

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