介護職の転職失敗事例を踏まえて、介護士が転職で失敗しないためのポイントやコツ、注意点を解説します。転職をする際に認識しておきたいことや確認ポイント、転職を成功させるための転職コンサルタントの活用、また異業種への転職のメリット・デメリットについてもお伝えします。
Contents
介護職は転職しやすい職種?
介護業界では、急速な高齢化と慢性的な人手不足が背景にあり、転職市場において「売り手市場」とされています。
厚生労働省が公表している「有効求人倍率(介護関係職種)の推移」によると、令和3年の介護関係職種の有効求人倍率は3.65倍(常用・パート含む)であり、全職業の平均倍率1.03倍を大きく上回っています。
このデータからも、介護業界では就職希望者に対する企業の採用枠が圧倒的に多いことがわかります。
介護業界で役立つ資格としては、介護福祉士や介護職員実務者研修、介護職員初任者研修などが挙げられますが、介護の仕事に就く際にこれらの資格が必須というわけではありません。実際、多くの求人では未経験や資格なしでも応募可能であり、異業種からでも転職しやすい業界です。
介護業界への転職を検討している方にとって、資格の有無にかかわらず多くの選択肢があり、さらには職場でのスキルアップやキャリアパスも期待できる環境といえます。
【参考】:厚生労働省|有効求人倍率(介護関係職種)の推移 https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/01-01-02-39.html
「介護業界で転職を繰り返す」人、5つの失敗事例
「転職しやすい」介護職であっても、どんなことにも失敗はつきものです。
「いつも転職で後悔している」「転職で失敗したくない」とお考えの方は、参考にしてみてください。
①通勤時間で職場を選んで失敗
「家事の時間を確保したい」「子どもの送迎がある」といった通勤時間をメインに転職先を決めると、他の条件に不満があった場合、退職につながる可能性があります。
プライベートの時間を優先したい方は、自宅との通勤時間で職場を選ぶことも大切ですが、他の条件もしっかり確認しておかないと、失敗につながることもあるので注意しましょう。
転職失敗の具体例
- 通勤時間を短縮したいと選んだ職場が、サービス残業が多く、結果的に自分の時間が確保できなかった。
- 近場の施設を選んだが、業務量や施設内の雰囲気が合わず、すぐに退職してしまった。
②給与条件だけで職場を選んで失敗
給与だけを重視して自分の適性や施設のサービス内容を把握せずに転職先を選ぶのも失敗の原因となります。
「給与の高い施設で働きたい…」と考えるのは自然なことです。しかし、たとえ高収入でも、残業が多く休めない施設や、仕事内容が合わない施設で長く働くのは難しいでしょう。
転職失敗の具体例
- 高収入の求人に惹かれて転職したが、夜勤が多く心身ともに疲れてしまった。
- 給与が高い代わりに人手が足りず、過度な業務負担を強いられ、退職を検討する羽目になった。
③施設を比較せずに選んで失敗
介護施設には、デイサービスやグループホームなどいろいろなサービスがあり、自分に合った施設を選ばないと失敗につながりやすいでしょう。
施設サービスによって働く時間帯や仕事内容に差があります。
介護業界の転職では、「自分に合った施設を選ぶこと」が重要。いろいろと比較せずに転職すると、「もっと自分に合った施設があったのでは…」と後悔する可能性があります。
転職失敗の具体例
- デイサービスと特別養護老人ホームの違いをよく理解せずに転職し、自分の得意分野とは異なる業務を強いられた。
- 比較せずに急いで転職した結果、仕事内容が想像と異なり早期退職を余儀なくされた。
④希望条件が定まっておらず転職失敗
仕事内容や給与・職場の雰囲気など自分は何を重視するかが明確になっていないと転職に失敗する可能性が高くなります。
勤務条件は人それぞれ異なりますが、自分の優先順位を明確にしておかないと、自分に合わない職場を選んでしまうリスクがあります。
転職失敗の具体例
- 夜勤が少ない方が良いと思っていたが、面接で確認しなかったため、夜勤の多い職場に就職してしまった。
- 仕事内容を重視していなかったため、思っていたよりもハードな業務に追われ、辞めたくなった。
⑤介護の仕事に対する明確なビジョンが定まっておらず失敗
介護職に対して漠然としたイメージを持ったまま働いている場合は、どの職場でも退職につながる可能性が高くなります。
「介護職としての目標」「転職先でのキャリアアップ」などが定まっていないと仕事へのモチベーションが上がらず、転職を繰り返すという事態を引き起こすこともあるでしょう。
転職失敗の具体例
- 将来どのようなキャリアを築くか考えずに転職し、思い描いていた成長機会が得られず不満を感じた。
- キャリアアップを目指していなかったため、入職後のスキルアップや昇進の道が見えず、仕事に対する意欲を失った。
これらの失敗事例を避けるためには、転職前に自分の希望や優先事項をしっかりと見直し、転職先の条件を慎重に比較検討することが大切です。
介護職が転職に失敗しないための5つのポイント
介護職の皆さんも、さまざまな理由で転職を考えることもあると思います。
もちろん、転職して後悔することもあるのでは?と不安になることもあるでしょう。介護職が転職をする際に失敗しないためには、どういった点に注意すればよいのでしょうか?
どのような職場で働いていたとしても、入職当初と目的が違ってきたり、生活環境の変化があったり、また人間関係などでトラブルがあったりすると転職を考えるものです。
仕事をする中で、異業種への転職を考えることもあるかもしれません。しかし、介護士の場合、資格取得に時間やお金をかけ、信念を持って仕事をする人も多くいます。
異業種への転職をして「やっぱり自分には合っていない」と後悔をするのは避けたいものです。
もちろん介護職として違う職場に転職をしたとしても、よく考えずに就職先を決めてしまうと、同じことで悩んだり、希望と違ってしまいまた転職したくなったりすることもあります。
そこで、介護士が転職を失敗しないためのポイントを5つ紹介します。
①介護職のキャリア形成を意識した転職
介護士であれば、介護職のキャリア形成について再度認識しましょう。
介護職は公的な資格を取得して働く職業の一つです。短期間で取得できる介護職初任者研修からステップアップを目指し、介護福祉士の資格を取得することもできます。
どのような仕事がしたいかによって資格を取得し、仕事の幅を広げていくことも可能です。しかも、国家資格である介護福祉士なども、働きながら取得することができます。
資格取得には費用や時間がかかるものが少なくありません。業種によっては学校に通わなければならないものもあります。
その間仕事ができないと収入もなくなってしまいます。
その点介護職は、資格取得のためのサポートをしてくれる施設も少なくありません。仕事をしながらであれば先輩などに受験のポイントなどを教えてもらうこともできます。
介護福祉士の資格を取得すれば、専門的な知識が増え介護職としての信頼も高まります。自分の仕事に自信を持つこともできるでしょう。
資格取得者としてできる仕事も増え、就職先の幅も広がり、転職で失敗したと感じることも減ります。介護施設で管理職となる可能性もあり、年収アップも期待できます。そのように目標に応じたキャリア形成が明確であれば、目標を立てやすくやりがいも感じやすいものです。
②転職活動の前に、自己分析とキャリアの棚卸し
介護士のみなさんが、それぞれ自分の適性に合った介護施設を探し、失敗しない転職をするためには、自分自身を知ることも重要です。
学生時代や社会での経験を振り返り、自分の長所や短所を考えましょう。更に自分の価値観を把握することで、「自分の特性を活かすのはどのような施設なのか」「どのような介護職になりたいか」を知ることが出来ます。自分の目指す方向性が明らかになれば転職で失敗するリスクは低くなります。
③介護士は社会に必要な存在だという事を再度認識する
介護職の仕事はやりがいを持ってできる仕事です。
やりがいの原動力となるのは、社会に必要な存在であるということ、社会の役に立っている仕事であるということです。介護士はエッセンシャルワーカーの一つであることも、それを裏付けています。
エッセンシャルワーカーとは必要不可欠な労働者、という意味ですが、コロナ禍において感染リスクのある環境でも生活を維持するために働き続けてくれる人、という敬意や感謝を込めてそう呼ばれるようになりました。
超高齢化社会である日本では、ますます介護のサポートが求められます。そのためには施設で働く人が必要です。
また、介護関連の知識を持ち、利用者に提案する人が、またその仕組みを作る人が必要です。介護職はその大きな役割を担っている仕事であることを再度認識しましょう。
④介護求人情報を多く集め、じっくり比較・検討した上で転職する
介護職が転職を失敗しないためには、介護士の仕事の役割ややりがいを認識すると同時に、じっくり検討して職場を決めることも重要です。
給料が高いから、家から近いから、といったことも転職先を決めるのに大切なことですが、それだけで決めると後悔をすることになります。また、ホームページに書いてあることやインターネットの口コミだけで判断しないことです。
自分の目で確かめたり、実際にそこで働いている人から情報を得たりして、正確な情報を入手しましょう。
売り手市場である介護職は数多くの求人があります。さまざまな情報を入手し、比較検討してみましょう。その中で、より自分の希望に合った転職先を決めることが、失敗しない転職につながります。
⑤転職先の職場を事前に見学する
応募前や面接時などに施設見学が出来れば、積極的に見学して施設の雰囲気をご自身の肌で感じてみてください。
職員の動きやお客様の表情などを自身の目で確認することでWebサイトでは掴めなかった活きた雰囲気も感じることができるでしょう。いざ入職してから、転職で失敗した!と思わないために、あらかじめ確認しておくことが重要です。
介護職が異業種へ転職するメリット・デメリットについて
介護職の仕事は精神的にも体力的にもつらいことが少なくありません。また、介護の仕事をしていく中で、異なる仕事に興味を持つ場合もあるでしょう。そのような場合、異業種への転職を考えることもあるものです。
介護職が異業種に転職するメリットとしては、事務系への転職であれば体力的な負担が減ることがあげられます。
介護職は慢性的な腰痛や背中の痛みなどを抱えることも多いものです。職種によっては、身体的に楽になる可能性があります。
また、土日や祝日に休みが取りやすくなる点もメリットです。家族との時間を増やせるでしょう。
デメリットとしては、取得した資格を活用できないことです。職種によっては新しい知識やスキルを身につけなければならず、今までの経験やスキルを生かせない可能性があります。
介護士が転職で失敗しないためには
介護士の後悔しない・失敗しない転職のためには、介護職専門の転職コンサルタントを利用するのがおすすめです。
転職コンサルタントでは、専任のスタッフがつき、失敗しない介護職の転職のため、さまざまなサポートをしてくれます。
求職者の経験や資格、どのような職場でどのように働きたいかなどの要望を踏まえ、適した職場を探してくれます。
自分一人では手に入れることのできない量の情報や、転職コンサルタントしか入手できない情報などから、要望に合った職場を見つけてくれるのです。
仕事が忙しい場合は、面接の日程調整などもしてくれます。
履歴書や職務経歴書の書き方のポイントや、面接での自己PRのコツなどもアドバイスしてもらえます。
転職についての悩み事があれば、気軽に相談できる点でも安心です。失敗しない転職のために、介護職専門の転職コンサルタントを利用してみましょう。
転職理由を前向きに捉えて失敗のない転職活動を
仕事をしていく中で転職を考えることは、誰しもあるものです。
転職は少しもネガティブなことではありません。
転職をしてキャリアアップや年収アップ、またはもっと楽しくやりがいを感じられるようになる可能性も高いです。
中には異業種への転職を考えることもあるかもしれません。
その際は介護職の仕事について再認識するとともに、自分の適性や自分は将来どうなりたいのかなどを踏まえ、再就職先について考えることが大切です。
転職をする際には、なぜ転職をしたいのか、次はどのような職場で働きたいのか、を明確にして、上手な転職活動をしましょう。
その際は、転職コンサルタントのサポートを受けるのがおすすめです。
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