急速に進む高齢化に伴い、高齢者を支える介護士の需要はますます高まっています。
介護は必ずしも資格が必要な仕事ではなく、無資格でも介護士として働くことは可能です。ただし、介護関連の資格が無資格の場合従事できる業務範囲は有資格者よりも狭く、日々の介護業務の中でもできる仕事とできない仕事があります。 この記事では、介護関連の資格を持たない無資格の介護士ができること・できないことを解説します。さらには、2024年から無資格者へ義務化された認知症介護基礎研修についてもご紹介します。
Contents
資格なしで介護の仕事を始める理由
介護の現場では、人材が不足している状態が続いており、厚生労働省では、2040年には、全国で約69万人の介護職が不足すると推計しています
そうした人手不足の背景もあって、介護サービス運営会社のなかには、社内で介護人材を育成する研修制度を充実させた介護サービス運営会社も多く、「無資格者OK」の求人を出すところも多く見られます。
性別・年齢の関係なくチャレンジできる業種の為、40・50・60代になっても無資格・未経験の人材も始めて頂けます。
※厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2021年7月9日発表)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
高齢化社会での採用ニーズの高まり
介護業界は、慢性的な人材不足が続いています。今後さらにこの問題は加速すると考えられており、団塊の世代が75歳に達する2025年までには、約38万人もの介護士が不足すると予想されています。高齢者と言われる65歳以上の人口割合が増加しているのに対し、65歳以上を支える15〜64歳で支える人口の割合は減少しています。
先程も述べた通り、介護人材の人手不足は2040年まで続くと予想され、介護業界のニーズは高まる一方、担い手が少ない状況です。
このような背景から、介護人材は長期間にわたり必要とされる見込みなので、
介護業界は、介護の資格が無くても仕事を始めることが出来る環境にあります。
無資格で働ける介護業務の存在
介護は専門的な知識や技術など資格が必要な仕事もありますが、生活援助の業務は資格なしでも出来る業務です。
生活援助は掃除・洗濯などいわゆる身の回りのお世話をする業務で、介護の専門性はあまり問われませんが、利用者様の快適な生活をサポートする重要なお仕事です。
自身の出来ることが、介護を必要としている方へ貢献している実感がやりがいに繋がると考え、介護の資格が無くても仕事にチャレンジする方もいます。
入社後の介護スキル習得のための環境
介護の資格を保有していなくても、有資格者の監督があれば「身体介護」を行うことも可能な為、未経験でも介護のスキルは実践を通して身に着けることが出来ます。
仕事を覚えていけば、介護の基礎知識が自然と身につく為、そのまま資格取得に繋げることが出来るのも、介護資格がなくても仕事を始める理由として挙げることが出来ます。
職場の教育体制の充実度
介護業界には無資格・未経験の人材に対して、研修・教育制度を充実させている介護サービス運営会社も多く存在します。
介護の資格がない、介護の仕事は未経験の人材も介護業界の仕事が始めやすく、働きやすいことも、無資格の方が仕事を始める理由の一つです。 研修や教育の内容は、先輩社員によるマンツーマンの指導や、資格取得補助等手厚い体制で人材育成に注力している介護サービス運営会社もあるので、自身のキャリアアップにも繋がります。
資格なしの介護職員の仕事内容
介護の資格が無い方でも出来る業務として生活援助などが代表してあげることが出来ますが、具体的にはどのようなことを行うのでしょうか、以下の項目では介護の資格がない人材が行える業務を解説します。
生活援助業務
生活援助は、利用者さんの身体に触れずに生活サポートする業務です。
掃除・環境整備
介護施設利用者の居室や共有スペースの掃除、ゴミ出しなどが主な業務です。
その他にも介護施設利用者の快適な生活が出来るよう、導線確保・室温調整も介護職員の役割です。
洗濯
介護施設利用者さんの衣服やシーツの洗濯などが主な業務です。介護施設利用者の衛生管理に繋がる重要な業務です
ベッドメイク
介護職は、シーツ交換や布団カバーの交換も行います。ベッドの上で過ごす時間が長い介護施設利用者もいる為、衛生を保ち、健康な生活を送る為に重要な業務です。
衣服の整理・被服の補修
衣替えや衣類の補修も必要に応じて行います。介護職員は衣類の整理も行い、
季節に応じて快適な服装で過ごしてもらえるよう、サポートを行います
一般的な調理、配下膳
介護施設利用者様の中には飲み込む力が低下している方もいる為、介護施設利用者様一人ひとりの状態に合わせ、ミキサー食や、きざみ食を調理します。
あらかじめ調子済みのものを温めて提供する施設もある為、どの程度調理技術が必要かは介護施設により異なります。
買い物・薬の受け取り
介護施設利用者様のオムツ等身の回りのものを代行で買い物をすることも介護の資格がない職員が出来ることに上げることが出来ます。
身体介護業務
介護の資格保有者の指導の下でなら、介護の資格がない職員も身体解除を行うことが出来ます。
介護の資格を保有していなくても比較的簡単な介助から始め、徐々に出来ることを増やしていくことが出来ます。
排せつ介助
トイレの声掛けや介助、おむつ交換等のサポートを行います。
食事介助
身体機能・認知機能が低下により、一人で食事をとれなくなった介護施設利用者に対して、食事をサポートする業務です。
清拭・入浴介助
入浴介助では、一人で安全に入浴するのが難しい方をサポートする業務です。
整容介助
介護施設利用者様の身だしなみを整える作業です。髭剃りや整髪、洗顔などを行います
体位変換
介護施設利用者様の中には自力で寝返りを打つのが難しい方いる為、身体の向きを変える介助です。
移動・移乗介助
1人で移動するのが難しい介護施設利用者の移動を支援する業務です。
起床・就寝介助
起床時は声掛けを行い、介護施設利用者の体調を確認します。
就寝の際は居室の環境を整え、快適に眠れるよう支援します。
服薬介助
介護施設利用者の服薬の声掛けと、キチンとすべて服薬できたかの確認を行います。
送迎業務
介護施設利用者が自宅から通うデイサービスなどの施設では送迎を行います。
事務業務
資格がない介護施設職員は、請求書などの書類整理・備品発注等の事務作業も任されることがあるでしょう
資格なしではできない介護職員の業務
有資格者の指導の下、様々な介護業務を行うことが出来ますが、資格を保有していないと出来ない業務もあります。
訪問介護
1人で利用者様のご自宅で介護を行う訪問介護の場合、介護の資格が必要です。
訪問介護では1対1で介護を行う為、介護資格が必要になります。
医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養)
喀痰吸引や経管栄養等の医療的ケアは介護の資格がないと行えません。
また、喀痰吸引等は研修を修了する必要があります。
資格なしの介護職員の給料事情
介護資格のない場合、給与はどのくらい支給されるのでしょうか。
介護資格保有者の平均給与も併せて紹介します
平均給与
平均給与(月収) | 平均給与(年収) | |
介護福祉士 | 331,080円 | 3,972,960円 |
実務者研修 | 302,430円 | 3,629,160円 |
初任者研修 | 300,240円 | 3,602,880円 |
保有資格なし | 268,680円 | 3,224,160円 |
介護の資格を有していない場合、平均月給は268,680円となっておりました。
資格取得によるキャリアアップ
介護の資格がない職員と、介護福祉士の月収を比較すると約6万円。介護士が一番最初に取得する初任者研修と比較しても、約3万円の差が出ています。
介護職員として勤務を続け、研修や教育のサポートを受けながら何かしら介護系の資格を取得することが給与上昇の近道と言えるでしょう。
2024年義務化の認知症介護基礎研修
介護の無資格の介護職員は、2021年4月の介護報酬改定によって、「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられました。講義・演習の計6時間で修了する研修なので、さほど難しいものではなく、あらかじめ受講することで、転職する際の評価も高くなります。
2024年4月からは完全に義務化されるので、今後無資格で介護士になろうと考えている方は、受講するものと考えておいて良いでしょう。
資格なしで介護職への転職を成功させる方法
資格が無くても介護職を始めることが出来ることを案内させて頂きました。
それでは介護の資格が無くても仕事を始めるには具体的に何をするべきでしょうか。
介護資格が無くても転職が成功するポイントを紹介します。
無資格・未経験OKの求人への応募
求人の募集要項に無資格・未経験OKなど、介護業界未経験の人材も受入れ体制がある求人に応募しましょう。このような職場は教育体制の充実や、先輩社員も自分と同じように未経験からスタートしているケースが期待できます。
教育体制や資格取得支援の整備された職場の選定
入社後にどの様な研修や、フォロー体制が整っているかあらかじめ確認するのも有効です。 介護サービス運営会社によっては資格取得の費用サポート等、サポート体制はそれぞれ異なるので、自身の希望やモチベーション維持が適う職場を選びましょう。
まとめ
介護業界は人手不足の為、年齢、経歴関係なくチャレンジが出来る環境です。
またキャリアアップをサポートする体制が整っている介護サービス運営会社もある為、介護資格が無くても仕事が始めることができ、キャリアップも期待できます。
しかし、未経験や、介護資格を保有していない為、本当に自分も安定して働けるか、
職場環境は本当にサポートが充実しているのか不安になる方もいるでしょう。
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