資格なし介護職員は大変?働き方と転職のポイントを解説

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介護職_資格なし

介護職に興味があっても、資格がないと働けなかったり大変そうだと考えるかもしれません。実は、資格がない人でも働ける介護の職場があります。資格なしでも正社員になれる職場の特徴や、転職のポイントを紹介します。

介護職は資格なしでも正社員になれる

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この記事では、資格がなくても介護職の正社員になれる理由を紹介しています。具体的にどんな仕事があるのか、有資格者と資格がない人の違いはあるのか紹介しますので、子育てなどの理由で家計を支えるため正社員を目指す方は、紹介する内容を参考にしてみてください。

 

資格がなくても介護職の正社員になれるのは、介護職では人材不足の現状があるからです。介護を受けたい高齢者が増加しており、働き手が不足している施設は少なくありません。人手が足りない現場では、簡単な業務を任せるため資格がない人でも積極的に正社員として雇用する場合があるため、資格がなくても正社員を目指すことは可能です。

 

資格がない人でもできる業務とは、生活援助になります。普段から家事や育児をしている主婦であれば、生活の延長の仕事としてできる業務内容が多いので安心して働くことができるでしょう。

介護職の有効求人倍率について

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介護業界では、実際にどのくらいの人手不足となっているのか、有効求人倍率から見ていきましょう。厚生労働省が調査した「一般職業紹介状況」を参考にすることとします。

令和4年9月のデータによると、介護サービスの職業で有効求人倍率は以下の内容でした。

  • 全国計常用(パート含む):19倍
  • 全国計常用(パートを除く):3.25倍

有効求人倍率とは、有効求職者に対する有効求人数の割合のことです。簡単に説明すると、1倍を超えれば求人を希望する人の数より求人数が多くなり、1倍を下回れば求職者のほうが多くなります。たとえば、100人の求職者に対して100の求人があれば1倍 となります。

つまり、上記の求人倍率から判断すると、介護職で正社員を希望する人が少ない状況で、施設側にとっては人材を確保しにくい現状だといえます。逆に求職者にとっては、売り手市場となり、多くの求人数から働き口を選べるため有利になるでしょう。

資格なしでも正社員になれる介護職の例

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介護職の仕事は、大きくわけて「身体介護」と「生活援助」があります。資格のない人が担当する業務とは、生活援助のほうです。

たとえば、食事の準備や片づけをする、買い物を代わりに行く、掃除や洗濯など生活に関するサービスをする、薬の受け取りを代行するなどです。身体介護は利用者さんの体に直接触れる介護のことで、資格がない人は体に触れない生活全般のサポートが中心となります。

また、訪問入浴 でも資格なしで正社員になれるケースがあります。訪問入浴は利用者さんの自宅に行き、自宅で入浴ができるようサポートする仕事です。直接体に触れる仕事ではありますが、浴槽などの機械を搬入するなど直接体に触れない仕事もあるため、資格なしの求人も見られています。訪問入浴の仕事は数人体制で、介護職員や看護師も同行するので、資格なしの方でも安心して業務ができるでしょう。

資格なしの介護職正社員の給料例

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資格がない場合は、有資格者と比べて月2~3万円程度給料が低く なります。数万円給料が安くなるといっても、月20万円台~30万円台 の給料体制の老人ホームは少なくないので、働きながら資格取得を目指す方におすすめです。

地域によっても給料の額は異なりますが、平均月収の23.9万円 程度は期待できるでしょう。施設によっては月給20万円以下の場合もあるので、その際は賞与があるのかを確認すると、年収を下げなくて済みます。

老人ホームの仕事で夜勤がある施設では、日給2万円台 など好待遇のところもあります。夜中は利用者さんが就寝しているため仕事内容は少なくなりますが、夜勤手当がつくので好待遇の給料を目指す方は比較してみるといいでしょう。

 

介護職の休日はどれくらい?

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介護職の勤務形態はシフト制を採用している施設が多いです。固定で土日祝日休みの仕事と比べると休日数は少なく感じるかもしれませんが、年間通した休日数は平均的です。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況(p.5)」によると、介護業界を含む医療・福祉分野の平均年間休日日数は、1労働者あたり111.5日。全体平均は113.7日なので、大差はありません。参考に、最も年間休日日数が多かったのが電気・ガス・熱供給・水道業の120.9日、次いで情報通信業の119.8日でした。最も年間休日が多い業界と比べても、介護業界の年間休日数は、約1週間程度の差でした。

人手不足が課題である介護業界では、介護職員の採用・定着を目指して職場環境の改善を積極的に取り組んでいる施設が増加傾向にあります。

出典厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」(2022年1月26日)

 

介護職未経験者だと仕事を覚えるのが大変そう

介護職未経験者の場合、仕事を覚えるのはもちろん大変かもしれませんが、それは未経験ならどの職種にもいえることです。介護職の場合、まずは介護助手として業務をサポートからスタートし、先輩スタッフ達が少しづつ丁寧に仕事を教え、徐々に仕事を覚えられるようにマニュアルや仕組みを整えている傾向があります。しかし、体力面や利用者さんとの信頼関係を築くことなど、実務以外で大変だと感じることもあるでしょう。

 

未経験・無資格でもできる介護職の仕事内容

未経験・無資格から介護職を行う場合、まず始めは食事の配膳や施設内の清掃といった生活援助業務や介護事務を任せられることが多いでしょう。介護施設の場合は有資格者のもと身体介護業務を行う場合もあります。

食事の配膳・下膳

介護施設で提供する食事の内容は、利用者さんによってメニューや食事形態が異なります。嚥下機能が低下していない方や咀嚼力に問題がない方には通常食を、固いものを食べられない方にはきざみ食やソフト食を間違えないようそれぞれ配膳しなければなりません。未経験から介護職を行う場合は、まず利用者さんの顔と名前を覚えるのはもちろん、座席表を確認して間違えないように配膳することを心掛けましょう。食事が終わったら食器を片付け、テーブルを拭く等綺麗にします。

施設内の清掃

利用者さんが過ごす環境を清潔に保つためにも、施設内の清掃は欠かせません。食堂や廊下、トイレ、洗面所など、清掃が必要な場所は意外と多いもの。入居型の施設なら利用者さんの居室を掃除することもあります。大型の施設では清掃業者に任せているところもありますが、小規模な施設では介護職員が清掃を行うのが一般的なようです。

シーツ類の交換・洗濯

介護施設内では、定期的に利用者さんが使用するベッドのシーツなどを交換します。寝たきりの方や皮膚が弱い方は、床ずれを起こすことがあるので、シーツ交換は重要な業務の一つです。使用済みのシーツは施設内で洗濯する場合もあれば、クリーニング専門業者に任せる場合もあり、施設によって異なります。シーツ交換とベッドメイキングなどは比較的簡単な作業なので、介護職を未経験から始める方に任されることが多いでしょう。

介護事務

介護職が未経験でも事務職から転職する場合やPCスキルのある人は、事務系の業務を任されることがあるようです。介護事務は、主に介護報酬の請求事務をはじめ、電話対応や来客対応、備品の発注などの業務を担います。介護が未経験でも、事務職の経験やPCスキル、コミュニケーションスキルを活かすことが可能です。事務経験のある方は、面接や入職の際に相談してみると良いでしょう。

身体介護(条件あり)

生活援助や介護事務に慣れてきたら、利用者さんの身体に直接触れる身体介護を行う業務も任されます。原則、無資格の場合は、訪問介護の身体介護業務に携わることはできません。ただ、デイサービスや有料老人ホームといった介護施設内でなら、有資格者の指示を受けて身体介護を行うことが可能です。未経験から身体介護を行う場合、清拭や着替えなどの簡単な業務からはじめ、徐々に移乗や移動介護、食事や排せつ、入浴時の介助など、仕事の範囲を広げていく傾向にあります。※言い回しの変更

 

 

介護職未経験者におすすめの職場の特徴

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介護職が未経験の方におすすめの職場の特徴をご紹介します。「自分にあった環境で介護職を始めたい」「自身のワークライフバランスも大切にしたい」という方は、無理なく始められる介護施設を選ぶのがポイントです。

 

日勤中心で働ける介護施設

介護職が未経験の場合は、少ない人数で対応する夜勤は初心者には難しいため、夜間よりも人員の配置が厚い日勤の時間帯で勤務可能な施設を選びましょう。介護職の勤務時間帯は、日中のみ営業するデイサービスのような施設と、24時間対応の有料老人ホームやグループホームなどで大きく異なります。日中営業のみのデイサービスなら日勤のみですが、24時間対応の施設の場合はシフトの都合で夜勤に入らなくてはならないことも。24時間勤務の施設へ応募するなら、あらかじめ初めは日勤中心で働けるかどうかを確認しておくと安心でしょう。

 

夜勤に入るなら一定の経験が必要

先述のとおり、夜勤は日勤帯に比べて少ない介護職員で対応することになるため、未経験者がいきなり1人で夜勤に入ることはあまりありません。夜勤をするにはある程度の知識や技術、経験が必要となるため、最初は先輩スタッフが一緒に夜勤に入ってくれるでしょう。とはいえ、24時間対応の介護施設では、将来的に夜勤が可能な介護スタッフを求めていることが多いため、面接時に夜勤の可・不可を確認されます。子育てや介護といった事情で夜勤が難しい方は、事前に伝えておくのがおすすめです。

 

キャリアアップのための環境が整った介護施設

未経験の方が介護職へ就職・転職する際は、スキルアップやキャリアアップの環境が整った介護施設を選ぶのもおすすめポイントです。教育体制やフォロー体制が不十分な施設環境だと、知識やスキルを身に着けるのに時間がかかり「日々の業務についていけない」と不安になることも。そのような状況を防ぐためにも、未経験から着実に知識やスキルを身につけるための研修制度や教育制度がしっかりと整っている施設を見つけましょう。働きやすい環境整っている施設の特徴は、大規模施設や未経験者歓迎の求人を出している施設です。

 

介護職未経験者が転職時に志望動機でアピールできるポイント

介護職未経験者の場合、「経験が無いことが不利になるのでは」と不安を感じる人もいるようです。介護職が未経験の場合、学生時代や前職で培った経験や強み、そして働く意欲をアピールすることが大切です。具体的には以下のような事柄がアピール材料になります。

①コミュニケーションスキル

②思いやり

③責任感

④感じの良さ

⑤長期的に働く意志

⑥前職、学生時代の頑張った事、培った事

「自分にはアピールポイントがない」と不安を感じるなら、資格取得に向けた勉強をスタートしてみるのも方法の一つです。実際の資格取得までに至らなくても、勉強中であることを伝えれば意欲の高さをアピールすることが可能です。介護職が未経験でもアピールできる事柄はたくさんあるので、ポジティブに考えていきましょう

介護職未経験者が志望動機を伝える際のポイント

介護職未経験者が志望動機を伝える際のポイント

面接で志望動機を伝えるときは、「なぜ介護職を志望するのか」「なぜその介護施設を志望するのか」を具体的伝えることができるようにしましょう。「何となく」「たまたま」といった志望動機では、良い印象は得られません。また、「待遇面に惹かれた」「利用者さんが多いから」といった、どの施設にもあてはまる内容も、採用担当者に響かない可能性が高いので控えましょう。

 

雇用形態の違い

この見出しでは、雇用形態によって働き方にどのような違いがあるのかを紹介します。

正社員

未経験、無資格でも正社員として勤務することはできます。

実際に未経験者・無資格者を募集している事業所も多数あります。

正社員の場合、月給制となり、各種手当や昇給があります。

また、賞与や退職金など、施設によって待遇は異なりますが、社会保険はしっかり完備されています。

能力に応じて、施設長などの管理職へのキャリアアップも可能で、キャリアアップを目指すなら正社員として勤務を目指しましょう。

派遣社員

派遣社員は、派遣会社と契約を交わして介護施設に派遣されます。

時給制になる場合が多いです。

夜間専任、日中のみ、週に3日程度の勤務という条件を付けることもできます。

派遣社員には、同じ職場での勤務を最長3年間とする有期雇用派遣と、無期雇用派遣があります。

紹介先で契約終了後、双方の同意があれば正社員として採用されることを前提とした派遣方法もあります。

契約社員

契約社員は一定期間の雇用期間として、契約される社員を指します。

原則5年間で、事業所によっては契約満了に併せて正社員として採用を行う場合もあります。

契約社員の場合、常勤と非常勤があり、常勤は月給制での勤務を行います。

非常勤の場合は、日給制や月給制であることが多いです。

即戦力として働くことを前提に採用されることが多く、有資格者や経験者に限定していることもあります。

パート・アルバイト

パートやアルバイト勤務は、通常時給制を採用しており、自分の都合で勤務日数や時間を選択することが出来るのがメリットです。

パートやアルバイトから正社員として雇用される場合もあります。

自由に働けることから、家事や子育てとも両立がしやすく、中には長期に渡って同じ職場で働き続けている方もいます。

 

資格有の介護職正社員との違い

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介護職は資格なしでも働ける職場が多くあり、働きながら資格をとればさらに待遇が上がります。資格取得支援制度 を設けている職場もあるので、資格取得にかかる費用を軽減しながらステップアップすることが可能です。

資格をとるとできるようになる業務は、身体介護 です。たとえば、衣類の脱着を手伝う、入浴介護、体位を変える、服薬の指導などがあります。また、利用者さんのお宅に行き介護をする訪問介護の場合も、介護職員初任者研修の資格が必要です。

介護職員初任者研修は、介護職の初歩的な資格のひとつです。働きながら資格取得を目指しやすく、数か月程度で資格がとれるため無理がありません。資格がない状態で、働きながら介護の資格をとる方法は、自分の適性を見極めてから資格取得を目指せるというメリットがあります。まずは介護の仕事を通して自分に向いている仕事なのか、どんな介護の仕事が自分は好きなのか把握してから、必要な資格取得を目指すと良いでしょう。

働きながらでも取りやすい介護資格

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介護職として働きながら資格取得を目指すなら、以下の資格がおすすめです。

  •  介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修

まずは入門の資格から目指したいなら、介護職員初任者研修 を選びましょう。スクールや通信講座で約130時間のカリキュラムを終了すると試験資格が得られ、そこから試験に合格することで資格を取得できます。介護職員初任者研修は、以前はホームヘルパー2級と呼ばれていた資格で実務研修がありましたが、現在では実務研修がなくなりました。

さらに本格的な介護職の資格取得を目指すなら、介護福祉士実務者研修 がおすすめです。この資格は国家資格のひとつで、介護職でのスキルアップに活用されています。介護職員初任者研修の資格があれば約130時間のカリキュラムが免除され、期間が短縮できます。サービス提供責任者として働くには介護福祉士実務者研修の資格が必要となるため、給料アップやスキルアップを目指す方におすすめの資格です。

資格なしで介護職の正社員になるなら転職コンサルタントのサポートがおすすめ

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介護職では「無資格」の文字がある求人情報は多数ありますが、実務経験のない方が転職活動をしようと考えると、不安が大きくなってしまうのではないでしょうかそういった場合には、ぜひ転職事情に詳しいプロのコンサルタントの力を借りてみてください。

転職コンサルタントは、無料で利用できます。相談から求人のサポートまで無料で受けられるので、転職に不安がある方には特におすすめです。転職コンサルタントを利用するといいのは、以下のような方の場合です。

  • 希望にあった求人を探して欲しい
  • プロからの情報提供を希望している
  • 就職希望先と連絡を取って欲しい
  • 履歴書や面接対策のサポートが必要

子育て中で忙しく、自分で転職先を比較できないなら、コンサルタントから自分にあう求人を紹介してもらうと手間が省けます。
就職希望の施設の情報もコンサルタントから聞き出せるため、職場の雰囲気をつかんでから転職したい方は活用してみてください。

まとめ:介護職に興味があったら積極的な挑戦を

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これから教育費がかかる子どもがいる方で、住宅ローンの支払いなど生活費に不安があるなら、介護職への転職を考えてみてはどうでしょうか。介護職と聞くと資格取得者をイメージするかもしれませんが、近年の介護職は人材不足で売り手市場となっており、無資格者を採用するケースも少なくありません。働きながら資格取得を目指せば、自分に介護職が向いているのかも把握できるので、リスクを減らしながら転職活動ができるでしょう。

介護職に興味がある方は、ぜひ転職を考えてみてください。転職活動に不安がある方、家事や育児で求人情報を比較できない方は、無料で利用できる転職コンサルタントの利用を検討するといいでしょう。

 

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