2026年介護福祉士国家試験の難易度は下がる?試験情報とパート合格制度を解説

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介護福祉士の難易度は?

 

介護福祉士として仕事をするには、国家試験に合格しなければなりません。

その際に気になるのが試験の難易度ではないでしょうか?

 

介護福祉士の試験はそれほど難しくはないのでちょっと勉強すれば大丈夫、と思っている人もいれば、介護福祉士の試験なんて合格するとは思えないから受けられない、と思っている人もいるでしょう。

介護福祉士の試験はどれくらいの難易度なのか?また、試験に合格するにはどのようなことを理解しておけばよいのか?を客観的に理解しておきましょう。

 

介護福祉士の試験の難易度について、データに基づいて解説します。

また、介護福祉士の仕事内容や資格取得のメリットについてもお伝えしますので、受験を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

介護福祉士 資格取得の難易度


介護福祉士国家試験の合格率は「高い」と耳にする一方で、数字を並べると意外なアップダウンがあります。

直近10年(第26回~第35回)平均はおよそ73%ですが、最新の第35回(2025年実施)は78.3%、その前年度は82.8%と年度差が4ポイント以上開くことも珍しくありません。最も低かった2016年度は66.2%に落ち込み、制度改正直後の揺り戻しが見て取れます。

つまり“8割前後が受かる試験”という表面的な印象だけでは、実際の乗り越え難度を正確につかめないのです。

 

難易度に影響する要因(科目数、合格基準、試験形式)

介護福祉士国家試験は5領域11科目群からなる合計125問構成で、それぞれの科目に固有の出題比率が設定されています。

例えば、もっともボリュームが大きい「介護(生活支援技術+介護過程)」は25問で全体の20%、次いで「人間と社会(社会の理解・人間の尊厳と自立・介護の基本)」が23問で18%を占めます。「こころとからだのしくみ」は20問、「医療的ケア」は12問と続き、残りを「総合問題」などがカバーします。

数字で見ると、上位3科目群だけで全体の約60%を占めるため、出題範囲の広さだけではなく“勉強時間の配分”を誤ると大きな失点につながります。

実際、合格者アンケートでは「生活支援技術」と「社会の理解」を合わせて1日平均40分以上割いた学習者が全体の72%を占め、狙い撃ちの重点学習が定石になっています。

 

難易度をさらに押し上げているのが合格基準です。

総得点の60%前後(年度により変動)を超えることに加え、11科目群のいずれでも1点以上得点する「科目別0点失格ルール」が存在します。仮に125問中75問正解しても、1科目でも全問不正解なら不合格になる二重基準は、大量得点より“穴”をつくらない横断的学習を強制します。

2019年度の公式データでは、総得点基準は満たしながら0点失格で涙をのんだ受験者が全体の4.1%に達しており、メンタル面のプレッシャーは無視できません。

この仕組みが「苦手科目を避けずに最低2割は拾う」戦略を生み出し、学習範囲を実質的に拡大させています。

 

試験形式も一筋縄ではいきません。

125問を220分で解くためには1問あたり約1分45秒しか使えず、しかも複数の選択肢が長文ケーススタディで提示される設問が年々増加しています。

合格者の体験談では「介護過程の事例問題で利用者の生活歴を読み解くだけで30秒、解答根拠を探してマークするまでにさらに1分」という声が多く、読解力と瞬発力のダブル要求が露わです。加えて、1~5番の五肢択一で“最も適切”を選ぶ形式は誤答を誘う巧妙なひっかけが多く、マークミス防止のために模試段階から“読み上げ確認→塗りつぶし”をセットにする訓練が推奨されています。

 

【2026年度】介護福祉士国家試験の難易度が下がる?パート合格制度について

厚生労働省は9月11日に開催した”介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会”で、これまでの議論の取りまとめを実施。

2026年1月実施の介護福祉士国家試験より問題を3分割し、不合格の場合でも部分的な合格を認めることを提言しました。

この場合、再受験は「不合格パートのみの受験」ということになります。合格パートの有効期限は受験年の翌々年です。

介護福祉士国家試験のパート合格制度については下記記事で詳しく解説しています。

 

関連記事

介護福祉士国家試験のパート合格制度とは?2026年1月からスタート – ふじのくに静岡介護求人ナビ

 

 

介護福祉士試験の内容と合格率


 

介護福祉士の試験はどのような内容なのか?試験に受かるためにも、内容や傾向を把握しておきましょう。

試験合格率の動向や難易度の理由を知っておくことも試験準備として重要です。

 

試験内容

試験は筆記試験と実技試験がありますが、実技試験は福祉系高校ルートとEPA(経済連携協定)ルートで受験した場合のみです。

筆記試験は医学分野、法律分野、心理学的分野と多岐にわたり出題範囲は広いですが、すべて選択式です。

 

実技試験は1人につき5分間以内で実施。

「介護の原則」・「健康状況の把握」・「環境整備」・「身体介護」の項目から指定された課題に対して実技を行います。

 

合格率の推移

実施回 実施年度 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第26回 2014年 154,390 99,689 64.6
第27回 2015年 153,808 93,760 61
第28回 2016年 152,573 88,300 57.9
第29回 2017年 76,323 55,031 72.1
第30回 2018年 92,654 65,574 70.8
第31回 2019年 94,610 69,736 73.7
第32回 2020年 84,032 58,745 69.9
第33回 2021年 84,483 59,975 71
第34回 2022年 83,082 60,099 72.3
第35回 2023年 79,151 66,711 84.3
第36回 2024年 74,595 61,747 82.8

厚生労働省「介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移」令和6年版,2024.

https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/001230244.pdf,P.15(参照 2025-1-11)

 

ただし、介護福祉士の国家試験は誰でも受験できるわけではありません。試験には受験資格があることも、合格率が高い理由の一つでしょう。

しかし、合格率が90%ということはなく、70%に届かない年もあるため当然試験対策が必要です。

介護福祉士試験の合格率については下記記事も併せてご覧ください。

 

関連記事:2025年介護福祉士国家試験の合格点と合格率・合格ラインについて解説 – ふじのくに静岡介護求人ナビ

 

介護福祉士 資格取得のメリット


 

介護福祉士の求人一覧_ふじのくに静岡介護求人ナビ

 

介護職にはさまざまな仕事があります。

そもそも介護福祉士の資格を取得した場合、どのような仕事内容になるのか、介護福祉士の役割や業務内容についてお伝えします。

勉強へのやる気をアップさせるためにも、資格を取得することのメリットについても理解しておきましょう。

 

介護福祉士資格を持っていれば、信頼度が高まり就職や転職、復職においても有利です。有資格者であれば、介護に関する専門知識や技術があり、介護のスペシャリストとして認められ、雇用ニーズも高くなります。

自分の希望する職場への就職がしやすくなったり、収入アップやキャリアアップができたりするなど、好待遇での就職も期待できるでしょう。

資格取得のために勉強もするので、介護福祉士として自分も自信を持って役割を担うことができるのも資格取得のメリットです。

以下で詳しく解説いたします。

 

重要な仕事を任せられる

国家資格を持つ介護福祉士は、介護に関する専門的な知識や技術を身につけているということです。

そのため、信頼度も高く、より重要な仕事を任せられる可能性が高いです。

 

チームのリーダーなどを任される可能性もあり、指導者としてのスキルも身につきます。

専門性の高いスキルを持っていることで、仕事の幅が広がることも。

責任は重くなりますが、その分やりがいを感じながら仕事ができるでしょう。

 

好待遇が期待できる

資格を取得していることで、給料やボーナスが高くなり収入アップにつながる可能性が高いです。

無資格のときより給料のベースがアップしたり、資格手当がつく職場は多くあります。昇進をすることも考えられ、好待遇が期待できます。

 

キャリアアップにつながる

介護福祉士の資格を取得することで、キャリアアップにつながるのもメリットの一つです。

自身の介護福祉士としての専門性が高まるとともに、スタッフへの指導や利用者やその家族へのアドバイスなど、仕事の幅が広がることもスキルアップになります。

 

さらにケアマネジャーを目指すのであれば、まずは介護福祉士の資格が必要です。

介護福祉士の資格を取得し経験を積めば、ケアマネージャーの資格取得にチャレンジすることができます。

 

就職・転職に有利になる

資格を持っていると就職や転職に有利になります。

特に介護職は専門的知識やスキルがあるのとないのとでは、信頼度が大きく異なります。

利用者を安全に、またよりよい生活ができるようにサポートをするためにも、専門知識を持つ介護福祉士は頼りになる存在です。

 

雇用する側は、信頼できる介護福祉士を求めています。

国家資格である介護福祉士の資格があれば、待遇や職場環境、また地域など希望する職場で働ける可能性が高くなります。

 

介護福祉士の受験資格取得ルート


介護福祉士になるには、「介護福祉士国家試験」に合格しなければなりません。

「介護福祉士国家試験」は年に1回です。

例年1月に筆記試験、3月に実技試験が行われます。

 

試験を受けるには受験資格が必要です。

受験資格を取得する4つのルートについて解説します。

 

養成施設ルート

一つは養成施設ルートです。

指定の介護福祉士養成施設(福祉系の専門学校や大学など)を卒業することで、介護福祉士国家試験を受験できます。

 

高校を卒業する時点で介護福祉士を目指すと決めている人におすすめです。

 

実務経験ルート

実務経験ルートは、介護業務の実務経験を積んでから受験する方法です。

実際に介護の現場で働いているなら、実技試験を受ける必要はありません。

 

ただし、現場での経験が3年以上、かつ従事した日数が540日以上あることと、実務者研修の講座を修了していることが条件です。

 

福祉系高校ルート

福祉系高校ルートは、福祉系高校等を卒業し、介護福祉士の国家試験を受験するルートです。

介護・福祉の科やコースのある高校に入学し、卒業することで受験資格を取得できます。

 

EPA(経済連携協定)ルート

EPA(経済連携協定)ルートは、EPA介護福祉士候補者のための受験ルートのこと。

協定を結んでいる国のEPA介護福祉士候補者のルートで、日本人は対象外です。

 

 

まとめ | 介護福祉士の試験難易度を正しく理解しよう


 

高齢化社会の進展に伴い、介護福祉士はますます需要が高まる職業です。

介護に関する専門的知識やスキルを求める職場はより多くなり、活躍できる場もさらに増えていくでしょう。

そういった状況において、国家資格である介護福祉士の資格を取得することは、安定した就職・転職の実現を可能にします。

 

経験を積んでケアマネージャーになるなど、キャリアアップもできます。

仕事の幅が広がり、さらに大きなやりがいを持って仕事をすることができるでしょう。

 

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介護福祉士の資格を取得すれば、キャリアを築くとともに、管理職や専門職などの道も開けてきます。

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